一、
君はすでにその時、落としていたんだよ、君の、愛ってやつを。店員は私の顔を覗き込んで、少しいらいらして言った。私と店員はごみ箱に落とした万年筆を、閉店後に探さなければならなかった。私の愛 ...
夜の浴槽で湯の流れる音。
  ざーざー ざーざー
ドアを開ける。
じゃばじゃばじゃば

ソーダ味のアイス棒を食べ終わった私は、
風呂場でじゃばじゃばと、叫んでいる蛇口の息の根を止める。
...
背中に熱を感じた
知らない部屋にいるとわかった
扇風機が窓の外を向いて
換気の役割を果たしている
カーテンは重いピンク色をしていて
窓のない壁の一面に海と空が描かれている

私は自分を思 ...
今年初めての茄子が採れたので
お義父さんが好きだった
茄子味噌炒めを作ってみました

だけど、いつまでも残っています
冷蔵庫には
茄子一本分の茄子味噌炒めが
ぽつん、と

美味しくな ...
まただ、

瞳がすでに記憶している風景の、光の加減と影の伸び方。
上から重ねてぴったりと線と線が重なるみたいに同じ、私が私の半分を置いている場所。
流れていく。喧騒のさなかを私はす ...
  恋に落ちる
  わたしが落ちる
  瞳が
  胸が
  たましいが落ちる



  小石のように
  みずうみに落ちる
  透きとおっている
  水草もゆれる
   ...
夕暮れがばら撒く痛みも
些細な光がもたらす明日も
孤独の身では掬いきれない
一人ぼっちの私の上では
何もかもが多すぎる

抱えきれないそれらを
隣で分けて支えるために
人は生き ...
乾いた草が舌の上を這い
取り出せずに残ったものが
息を潜めてうずくまる
理解している
彼らはやがてそこで死ぬ

指先にこの身体を切り開くちからがあったなら
腐敗を免れたかもしれな ...
 
 
砂漠の真ん中で
公衆電話が鳴り続けている
そんな気がして目が覚める
妻の寝顔がぼんやりと見える
雨が窓を濡らす音が聞こえる
今夜はきっと砂漠でも
雨が降っていることだろう
  ...
灯ったら
と思ったら
なんでかな
すぐ消えた

ここでお別れ
夕方五時の鐘
最後にひとつ
一番星をプレゼント
たいしたことなくてごめんね
できることがすくなくても
いつも
...
あたらしくなったすべて
ここで
はじまっていく
いまは
いまだから
とりあえず
わすれよう
めのまえに
ひろがる
こうけいが
すべてなら
どうだい

むかっていくあした
...
Hanako
ゴム草履を履いて和菓子のおみやげ

Françoise
紙袋に悲しみをふくらませてぱん
胃袋にセメントを詰め貧富の差  赤い少女よ
 君はいまでも
 雲ひとつない
 空を見ているの

 赤い少女よ
 いつになったら
 君はそこから
 駈け出して行くの

 君の赤い靴は
 雨も知らずに
 綺麗な ...
同じ距離を相乗りするだけ

毎日ではなく週に二、三度

それでもあなたの隣に居たい気がして

何も言えず 何も出来ず

同じ車両の違うスペースの
あなたが見えない角度に

何気なく座ってみる
何度もおもいだす
何度も何度もくりかえし
手首のあたりにあるうすい火傷のあと
ささくれた働き者の指
左がわの耳たぶに指すピアス
くるぶしの刺青
うすい無精髭。

(わたしはむかしあなた ...
真昼間に
なんの不満もなく
とつ然死にたくなるんだ

晴れた日に
ささやかな痛みをいつも
道端に捨てているんだ

ごみ箱には
いつもそんな取るに足らない悪意が紛れているんだ

...
大事なものになると
わかっていればもっと
大切にしたのに

なくなってしまうまで
気づかない
みんなそうなの?

