私たちは夜道を歩いてる
月明かりを頼りに
遠い世界から雷雨がやってきて
私の両耳をあなたが両手で塞いでくれる
夜中に目が覚める
部屋の中で風が吹いてる
私の髪はまだ濡れていて
....
忘れるという草を踏みながら
掻き分けていく貧しかった頃へ
新聞配達のアルバイトで
何日目か分からないセーターを
夜空の色と比べて笑った
同じ青だからまだ大丈夫
空に抱いた憧れや ....
君の人生の文脈を指で辿って胸の鼓動に溜め息が出る。
◆
朝日がノートを照らした間だけ、私が書いた文字が脈を打った。
◆
今日夜が綴る文脈は深海で忘れ物をしたような輝きがある。
....
鹿
という字に
お湯をかけるとあらわれる鹿に
みつめられながらカップヌードルをすすっている
いつまでこうしていられるだろう
これからの時代は
もっとたくさん間違ってしまうことも
ある ....
頭上に残る星の足跡は
私がここで咲いてる証を
誰かが踏まないようにするための
クッションを並べた部屋みたいだね
ガラスの窓や扉はないけれど
空があるからみんなに手を振り
首を傾 ....
書き損じた天気図の余白に
僕らは昨夜見た偽物の夢を書き続ける
筆圧があまりに強いものだから
明日見る予定の夢まで記してしまう
つけ放したラジオから聞こえる
ネジが酸化していく音
そ ....
月のかたむき
くまの夢
片方のこったパンの耳
この日差しのあふれた一粒を
こまかく こまかく
もっとこまかく、美しくみがいて
あつめて
天からふりまいたのを
永遠と呼ぶから
きみ ....
恋が痛いのは私が地球を代表しているからで、私が地球を代表することで困る人は誰もいない。青い細長いボトルみたいなんだよ、かみさまの見つめてた大草原に落ちていた空気の瓶は。空気はそこから生まれ続けて、草原 ....
少し大きめの靴を選んだ
踵の余った場所に降る雪が
歩くたびに近付いて離れて
どこかで諦めた夢のように
形はないけど青い影を踏む
擦り切れるような傷を持っている
足首みたいに貼るもの ....
好きの反対は嫌いじゃないし
じゃあ、雨の反対は晴れじゃないのかな
感情なんて捨ててしまえって思うのに
溢れんばかりに湧き出てきて
雨粒は僕の涙を隠すし
水たまりには僕の表情が映ってる ....
君の目のなかにある夢の滴を、
君と言う。
ただ君のなかにある夢だけを、
わたしは追いかけて。
それを光とは呼ばない、
あまりにも遠いのだから。
君はいずれ、
わたしを去るのだ ....
褒められても
けなされても笑った
誰かの声が
肌に触れるなら
くすぐったくて
逃れようもなくて
その場を離れる
尻尾が欲しい
みんなが乗ってる
車みたいに
同じ速さで
動くも ....
何も知らないから
何かを知っているのだ
見返しても記されていない
笑顔について
書かれてなくとも構わない
僕の里では
星は数えるものではなかったんだよ
この都会に来て驚いたのは
その星が数えられるくらいしか
無いってことさ
そうなんだ
故郷の夜空の星々は
散りばめられた光の粒だったから
で ....
薄ピンク色 愛を乞ういろを なでる ひたすらに
ああ、知っているよ まっすぐに
舌から垂れていく粘膜は都市を浸食していきますね。崩落していく花の詰められた箱から解放されて飛び立つ夜の白鳥の夢で ....
わたしの愛は勉強をするのです
けっこうけなげなのです
その日の復習をして、
いつかの日のための予習をして、
日々まなび、成長しています
愛は大きくならない、愛は大人にならない、愛は食事を ....
大切な人の
名前を呼ぶのに
心までは
短縮できないから
声を出す前に
星の周りを
何度も回り
光に慣れるのよ
いつもより高い
場所にいる気分
後ろ姿に
骨を重ねたのは ....
ノックをする度に爆発してた
黒い宇宙から流れる文字を
生かすものと殺すものに分けて
美しく見えるようにしなさい
僕等が望んだ芸術のために
握り合ったのはナイフかも知れず
残され ....
ちょっといろんな意見を読んでみて
町山智浩のしゃべっているのを220円(たぶん税込)で買って
聞いてみて考えた。
いやいくらなんでも、そこまで深い見方など、
僕にはとてもできないし、
....
地球はお饅頭
地球外星人がやってきて
その超高度な文明の力で二つに割った
「パパあたしに半分ちょうだい」
分かったあげるよ
だけど娘よ
マグマが垂れるから
やけどしないように
海を見ている心に近付く
波が削るのは
まだ温かく濡れる予定のない
明日を生きる力 前借りをした
歩きながら拾う貝殻の色
いつもより綺麗に映る鏡だ
プリズムみたいに反射する笑顔
海 ....
鼻の通る道で
擦り合わせた
花びらが渡す
匂いの小袋
目には見えない
粒子が飛ぶような
風の流れに
心を開いた
言葉が少しずつ
欠けてくパズル
何かで埋めようと
探してみ ....
ティーカップには、なんだかしらない花模様が描かれていて。
そっとつつんでわたしは手のひらを温める。
空洞が無いと
オカリナは
歌を聴かせてくれません
空洞が無いと
ドラムは
退屈な時間を切り刻んでくれません
空洞が無いと
ピアノは
弦をときめかせる事が出来ません
などと ....
星を指さし
星座をなぞって
ふわり歩いてゆっくりと
冷たい空気を吸って
白い息を空にかける
月の巣のように
わたしのむすめのすごいところのひとつは、ドーナツの穴を食べられるんです。
あるときわたしがおやつのドーナツをかじりながら、「いつだってこの穴が消えちゃうのがせつないよね。」と言ったら彼女は「 ....
車を洗車したら戦車になった
仕方なく戦場に行った
遅刻をしてしまったようで
味方から怒られ
敵からも罵声を浴びせられた
激戦地と言われているけれど
生き残る方法は
偉い人が考えてくれ ....
夜明けの街を自転車が
自転車に乗って走って行く
やっと夢がかなったのだ
自転車にしか経験できないこと
自転車でなくても経験できること
それらすべてを
貧弱な荷台に積んで
やがて世 ....
天国がもしあるのなら
誰がその場所へ行けるのだろう
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