きみがとつぜん
海がみたいと言ったから
きっと寒いよ?と言ったのに
小さく あったかいよと言い返されたから
ひとのいない砂浜が
どこまでも続いている
どこまで行くの?と聞 ....
心の外側で謝ったり笑ったりするとき、自分を消費している感じがしてよかった。精神の空洞に合わせて身体を削って、サイズを合わせようとしていた。自分の欠けているところがはっきりと見えていて、でもなんと言 ....
絵を飾る
遠い砂浜
日が沈む五分前
遠くに人影が
犬の散歩だろうか
それとも
心の散歩だろうか
気がつけば
絵の中に立っている
橙色に染められて
描 ....
もう一人くらい私がいてもいい、はずなのにやはりいないのだ 雪
毎日すべての珈琲が
あたたかい国
街の真ん中には日時計の柱
海の上で
狩りを覚えはじめた小禽
無人の駅を震わせるピアノ
なめらかな不発弾
幾何形体
迎える身体が
どんなに拒んでも
....
そんな、
ちいさないのちの、
いきていた、にさえも、
つめたいかぜはようしゃなく、
ふきつけるのです、
あの日の津波で
何万のペンが
流されたことだろう
たった一本
生き残ったペンは
誰かの胸のポケットに
しがみついていた
ペンはまもなく
もとの暮らしに
書くものは以前と同 ....
人あまたゐてそのうちのただ一人のみ我なりと知りし日のこと
朝
僕たちの半分は 燃え残り
がらくたを 集めはじめた
不完全なまま 笑ったり
食べたり 愛した
頂点の すこしだけ手前で
自我をもった がらくたが
誰かのかわりに 泣きはじめた ....
いつも突然訪れる
急に寒くなったり
暑い日が続いたり
予告も前触れもなく
激しい雨を降らせたり
それはまるで自然の脅威を知らしめるかのように
生温かい風を吹き付け
氷の塊のようなものを地 ....
口にすることの不思議さ
この空に 感じたものを
口にすることの不思議さ
この空に 見えたものを
助けておねえさんちょっとだけでいいから
かわいそうに虫けら。話すことできないから話してても解らない。雑音なくなって良かったね、って、にこやかに仲間うちの会話。反吐が出るね。君の事だよ。すがった手 ....
夕陽が背伸びして犬の影がおちていた
森や林にさびしい色が川や海にかなしい色があった
くしゃくしゃに
まるめた明日は
60兆のキセキ
あの日の、
これからの
まぼろし
くしゃくしゃの
わたしの
こころの
からだの
すべての
くしゃくしゃの
キセキ
いたずらにつけられた名前で一生袖にされ
数億数兆数京の命それぞれに意味求める
盆に探しもしない雉の鳴き声聞く
黄色い花咲いて西瓜かメロンかカボチャか
指先が乾きすぎて ....
秋も半分おわりました。
朝はもうさむいです。
夜はもう冷えています。
ついつい
長い夢をみてしまいます。
それでも
目覚めてしまうもので…
生きているからでしょうか?
枕には絡んで ....
風なのか
名もなき季節を通りすぎ
名もなき町をめぐる
僕らは
ひとつだけ朝をください。
この胸がいっぱいになる朝をください ....
自由という足枷を引きずりながら終点のない遠足に行く
ねずみ花火が今後にひびく
海の日に紙石鹸をはさむのよ
凶作に三羽烏が入っていく
福引きに似ている年もあったろう
ラットレースが水をふくんでふくらんで
ばらばらと歩いていると
ばらばら
というこの擬態語は
この場合使えるのかどうか
複数ではなかったが
(そのつもりだったが)
個人的にある程度ばらばらと
歩いているつもりだったが
....
等量のインクで書かれた二と十を異ならしめている、これが意味
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
約束がなくても
洗濯物が乾かなくても
希望を持てる明日が好きだ
ノートの最初に
名前を書く時のような
力が溢れて泡になる
明日になれば
それまでの記憶を捨てて
また何かを拾える ....
関係者すべての電話番号
メールのやり取りも、すべて消して
何処の誰ともわからぬ身分で
ふわっと次に行けよ
オマエの研鑽も
達成も
業績も
全部白紙で実 ....
秒速2m
まだ来ない夜明け
一日ごとに
増えていく知識
一秒ごとに
尽きていく命
得たものはいつでも
失ったものに釣り合って
途方に暮れる
秒速2m
夜明けが追い越 ....
眠りたいわけではないがこの脳が眠たがるから眠ってやるか
ボクのほうはと言えば
「待ってる」ことの意味もわからず
勝手な喪失でうなだれていたりしていた
だが、その大きな声で心のドアを
こじ開けてくれた青い瞳のロッククイーン
失敗のない夢なん ....
同じ穴から拔け出てもその先の世界がひとりひとり違った
花の匂い まちの匂い 文の匂い
というものに
あこがれて 今でも
色色なものに なってみますが
わたしには今でも
秋の夕暮の忘れもの、
雨ざらしの古い花瓶、
それとも何も書かれて ....
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