眠りに落ちる薄暗がりで
死神たちは今日もひそひそと話しかけてくる
おまえのおまえの居場所はどこにもないんだよ
適当に風が吹いて
空き缶が何処かに当たる音がする
世の中で一番最悪なリズ ....
ひかりと海面はんしゃしあって揺れている
手縫いしたおへそのあながいたかった
てのゆびは五本 立入禁止措置
さかなへんの漢字をあたらしく作る
とおい縄 ほほえむだけが ....
日々洪水 窓の外で
右往左往する色たちを
ひとつも自分のものではないのに
愛していた
しらない街でも 深い森でもなく
自分の家の扉のまえで迷子になった
しっているはずの壁の色も言え ....
一枚のを、まん中からわけたら、裏と表のなかにもうひとつ裏と表ができますよね。っていうのを繰り返して、とうとうわけられなくなった薄っぺらの一枚はきっと透けてて向こう側がみえる。おもてとうらが、ぶつか ....
ジャズ、ありがと、えりまき、水槽、私の胸
ピンクのくまとか、くまの、意味とか
スプーンをまるめた指輪してたね。
あと覚えてるのはドア
しまるときに音がしなかったから
君が来たんだと思った ....
はがされたばかりの空が、海が。詩へんをついばんだカモメのくちばしを読めばことばはなく、この街は。木洩れた庭先に女の子が水やりをする、ひかりに水をあげているの、と首を傾げる。チグハグなあいがまっ ....
忘れた後、
しずかに思いだした
ひかりのように笑って
銀色の並木道を駆けていく
なめらかで黒い髪の毛
もう 振りむかず、
ひとふさの歌に ....
あしゆびのあいだに隠れているてがみ
はち蜜でできたれんがのラブホテル
天国のかわりにレンジを置いてゆく
100万で買えるわたしのつばさぼね
ついらくのたびに溺れてゆく犬歯
連れてくよ ....
あなたのその愚かな 姉 の ようなほほえみを
点字にしてずっと撫でていたい
の
だ
知らない男がしゃがんでいる
あきらめた花がぽとぽと落ちてくる庭の木の ....
詩情さえ
なくしていいと思っていた
このコンクリートの延長線に
あなたはいない
ひとりをなくした
世界のようなひとりを
なのに今夜は
少し明るい
月見草が咲いていて
私は詩を書い ....
土星がこんなに走れるとは知らなかった。いくらボールを入れても得点にならないので火星はいらだちはじめた。水星に至ってはペットボトルに作り置きしたウィスキーの水割りを枕元に置いて眠り出した。金星は泥にまみ ....
あなたが言いかけてやめてしまった命
浮遊する魂の残骸を窓のない汽車の中で夢想して
夢想して
それが手の届かない場所だと
それが僕では救えなかったと
こんな時間に想像しきっ ....
突き動かされるように起き出して
昨日の残り物を食べている
いよいよ目がおかしくなってしまったかと思うほど
朝陽が濃い水色に輝いて
鉄臭いカーテンがそれにならってたなびいている
地獄のよう ....
「えへへ、それでね
「肋骨を開くと、クリスタルドームみたいになってるの
「果てなく消えていくための扉があるというわけ
「この世界は全て心の出口
「なら入り口は
「それは私だけ
「私だけの秘 ....
すべての
あどけないものよ
すべての
おとろえたものよ
すべての
あざやかなものよ
すべての
かげりゆくものよ
すべての
にげまどうものよ
すべての
おいかけるものよ
すべての ....
今。誰もがないようにしようよしています。
私は死体を得ることについては何かを知っています。
何色が好き歩くことはできませんでした。
確かに人に顎骨アップイチゴをどこで購入できます ....
ねえ
世界で誰もが認めない恋愛がこの世にあったとして
それを止める術があるって
本当にあるのかしら
人の命を奪うことは
とても最悪な犯罪なのに
生まれてきた熱情を殺すことは
何の罪に ....
僕にちぎられた。
僕は僕を監禁さんですから。
ぼんやり空間のマンションに幽閉くんだ。
くっきり空間は網膜で取り込む。
レポート
今までで登場した「監禁さん」や「幽閉くん」は ....
くるみの内側を
走り続けていたよ
放物線を描いて
世界を広げようとしたよ
僕は
一人ではなかった
君の姿は、
見えなかったけど
くるみのにおいが
していたんだ
僕が目を覚ますときも ....
薬
蟻
自動ドア
君がいう
髪のびたねと
風がなびいて
会えない日々を梳かしていく
君は遠い季節に
住んでいて
いつも変化に遅れて気づく
この夏
君が気づく頃
私は黒髪を
....
鰺
唄
今日
雲の切れ間からのぞく青い空が
のびやかに光をかもだしている
瞬く間に過ぎてゆく梅雨の空は
いつの間にか泣き出した
あの向こう側に
泣かなくていい日があるのなら
心を置いてゆこう
君が優し ....
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灰白の空から透明な滴が零れ落ち
無地の黒布に覆われた私の傘をコツコツと叩く
水無月の花は潤いを得て生命の重みを増す
今年もまた豊かな音の季節が来るのだ
スノードームみたいにひっくり返せばよみがえるたった今を
何度も何度も何度も何度も再生している
真鍮製のうつわが錆びてしまうまえに殺してください、どうか
5時間半の散歩の果てにみたエー ....
動物ばかりの世界では
美しい声で誘われる
私の唇に触れてみて
愛の温度がわかるでしょう
不確かが可能となり
私は心を杖にする
ずっと歩いてばかり
勇敢な戦士に背中を押されたから
....
すべてを話せるのなら
詩なんて書かなかった
人の間に立ち
場に即した言葉を選んでいるうち
いつしか僕らは機械のように
必要最小限しか話さなくなった
これを話せば秘密が漏れる
これ ....
「
喜びは、去らないよ。
喜びは、君の中にある。
僕たちの15分間は、永遠だ。
砂の中に埋もれたサメのように、
埋もれ埋もれて、そして愛される。
許された存在。
深刻なほど、 ....
もがいて繋げた糸
11桁の数字の羅列と見えない電波に縋ってみたくなる
電話口の音声は合成音だと誰かが言っていたけれど
匿名の 顔も見えないその声が鼓膜を震わせて
すとんと胸のあたりに落ちたとき ....
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