丸い皿は丸く 四角い皿は四角く洗えと言われた
白い皿は白く
深緑の皿は深く深く果てしなく緑に洗えとも言われた

少しも汚れていない水盤のような皿たちに
水流をあてると
どの皿も垂直にしか洗 ....
世界一標高の高い駅に着いた
車掌以外は観光客で皆
酸素マスクをつけている

空気が薄いので皆
紙のようにペラペラになる
喜びも哀しみも薄くなるので晴れ晴れとする

風が吹けば
空高く ....
はる、
にちようびのそくどで走ってゆく、
ひとときの、
ゆるやかな午睡、
草木は徐々に生いしげってゆく、
山沿いの線路で集約される、
一両の田舎の電車、
ちいさな無人駅のような、
ささ ....
人のかたちと
花のかたちが
重なると
やわらかな色が
生まれる

花のかたちと
鳥のかたちが
重なると
にぎやかな色が
生まれる

鳥のかたちと
人のかたちが
重なると ....
私は趣味で
自称詩人をやっています
と告げた場合の相手の反応を
考えると
背筋に寒気が走る
「えっ?」
にこやかだった顔が真顔に戻り
それを察知されないようにと
コーヒーに手を伸ばすだ ....
「肩からハトやでぇー!」、
あおぞらへととびたってゆく、まっしろなみらくる、
小さな毎日
小さな出来事

日々無数に
繰り返される
小さな世界の
小さな偶然の中で
僕は であった
消えてしまいそうな
小さなあなたに

小さな体に
小さな寝息
ちっぽけで ....
三月に降る小雪をつかまえようと
手のひらを天にむかって
差し出せば
どの子もふわり、
風にひるがえりながら
上手にわたしをよけて
アスファルトへと着地するから
こんにちはも
さようなら ....
こうしていることを景色に
僕はいつも見ているのだ
その
始まりを感じない
ベンチの上で 今日も


暑すぎた日差しの差していた道は
もう 何の変哲もない時間
冬のある日 僕は
この ....
夢の橋を渡ると、
ショートボブの君がいた
 会えて嬉しい
と、可愛い仕草で笑う

それからふたりは、
君の村まで歩いて行き、
南国風の立派な家で
沢山のキスを
揚げたての天ぷらで食べ ....
食べてすぐ横になると
牛になって
川まで来ていた
晴れたら洗濯をして
布団を干そうと思っていたけれど
雨も降り出して
残っているものもない
これからの人生どうなるのだろう
いや牛だ ....
はなびら、
すいへいせん、
タイムリミットのある、
うんめい、
あのひ、
うちぐつ、と、そとぐつ、
は、きわめてらんざつに、
はきかえられて、
つりあわない握力で、
掴んでしまった、 ....
古い家だった
古くて大きな家だった
子どもの目には
それはとても怖いものだった

しかし、大人になったぼくの目には
それは、それほど大きくはなくって
子どもの頃に描か ....
遠くで声がした
春を待つ小ぬか雨にも
かき消されそうな
小さな声がした
耳を澄ましただけでは
決して聞き取れない
心を声のするほうに向け
全開にしなければ
聞き取れないような声がした
 ....
なかなか雨はやまない
僕は夢想する
星空模様の傘をさして
君のところを訪ねたい
ジャム一瓶ほどの幸福をたずさえて

なかなか雨はやまないから
君のもとへ辿り着くまでに
傘も溶けてしまう ....
ただの一言も発することがない
二月の青空はとても孤独だ
ひとみを綴じた兎が
木の袂でうたた寝をしている

冬は自我をうしない
薄く目を開けて、この青い空を
くちびるをかすかに動かして
 ....
自分がつまらない人間に思えて
死んでしまいたくなったとしても
よく頭の中で
上手く行くことだけを
しっかりと考えて
人生を歩き続けよう
信じていさえすれば
願いはきっと叶えられるのだから ....
早春、きみは少女、
入学式を前に、いちはやく試着して、
歓びまわっている、
三月のセーラー服の少女、


早春、きみはあるいは、その少女の制服の下で、
日に日に成長してゆくような、
ま ....
光の中で見えるものを見て
闇の中だけで見えるものを見て
いまそのどちらでもない
薄暗がりだからこそ見えるものを
見ている君の瞳が
葡萄のように熟れてゆく
鞄のそこの
南の島に咲く
あかい花の
花びらのなかの
告白を
鳥がくわえて
はこんでいく

