冬枯れの桜並木
まえを行く人の うしろ姿が冷たくても
愛された きのうがあるから
がんばれる 今日がある


たとえば お弁当作ってもらって
たとえば そこは危ない ....
ごめんね、は
狡い

甘くて
とても
狡い

ごめんね、は
優しい

冷たくて
だけど
優しい

ごめんね、と
涙を流す
わたしは
狡い

ごめんね、を
受け止 ....
どのくらい近く
どのくらい遠く
しあわせに触れていられるのか
目に落ちてくる
滴を見つめた


ふたつ ふたつ
ふたつのはざまの
無数の重なり
波のざわめき

 ....
私は小学生高学年の頃
ものもらいを患った
瞼の下がぷっくらと腫れ膿んできたので
近くの総合病院に行くと
診察台に抑えつけられ
はんだごてのようなもので
じゅうと焼かれそうになったので
必 ....
つばきの花が
ぽとりぽとりと落ちている
鮮やかな色
まわりの空気がしんとしている
ひとつ大事に掌に乗せ
匂いを吸い込むと
ふと綺麗なうなじが
日傘をさして横切ったような
滲む掌から消え ....
約束がほどけていく
シャワーの音の中に

排水口には
私の 私だけの
今日の埃
私を吐き出し
それを紡ぐ毎日のような
繰り返し繰り返し
季節と同じように
私もあおあおしてきて
めきめきにょきにょき
新しい私が
生えてきたらいいのに
そうはいかない
それでもじっと ....
 父と母の住んだ家を売り払い、
 父と母の遺骨と位牌を寺に押し込め、
 父と母の写真と遺品をゴミに出してきた
 父と母の時を葬ってきた。
 もういいのだ
 誰も人はそんなふうにして死んでいく ....
夏でも冬でも昼飯はこれが良い
薬味ネギに
わさびを効かせた付け汁で泳がせ
一気にすすり込む

長く伸びたまま食道を抜けることなど
所詮無理な話 かたまって
食道の途中で速度を緩めた
 ....
自由でありたい
重ねている空気層が
体から 心へ触れる

自分を生きる
思い出せ 思い切り

太古の渦に チカリと開く
無遠慮に 絡まり 呑む眼

告げられるのか 否 告げろ
何 ....
小さな手のひらで
メダカをすくう

私の手の中で
メダカは泳ぐ

水は少しずつ
私の手をこぼれ
やがて
あなたは動けない

愛は
どちらなんだろう

こぼれていくものと
 ....
夜、部屋に帰って来ても
朝、起きても
置いた物は
みんな
置いた場所に
ある

一人 なんだなあ
自由 なんかなあ
あなたは笑っているのか
どこにいてもわかるお日様の声

私たちの心臓は揺れていて
駆けつけたい気持ちではちきれそう
あなたの詩は泣いていて
文字をなぞれば指が濡れ
ゆき場の無い塩水が光っ ....
子供たちが描いた表札なのだろうか
家族の顔と名前を
画用紙にお絵描きしたものが
玄関先に貼ってある

少し経つと
描いた絵が変わっていたり
ありがとう
おめでとう
嬉しい言葉を書いて ....
住宅街で小気味良い音がする
中学生ぐらいの男の子
リフティングに夢中になっている

私も同じぐらいの年頃
ただボールじっと見つめ
ボールが地面につかないように
片足を少し宙にあげて
つ ....
水玉に揺れる竜
つなぐ とぎれという輪

くべている手は 土からでた空の指
火は向こうへ かけられる扉

流は竜
木の気流
立つは麒麟

合羽の袖口にも 頬にも手にも
蝶にも
 ....
さまざまな妄想は 書き物の中より現実の方が多い。
というか 書き物は現実の一部でしかないと思う。
ひとりひとりの妄想は プラスされマイナスされ
本当の事などは無力のように思える事もある。
勝て ....
くしが髪をとくように
そそぎこまれた陽の光を
たたずんでいる 木がかたどります
枝葉で すくっても すくっても
こぼれた思いが 根元に揺れて土を明るくし 

