もうね
いいよ と
空へささやく と
空は黙ったまま
青やかだ
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
ほうき星がきたなら
いつか部屋をはいてってね
夜々を、たくさん
見はらしてね
走るひずめも柔らかく
あの雲が
マンボウ
ジャムパン
贈りもので
はちきれそうなくつ下
く ....
トンネル
信心
夕暮れ
ゆき
かぜ
つめ
言いたかったこと
言えなかったこと
音を持つ前に
雨に戻して
あなたの頬を
優しく歩きたい
そっと拭う仕草で
嫌われても
透明な傷跡に
責任を持ちたくて
もうとっくに
....
春は淡い
命がそこかしこに生まれては散る
風はそよぐ
樹々の葉がさざ波になる
風と水は似ている
そうかな
そうだよ
どちらも掴もうとしても掴みきれない
手のひらを開いたとたん
そこは ....
昼は
昼はおおきすぎて
おなかのなかで
昼じゃない時間になった
かいじゅうは君が開いたことない本の、151ページ11行目の中にいるよ
かいじゅうは雨の日、水受けになったプラスチック容器い ....
まよなかに
めがさめるのは
きのうがきょうを
こいしがるから
こまぎれに
くだけてきえるひとつのあかりが
さびしくて
こころぼそくていられないから
君が寂しさと呼ぶものが
僕には ....
ただれて行き倒れてる君の傍らに
僕は突っ立って尋ねる
なんじから、どこでだっけ?
しらねえよ
それって、だれのまね?
これで通算……
君は待ってる
それがくるのを
僕は退屈
なんでま ....
ゴミ収集車が走り去るにおいを青空に運び去る春風 ボウ 遠のく作業員たちの掛け声
電線の雀たちが放つビーム
桜が咲いたね
ハロー ユース
/
遊びたりない わけない
風に育てられた髪 ....
春風は
千年前も吹いていた
桜を散らしてビル風は吹く
悲しみを
じっとして聴き耐えている
時間よもっと速く流れて
ゆうれいの
フリをしている月を見て
指さし ....
インターネットがなければ私たちは幸せだった?
私たちが死んでたらあの子はまだ生きてた?
そんな問いに意味はないと夢は心に傷をつける
目覚めたら同じ形の人間を探しなさい
上手く見つけられたら ....
部屋のなかにいて、やるべきことをあれこれと思い浮かべていると、とつぜん頭のなかがきゅんと鳴って止まってしまう。窓の向こうの方の白い建物に陽が当たってまぶしいさまや、風どうしがぶつかってひゅうひゅう ....
あなたのかわいい
おくれがちな相槌
寒すぎて ちょっと笑ったよね
愛してたけど
愛じゃなくてもべつによかった
隣りあう洗濯物
使いふるされた工具
石ころ
乾いたスポンジ
....
誰かが笛を吹いているんだ
泣いているようにも聴こえるし
笑っているようにも聴こえるし
怒っているようにも聴こえるんだ
君は大きすぎたんだね
僕たちは小さすぎるんだね
君の息づかいを感じ ....
わたしたちはいつも
夜のなかで 朝を想ったし
眠りのなかで 目ざめを待った
つめたい腕を合わせながら 熱い言葉を望んだし
すれちがいざまに 永遠を願った
決してあらわすことのでき ....
どこかに、
たしかに、
あるよね。
公園の枯れ葉を這う蟻を見つめながら
あなたが言う。
どこかに、
たしかに、
なんか
あるわけないよ。
散りかけの白い山茶花を眺 ....
(この家はとても寒いね
大きな口を開けて
ぼくたちを飲み込んだこの家はとても
あの子は帰ってきてからずっと泣きっぱなしだけど
きみが忙しいってのもわかってる
指をせわしなく動かしては眼を ....
君がいた夜は
物語のように遠くなってしまって
いくつものビルが建て替わった
なつかしい詩を読み、
ぬるい水を飲み
二足しかない靴を交互に履く
平和な日記を過すうちに
こんなところ ....
夜がこわくて炬燵でほっとしている
酒がこわくて酒飲みはやさしくて
パチンコ屋の横のコンビニは儲かるだろうなあ
愛を源泉として妻は歌づくり
妻が作業着洗ってくれてうれしい
....
雪道に残された足跡
自分がどこへ向かうのか
どのみち決まっていなかったから
足跡をたどって歩いた
同じ場所でとどまたった跡
ところどころ曲がった跡
どうしてもまっすぐになれない ....
言葉の美しさを知らなければ、この空の本当の色も伝えることができない。矛盾点を指摘していくだけが言葉じゃないよ。当たり前のことに。ただ当たり前の毎日があるだけで、幸せをかみしめてみたりしてる。
風 ....
寒風すこし感じつつ風呂はいり
月の行方しれずぼうっとしておる
牛タンビーフシチューが正月を彩った
カップをのぞいてお茶ののこりを確かめる
口さびしさ夜にチョコレットほっして ....
起きて快晴を浴びていた
ベランダに出てここが私の居場所
冬陽明るくあこがれていた
お雑煮いただいて「ふう」と息吹く
どこへいこうか空っぽのじぶん
それでも生きますサンタマ ....
時折
君の身体から星が発生した
君はいつもそれを
無造作に僕にくれた
――君は星が好きだから
そう云って微笑っていた
何故身体から星が発生するのか
君自身も知らなかった
――何故だ ....
「もうない」とつぶやく誰かがいないので「ない」がどこにもまだなかった日
十億年、と言わず千年くらいでも離れて見れば消えてなくなる
視点だけならどこまでも行けるので私が見えなくなるま ....
陽があたたか孤心を照らす
氷を口に入れて陽にとかされる私
再出発こころ得てじっと手をみる
再出発の手ぶらでいく
お年玉用意してしずか座っている
煤逃げ、草の刈りさられた公 ....
けさは食事を摂らず青空ばかり
よい匂いの洗濯物ができました
妻とよく語り合いテレビが要らない
けさは小説を読む、言葉ながれてゆく
妻が動けば、朝が動く
わたしが家を発 ....
長い眠りのあとで
あれは祈りだった
あれは、
ふるく、弱く、新しく、ふるえて、断固として、長く、みじかく、とおく、ごく近く、ギターのようで、空のようで、波打ち際で、空洞で、退屈で、さわが ....
思い出が風化した頃に
また会おう
まあたらしい帽子をかぶり
まったく別のいきものとして
北へ向かおうか
南へ向かおうか
それとも
垂直を愛そうか
わらないまま飛んでいるうち
やあ、あ ....
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