中庭に
植えた花は
きれいだけど
枯れてしまった
窓際に
活けた花は
きれいだけど
萎れてしまった
花屋に
勤めてみたけど
まい日
まい日
まい日
まい日
まい ....
ただいま と思いながら両手を下に広げる
林檎畑は収穫のための作業で忙しい
陽があたるように実の回りの葉を取るため
晴天の日曜日 実家に帰る
草を分ける土の道 人の歩いた道
風にそれる 緑 ....
一瞬でさらってくれたひとあふれ出すには少し遠い輪郭
背伸びしたささやか過ぎる罪のせい おとなになるを経験している
すきすきの思い出ぜんぶ消えてゆけきらいきらいが本当 ....
いつか通った雨は 何処
逃げ出した 木陰の檻
巻きつけた 小さな青い淵
黒い蜜に ひたす
重ねた 背中の羽
女を抱きたい気分でもなく
ただ、見ていたい
風がセピア色
入道雲の思い出
「バニラスカイ」を見て
あなたはどう思った?
彼女の言葉を思い出す
力を失った男が
荒野をさすらう時
相棒は ....
過ぎてゆく時間に
恨みさえ覚えて
「焦らないで」
君の言葉に耳も貸さずに
駅のプラットホームから
飛び降りるチャンスを伺っていた
こんな夜空が
あったんだ
月の出る
星の夜が
....
ベルトのまわらない腹みたいに
季節はめぐりきらずに
秋のあたりで止まっているから
あわてることはないさ
おいしいサンマで
ゆっくりとお酒を飲んで
温かい血のめぐりを ....
数か月を一緒に過ごした季節が、けさ帰ったようだ。
挨拶はできなかったが、夜中から荷造りをする音が聞こえていた。
せめて手紙でも置いて行けばいいものを。
寝転がったまま薄目を開けてみると、 ....
五歳が
小さな手で拍手すると
泡がわれる音で
リズムがはじけて
色とりどりの
風船のいぬが連なって走り出す
お子さまランチのイギリスの旗は
ご飯の上で頂上を知らせ
倒れる直前にその ....
弾ける瞬間
壊れる時
失われる形
目を閉じて
口をつぐんで
傘を通して
振動が
深い所から
気泡が浮かび上がり
空気の中へ
体に
融け
浸透する
沸き上がる
....
役場に呼ばれて俺は行った
お前が確定申告をしなかったがために
県民税・市民税の徴収に差し支えが出ている
ついては指定の日時に必ず出頭するように
そんな葉書が送られてきて困るのは
俺には確定申 ....
耳の奥で聴こえる
パンキッシュなガールズソング
なぜだか
涙が出て
止まらない
十五夜
白い月
草のチクチク
土の匂い
流れていく雲
秋の風
君が僕を見守ってくれてるって ....
ピアスの穴をあなたが舐めたらわけがわからなくなるまであと20秒
くるくるのパーマネントにからまってきみと一生一緒にいたい
学ランの下には泥のユニフォーム 大好きな人が走って来てる
....
こんな事を言うと変に思われると思い言っていないものに
光があります。毎朝 神棚と仏壇にお水やご飯を供える
特別な宗教などはやっていない そんな私ですが。
まだ独身の頃 冬の夜でした。
....
いつか書こうと思っていたものに竜巻があります。
あれは何年前だったでしょう。
天気のいい日に 屋根に布団を干したのです。
家のすぐ裏が山になっていて日暮れもはやいので
午後三時前には部屋の中に ....
ジリリリリ
繋いだ手を
放して
サヨナラ
ジリリリリ
電話先の
呼吸
ジリリリリ
漂う煙
ジリリリリ
浮かび上がる体
ジリリリリ
目が段々と ....
捜してきます と書いたメモを
台所に置いて 家を出た 午前三時
まだ 真っ暗な道をひたすら運転する
公園 飲み屋のある所 よくわからない道
夫が 電話のひとつもよこさないで
友達と飲んで ....
風がずいぶん涼しくなってきました
青い空に
白い月が出ていて
どうして、涙が流れそうになってしまったのでしょう
よその家から漂ってくるカレーの匂い
僕は心の中の
小さな茶の間を思い浮かべて ....
明日は空いてるよ
チケットがあるんだ
一緒にどうだい?
花火が
パンッ
一瞬の煌めき
まるで
細やかな
愛
のような
舌の上で
サクランボを転がして
蔕を
結んで
....
1つ目の愛
2つ目の愛
3つ目の愛
4つ目の愛
5つ目の愛
6つ目の愛
7つ目の愛
8つ目の愛
でもさ
でもさ
でもさ
9つ目の愛
10個目の愛
11個目の愛
....
暗い部屋
整理はされている
整理はされている
光る風船
紐を掴んで
紐を
ミサイルが
その民家に撃ち込まれました
白井さん家
あぁ、
さよなら
白井さん家
ミサイルは
....
あんなことこんなこととかあったねと笑いたいけどまだ無理かもね
つい先日わかったことだ板チョコは二人で分けたほうがおいしい
日曜はカレーの日って決まってて玉ねぎ相手に痛み分け ....
暑かった今年の夏
やっと峠を越えるみたいです
お元気ですか
気圧
狂ってはいませんか
西風は去り
髪もようやくほどけてゆきます
あなたもわたしもなんとか乗りきりました ....
夕焼け色の空を見て
君は癒されるでしょうか
あの日、
海で見た
あの空のように
終わり行く一日を
溶かすように
僕らは終わったのでした
愛しています
と呟くたびに
コップの中の ....
すきだよ、とあなたが言えばそれだけで あたしはてんしになれるのだけど
「うそみたい、うそみたい ねえ」涙目で星降る空の下に立つきみ
ほんとうは何も知らない僕のこと 夏が過ぎても好き ....
電話がかかってきて
行ってしまった
幸せになるんだ
といって
コケリンドウの
花をみつけた
ちいさな青
の付け根のあたり
淡く
消えそうなものに
私はいつも憧れる
たくさ ....
泣き止んで幼い心ともにあれ
小さな日々に戻れないなら
ゴム長を引っ張り出した夏の午後
君は来る来るあの日の傘で
戯れに一段上げた跳び箱を
君が跳ぶまで帰らせないよ
....
よそ行きの気持ちを全部詰めたから
カバンがとても重たくなった
どこからかきれいな歌聞こえたから
旅の予定をそっちへ向ける
青地図に行程表を書きこんだ
知らない街をたどる点線
....
えれぴょんの
最大の魅力は
十代にも関わらず
その溢れんばかりの
母性にあった
ママ
ママ
おっぱい
と
甘えてみたかった
えれぴょんのいない秋がくる
しかし、そもそも
....
真に円いものなど
何一つとしてありえない
にもかかわらず
孤独を円く円く
よりやすらかなかたちへ
よりあたたかなかたちへと
僕はひどく愚かだった
とはいえ限りなく球体に近く
蹴っても投 ....
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