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声をかけずに
放っておいたら

影も形もなくなっていた

扉が開く音はしなかったので
窓から吹いていったのだろう

これでようやく
名前がつくかな

はじめまして
すっかり変わってしまった

十年前とも
二十年前とも

百年前とは
何も変わっていないかも
どうやらひとつの
物語を生きるらしい

月、日、星
月、日、星

二度と会えないこ ....
明日はなにをしようかな

そうだ、
生きよう

誰でもなくていい
幸せでなくたって

季節の風が吹いている
あなたはつづき

かつていた
誰かのように歩き
かつていた
誰かのように迷う

纏っているのは
誰かの悲しみのつづき
そうやって続けていれば
いつかは悲しみ終るかな

いや
 ....
答えは無人駅に

各駅停車ではないから
いつもは拾えない

長いまどろみの後でふと
車窓から外を眺めると
満開の桜並木

目がくらむ

駅の方では知っていた
貨物列車は
北北東へ

思い出すのは
遠い国のお話

どうしてあのときあんなにも
どうやらこのごろすこしずつ

骸骨になって
自分の中を旅している
好きな色だけでなく
そうでない色も

いつの日かカンバスを
汚すかもしれない

そしてそれがまた
素晴らしい絵に
仕上がってしまうかも

絵を書く技術を
持たない者こそ
画家に ....
あさっての次はしあさって
その次はやのあさって
と言うのだそうだ
その話を聞いたときわたしは
山明後日
と聞き間違えてしまった
なんて素敵な言葉だろう
今日を越え明日を越えたその向こうに ....
ずっとは続かない
この音楽も
あのため息も

時に染み込む
風の匂いや
夕焼けの橙
着古したパーカーに

ずっとは続かないのだ
そのいたみも
かの光も

どこにも行けない
 ....
あなたについて考えた
雲について考えていた
空について
青について
海はいいなあ
全部忘れて
全部覚えている
いつでも赤ん坊で
いつでも老人だ
親愛なる
深海魚たち
きみらにすべ ....
思い出が風化した頃に
また会おう
まあたらしい帽子をかぶり
まったく別のいきものとして
北へ向かおうか
南へ向かおうか
それとも
垂直を愛そうか
わらないまま飛んでいるうち
やあ、あ ....
絵を飾る
 
遠い砂浜
日が沈む五分前
  
遠くに人影が
犬の散歩だろうか
それとも
心の散歩だろうか
   
気がつけば
絵の中に立っている

橙色に染められて

描 ....
あの日の津波で
何万のペンが
流されたことだろう

たった一本
生き残ったペンは
誰かの胸のポケットに
しがみついていた

ペンはまもなく
もとの暮らしに

書くものは以前と同 ....
雨雲と友達になった
郊外の公園で寂しそうにしていたので
声をかけたのだ
私は自分から
見知らぬ人に声をかけるような
人間ではない
相手が雨雲なればこそ
そんな気まぐれを起こしたのかも
 ....
言葉には年輪がある
   
うそだと思うなら
誰かがはいた言葉を拾い
輪切りにしてみるといい
   
どんな言葉にも刻まれている
   
それまでに経験した悲喜こもごもが
出会いや別 ....
HRの時間になると
黒ヒョウが教室に入ってきた
あ、代わったんだ
担任の交代は初めてではないので
生徒らは慣れっこだった

まさか黒ヒョウだとは
黒ヒョウは静かに
教室を歩き回る
 ....
無人の駅で
日曜の校舎で
   
ページを閉じると
すべりこむ花びら
五年後に会うだろう
   
そのとき同じ細胞は
ひとつも残っていないのに
なぜだか同じ人のまま
   
性格 ....
さようならは

何色ですか
真っ青ですか
真っ黒ですか
それともあの日の夕焼けの
だいだい色ですか

さようならは

どのへんですか
指先ですか
つま先ですか
それともア ....
一行先になにがある
   
埋もれたものを
掘り出すために
ペンはノートをすべる

時に動きを止め
時にくるくる回り

なさけなくも
いさましく
次の一行へ

インクが尽きた ....
ひとつだけ伝えるなら
あなたに何を

朝のまぶしさか
夜のしずけさか
日曜のあきらめと
やすらぎか

風のつめたさか
空のはるかさか
言葉のたよりなさと
たのもしさか

大切 ....
角を曲がると
恐竜がいた

なんだかとても
しょんぼりしている

どうしたんだい、
と声をかけると
絶滅しちゃった…
と声を詰まらせる

仕方ないじゃないか
詳しい事情は知らな ....
育てているのは言葉の木

晴れている日も
そうでない日も

知らない鳥が
ひとやすみしていく

言えないことが
枝や葉を伸長させる

朝だけでなく
真夜中も

ペンと紙きれ ....
逆から読んでも日曜日だった

半分はやさしさでできていて
半分はあきらめでできている

教会に行けない日が続くと
平日よけいに汗をかく

踵の電池が切れていて
上手く
信じることが ....
すべての
あどけないものよ
すべての
おとろえたものよ
すべての
あざやかなものよ
すべての
かげりゆくものよ
すべての
にげまどうものよ
すべての
おいかけるものよ
すべての ....
夏目漱石の「夢十夜」という小説の中に
鎌倉時代の仏師・運慶が甦り
護国寺の山門で仏像を彫り進める
というエピソードがある
見物人の一人が解説して言うことには
樹木にはあらかじめ仏像が内蔵され ....
さあ、次の旅を。

マリーゴールドが咲いてしまった。

悦びだけで
日を暮らすわけにいかない。

間違い探しの街を抜け
答え合わせの国を出て
イルカのように光を浴びる。

君には ....
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく笑う
ひらがなのきみでいて
そのほうがよく眠る

書かれた文章は
いつか嘘をつく
だから意味もなく
生きていたいのだ
朝焼けや夕焼けに
驚いてい ....
あなたがどこで
何をしてたってかまわない
次の惑星で会おう
同じ鞄と同じ事情を抱え
ぼくたちはそんなもの
いつの世に生まれても
手ぶらでなんか生きられない
疑ってごめんね
大きな魚の幽 ....
普通の人のように
屈託なく笑おう
普通の人のように
チャーハンを食べよう
普通の人のように
洗車をしよう
普通の人のように
スポーツを楽しもう
普通の人のように
善いことをしよう
 ....
今日は
何も言わない

ベランダに干しておく

青と白がきれいだ
五月の風を吸わないかなあ
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