明日は真っ赤か
雨でぬれるか

花びらの便箋の
インクは涙か

雪どけの
緑の ....
冨の神を崇める教義では、
あなたの身体と魂は誰よりも清く
その清い身体のために、
毎朝オレンジジュースを飲む

また、あなたの美貌のために
幼い夢を祭壇で屠り、鮮血を啜る

既に世界は ....
唯一の存在証明が
自称詩だなんて
そんな悲しい
そんな悲しいことってあるかいっ!
ウンコすることに
存在意義があるって
言ってるのと同じなんだぜ

もう止めようぜ、自称詩人
自称詩一 ....
歯ミガキ、
センメンダイのカガミをとおして、
ハッケンされた、
すこしだけフクザツなキモチ、
歯ブラシを、
口腔にサシいれて、
なんとなくナマナマしい、
キミのセイカツの音、
じゃぐち ....
いまだに風は
冬を吹聴していくが

すでに光は
春を祝福している

押し黙る蕾は
華やかな企みを内に秘め

気象予報士を惑わせながらも
季節は巡ろうとしている

代り映えの ....
ゆっくり歩くこと
道を譲り合うこと
ありがとうを交わすこと
そんなあたりまえのことを
忘れかけていた

雪をふみしめる
靴底を貫通する冷気
しん、とした空気を吸い込むと
鼻の奥が ....
フライパンのうえの未成熟な太陽系に、うっかりと落としてしまった、
君のしろい星のかけらが、
ぼくの宇宙(コスモ)を未だに巡る、ひとつの彗星となっている、
ひこうきぐも、
それは、ひこうきが飛んでゆくように、
あっというまに経過してゆく、
とても楽しい、
ひとときのあとの余韻、


ひこうきぐも、
それは青空にもきざみたい、
ぼくのよろ ....
やわらかい、
手でひきながら、
にぎわいへとみちびく、
そのひとみに、
よく跳びはねる、
活発な、
ちいさなウサギ、
が、二ひき棲みついて、
だから、きみはよくまばたきをする、
その ....
焼き場で
まだ熱い骨を拾いながら
生きててえらかった
と言う
レエスの縁のハンカチが
小さなポケットからはみ出して

花に埋もれたあなたは
びっくりするほど小さい

いつ終わるのか ....
俺「向日葵がうな垂れるほどの猛暑の中、
  ヤッケを着ての作業、
  水、泥水、土のけむり、構内のホコリ、そして自らの汗、
  そしてときには鉄骨、
  そんな、
  荒々しい太陽にまみれた ....
唐草フウさんのおすすめリスト(3756)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
丸い皿は丸く- ふるる自由詩7*24-3-19
標高の高い駅- ふるる自由詩5*24-3-19
はる- 本田憲嵩自由詩1124-3-10
春のかたち- 夏井椋也自由詩7*24-3-10
元殺人犯- 花形新次自由詩124-3-5
おふしょる- 本田憲嵩自由詩624-3-5
小さな毎日- Giovanni自由詩9*24-3-3
人は何処へいくのだろう、命ひとつ抱えて- そらの珊 ...自由詩15*24-3-2
2月の公園で- 番田 自由詩324-2-29
夢の橋- atsuchan69自由詩11*24-2-28
波紋- たもつ自由詩8*24-2-28
融雪- 本田憲嵩自由詩824-2-27
- 田中宏輔自由詩14*24-2-25
小ぬか雨- 花形新次自由詩524-2-24
長_雨- 塔野夏子自由詩6*24-2-23
誕生日- 山人自由詩12*24-2-20
暗号文- 花形新次自由詩124-2-19
三月のセーラー服- 本田憲嵩自由詩624-2-18
obscure- 塔野夏子自由詩5*24-2-15
あわだつ- トビラ自由詩5*24-2-14
サクリファイス- atsuchan69自由詩17*24-2-14
自称詩人、止めませんか?- 花形新次自由詩424-2-13
歯ミガキ- 本田憲嵩自由詩924-2-12
二月十日土曜日- 夏井椋也自由詩9*24-2-10
ゆきみち- 佐野ごん ...自由詩5*24-2-6
目玉焼き- 本田憲嵩自由詩624-1-28
ひこうきぐも- 本田憲嵩自由詩1224-1-27
まばたき- 本田憲嵩自由詩1224-1-24
熱い箸- 凍湖(と ...自由詩724-1-17
残高- 本田憲嵩自由詩824-1-8

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