雨は不思議な音楽で、
僕の書物も溶けてしまった

何も知らない暗さの中で……
太陽なんて望みはしない
雨音の中で滲んだ、真っ赤なギター
ギターの音色、粒立ち消えていく世界

僕は母なる ....
鍵盤の上をいつもおくれてくる指のように
わたしはすでに取り残されてひとりで立っている

ビー玉を空に撒いたような
ボールパークの歓声に耳をふさいで

美しい惰眠をむさぼる緑色の猫の舌が
 ....
草が夏を繰り返している
雲になることを空想していた少年は
九九の練習を終えた後
空港事務所の職員になった
苦痛ではない、けれど確かな痛みが
暮らしの中、靴にも降り積もっている
空気 ....
傷つけないあなたと
傷つかない私が好きだった
モクレンがいくつか咲きました
ほいっ、ほいっ、ほいっと咲きました
あたたかな青空に
花たちはとても得意げでした

でも今日はとても寒いので
蕾たちが得意げです

花は開く前から強い光で ....
空はきらきらとして、綺麗で、寝ている星々までもが、
夜を彼方へと彷徨っているようでした。
何年も、私はボタンを押し続けていましたが、
やがて心臓が止まるほど、物静かな
喚きをあちこちに聴くよう ....
メルカリで買った言の葉を煮出している間に君への手紙を書いている
春という暴力に曝されながらも何とか眠らずにいるのは君が好きだからだ
君が好きだからだ

ガラスの水滴が互いに引き寄せられるように ....
一睡もできなかった、朝
産毛はきんいろにひかって
ふっくらと水をたたえた丘に
まだかわかない涙のあとを見つける
そのときに思いしります
あまりに深かった穴と
その埋めかたについて
い ....
僕は砂漠を歩いた。足跡が一つもない純白の砂漠だった。
僕は汚れていた。汚れていると思えば思うほどに僕は汚れていた。
綺麗な少女が立っていた。少女は微笑して腕を広げた。
僕は脅迫的に少女を抱きしめ ....
宇宙船の窓には地球が浮かんでいる
球面には雲が広がっている
雲の遥か下に屋根がある
屋根の下で誰かが炬燵でうとうとしている
余計なお世話だ
 掬ったプリンの味どうだろう、手作りで卵が余ったからつくった。揺れるね、精神と地面。足が踏みしめているの何だろう。卵と乳製品が食べられないの知らなくて、作っちゃった、後でひとりで食べたバニラエッセンス .... 花の話をしていると
何で花の話をしてるんだろうね
という話になって
僕らが花だからじゃないかな
ということでよく見ると
お互いに花だったね
とわかって
笑って
咲いて
入学す ....
冬の日差しを背に受けると暖かでした

布のブックカバーはザックリとよい手触りです

賑わう道の際にある私の影の中で

詩集のページを開いてみました

ある詩をゆっくり二度読みま ....
私たちの地下鉄は地下を進む
地下を進むからいつしか
地下鉄と呼ぶようになった
図鑑で虫の名を当てて遊び
折にふれ季節の果物を食した
軋む音、擦れる匂い
鼓動と呼吸の合間を縫って
 ....
白色矮星、
大切に ハンカチで包んだ
時間に刻まれて、
泣いていて かわいそうだった

音ではなく 文字でもなく
心臓に「ありがとう」をもらった
もらいすぎて溢れて、
勿体ないよ って ....
水に浮かべた言葉がね


ゆらゆら揺れて 透けてゆく


にじんだ意味が 虹色に


かさなりあって消えてった
答えは無人駅に

各駅停車ではないから
いつもは拾えない

長いまどろみの後でふと
車窓から外を眺めると
満開の桜並木

目がくらむ

駅の方では知っていた
肥満だ肥満だ
着ていく言葉がない
終わろうとする冬を
あらゆる手で引き止めながら

誰かを信じたわけじゃない
思想を委ねたわけでもない
すべては嘘なのだから、
いちばん機嫌の良い嘘 ....
君のヘアセットが僕の体の中を流れていく
洋服もそして君の言葉も流れていく
それを君と言うことも出来るが
僕は時々思う
それは社会的価値の代弁なのだと
社会的価値は不自由で僕を悩ませる
その ....
冬の滑り台は
凍ってしまって
子どもたちの
渋滞が起きている
春になると
一斉に放流されるチャイムで
淀みなく帰路に着く
足がたくさん生えてくる

(きみがいいと言うのなら
(もう ....
いつも言葉は先に途切れる
それは相応しい形をまだ見つけられないからではない
まるで全てを知らなかった時代に戻る
私たちは思い出す
始まりはいつも懐かしいものだと

私は確信する
いつ ....
 僕の瞳にはオレンジだけど
 君の目には何色なのか

 そよぐオレンジの群れに
 君はお尻を向けて移動中
 ちょうど僕の胸の高さに居て
 翅を広げる
 胸部と腹部の背中がはっきり
 見 ....
冬に一度だけ訪れる夏
ぬいぐるみを窓の外に向ける
雨だったから誰も気付かない
坊主よりも優しく
木魚を食むネコ

水の出ない蛇口
庭の雪の珈琲

あなたは消える蝶々を私にくれた
 ....
貨物列車は
北北東へ

思い出すのは
遠い国のお話

どうしてあのときあんなにも
どうやらこのごろすこしずつ

骸骨になって
自分の中を旅している
「あれに火をつけよう」
乗り捨てられたトラックを指さす
荷台には大量のクリスマスツリー

検索
地球を逃げ出す方法

ヒント
昨日きみがいた座標は
今はもうただの宇宙空間

 ....
熊たちは夜をかみ砕き
蜂蜜の朝を得た
意味の羅列を踏みこえて
あたらしい夢をみるんだ

配管 像 通勤ラッシュ
茜色 ポリタンク 出されない葉書
僕の隣は空き続ける
なされなか ....
好きな色だけでなく
そうでない色も

いつの日かカンバスを
汚すかもしれない

そしてそれがまた
素晴らしい絵に
仕上がってしまうかも

絵を書く技術を
持たない者こそ
画家に ....
・チューリップ模様の宇宙船に乗って
あの娘はやってきた
ぼくたちとは違う匂いがした

・はじめまして
あの娘はクラスの女子たちと握手をする
女子たちの手のひらから
チューリップが生えてき ....
「風の強い日」

ぽっかりと空いた
鳥の空洞に
冬を詰め込んだら

あんなに高くなるんだ
街で暮らす人の目は
うつくしい等高線を
描き出す
いつの間にかの
水溜まり
天気予報 ....
唐突に

世界中が何色だか知ったこったったねーが
どーか
君は幸せでありますように


世界がどうとかいう前に

どーか

君が幸せでありますように



思う

 ....
水宮うみさんのおすすめリスト(1486)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
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炬燵- 空丸自由詩423-3-5
プリン- 日々野い ...自由詩223-3-4
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布のブックカバー- 八重もぐ ...自由詩11*23-2-22
地下鉄- たもつ自由詩1123-2-20
白色矮星、- 印あかり自由詩3*23-2-19
水に浮かべた言葉がね[私家版まざあぐうす]- 藤原 実自由詩1*23-2-18
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