当たり前だとおもってしまった
呼吸さえも
だれの了承もえないでいい ...
私の恋人は

私の寝言を知っています。

その寝言の裏にある

私のこころを感じます。

「最近うなされているね」

恋人はいいました。

「私の名前を呼んでいた」

私の ...
何も心配しなくていい

何も考えなくていい

何も許さなくていい

君はただ

愛されていればいい


何も答えなんてない

何も正しくなんてない

何も美しくなんて ...
月の見える筈の窓で
曇り空を見ている
今にも雨が降りそうな
曇り空を見ている

かつては男だったし
かつては女だった

その人が見上げている
窓は 空は


月の見える筈 ...
たいらかな午後に
芽吹くひとつの種
照りつける日差しの中
渇いた土から首をもたげる
開きたての二葉は
まだしっとりと濡れている

いつぞやの種が
気がつけばすくすくと育ち
次の種を生 ...
君と二人
知らない街で 暮らしたい
何故か そんな気がする
 意味も無く


言葉は 何も
君の心を 伝えない
あるのは 夢だ
 それを見た


消えた 名前
ページに  ...
化粧という文化をなかなか理解できなかったが
腹筋が六つに割れているように見えるクリームを想像したら
なんだか理解できるような気がした

イケメン死ねよなんていう言葉を常套句にしていたが
美女 ...
夕飯時の支度が始まる。
古新聞が敷かれる中で
温めた油に
手羽先を入れて揚げる。
バチバチいって油がはねるから
体を後ろに引き 
顔だけを出して覗き込んだ。
きつね色になって揚がった手羽 ...
思考推考
考え抜いてる酩酊状態
それでもやはり
風は吹く

無為無意味
価値無き生の営み
それでもやはり
風は吹く

かわいた風吹け
心を濡らす
抒情はいらない

野わ ...
一番目の扉を
あけたときにすでに
決まっていたんだろうか
君のゆく道

どれだけ引きのばしても
君の瞳はもう
遠くを遠くを見つめてた

さようならって
たった五文字だね
こんにち ...
イルクーツク
ボヘミアばっかん
ノボシビルスク
チチカカ湖

モンブラン
モナコ
モンゴル
モザンビーク

タスマニア
マダカらすかる
スワヒートウーマン
レソトへ帰れ

...
ドクロの刺青に
赤い蝶
高級車に乗り
連れて行かれる。

悪魔に魂を売ったのと
引き換えに
美しく豪華に着飾る
健康を犠牲にする
未来を犠牲にする
生命を犠牲にする。

愛を語 ...
朝8時
上りホームの
通勤客の群れの中に
白いポロシャツの男を見た

ねえ
あの年廻りには
毎晩の馬鹿騒ぎ
また
戻りたいとは
思わないけれど

朝8時
下りホームに
電車 ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
レシートと店員長押 新自由詩4*11/6/24 20:34
お湯のおと。山岸美香自由詩011/6/24 20:31
transfermizuno...自由詩0+11/6/24 20:31
茄子味噌炒め小原あき自由詩12*11/6/24 18:57
ある一瞬についてゆえ自由詩3*11/6/24 18:33
みずうみ草野春心自由詩411/6/24 18:32
ふたりでゆえ自由詩0*11/6/24 18:22
残滓自由詩3*11/6/24 18:21
コールたもつ自由詩311/6/24 18:09
エクリチュールの星ゆうと自由詩311/6/24 17:32
シロツメクサ自由詩311/6/24 17:08
deux fillesm.qyi俳句111/6/24 16:17
百子湾路で俳句211/6/24 15:21
赤い少女花形新次自由詩2*11/6/24 14:39
電車真坂木自由詩4*11/6/24 12:15
肋骨はるな自由詩111/6/24 11:24
真昼自由詩211/6/24 10:54
なくならない空朧月自由詩111/6/24 10:12
幸せな朝M.N.自由詩111/6/24 10:05
天使一酸化炭素自由詩111/6/24 9:27
月の見える窓Seia自由詩311/6/24 3:30
木屋 亞万自由詩3*11/6/24 1:52
ヤシの木の下で会いたい番田 自由詩111/6/24 1:26
化粧只野亜峰自由詩111/6/24 0:56
味わう時間電灯虫自由詩7*11/6/24 0:39
風吹けシホ.N自由詩311/6/24 0:36
右と左朧月自由詩111/6/23 23:45
メフィストペポパンプ自由詩3*11/6/23 23:40
魂と引き換えに自由詩1*11/6/23 23:15
ただ、胸がきゅっとしただけ御笠川マコト自由詩011/6/23 23:06

Home 戻る 最新へ 次へ
3485 3486 3487 3488 3489 3490 3491 3492 3493 3494 3495 3496 3497 3498 3499 3500 3501 3502 3503 3504 3505 3506 3507 3508 3509 3510 3511 3512 3513 3514 3515 3516 3517 3518 3519 3520 3521 3522 3523 3524 3525 
4.1sec.