なぞり のまれゆく愁いに
は ....
友といさかい冷えた心で乗った電車
開いたドアからはいりこんだ冬の風が
通り抜けていく

二・三歳の男の子を連れた若い女が
隣にすわり 子を膝に乗せる

子の足がずれて
座席のあかいビロ ....
コンビニを出ると
タクシーに ひかれそうになる
青い光だ
熱のない

遠い大地で
祝福されたその光に
私は
音もなく追われてる

ふと
私はあなたを想う
強い光だ
だけど
 ....
毎年恒例となりつつある
甥のいる楽団の定期演奏会に行く
残業を断って 実家の母を乗せて行く
年に一度の演奏会だ
最初から見せたい 見たかった

クラッシックなどよくわからないけど
歌謡曲 ....
バナナ軸レモン曜日に真っ直ぐに



洗い場にぽんぽんぽんぽタヌキノコ



赤ちゃんのほっぺのまろみ三毛がペロ



君の背のくろいのりしろ押さえてる



プロ級だ ....
乳母車を押して
雪道を祖母が
駅まで迎えにきてくれた
ずっと昔
汽車は忘れるほど駅に止まってたもんや
毛糸玉がだんだん大きくなっていく
古い服が生まれかわって
新しい冬を越す
ぼくの記 ....
こことおり こらす
つむぎ きなとす おとぎ

すげた やまい ちかう むごく
ゆすれ わたせ ひくて ささら

ずぬけた かたおり すべらす ほのお
くじく ふきや みごもる ろうそく ....
そらのおと
くもはそのまま
なにかがきこえた、そんなきがして

つちのおと
あしもとから
さくさくするこえが、おんどをつたえはじめると

みずのおと
ゆびさきから
さらさらと、きり ....
何時ものことだが
同人誌贈呈用宛名印刷しなくてはと
ファイルの名簿から送り先選び出し
プリンタへ出力

動き始めた印刷機
出てきたラベルを見れば印字が用紙の裏
口から出てきた言葉は「チキ ....
あの人と繋がらない
さっきから何度も
接続に失敗している
アンテナは
立っているのに

馬蹄が大地を掴む
断続的なリズム
(どっ どっ
焦燥のなかにも
涙腺を圧されるような
安心 ....
隅田川より低い千住の街を
駆けていく幼い日のぼくの
こころの隙間に
川風がはいりこむ

湿気を含んだ重い風は
低い街並みをよぎり
川辺から離れた神社に
ぼくを連れていく

友だちは ....
軽トラックの荷台に仰向けになって
青空を見るのが好きだった
実家から水田転化した林檎畑までは少し遠く
父の運転する軽トラックの荷台に乗り込み
寝転がって空を仰ぎながら道々を行った
時折助手席 ....
石段に咲いた紫野草
苔に混じって隅に咲く

月光が飛沫とはしゃぐ
鯉が眠らず 水源はそそがれる

水滴の輝きが 近く遠い真夜中
カーテン越しに およぐため息
 
唐草フウさんのおすすめリスト(3365)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
『桜のなみだ』- 座一自由詩9*15-4-8
ごめんね- 小原あき自由詩8*15-4-3
ふたつ_ふたたび- 木立 悟自由詩315-3-31
ヤブ医者の根性焼き- 灰泥軽茶自由詩815-3-24
つばき- 灰泥軽茶自由詩615-3-22
すすがれる、私だけの、私の分だけの- はて自由詩215-3-12
紡ぐ私- 灰泥軽茶自由詩1415-3-10
二月の終わり- 秀の秋自由詩315-3-10
年を取るとはこういうことかーざるそばー- イナエ自由詩15*15-3-10
燃える杖- 砂木自由詩9*15-3-8
メダカ- umineko自由詩9*15-3-6
置物- 金子茶琳自由詩1815-2-28
お日様の詩- たちばな ...自由詩12*15-2-17
表札- 灰泥軽茶自由詩615-1-27
リフティング- 灰泥軽茶自由詩615-1-26
- 砂木自由詩12*15-1-25
知略崩し- 砂木散文(批評 ...7*15-1-1
天啓- 砂木自由詩8*15-1-1
母の胸- イナエ自由詩13*14-12-20
青色エレジウム- umineko自由詩15*14-12-14
タクトと拍手- 砂木自由詩5+*14-12-14
ゆるやみなやみ- ふるる川柳6*14-12-9
そのとき光の旅がはじまる- yo-yo自由詩16+*14-12-1
いき_さく- 砂木自由詩5*14-11-23
晩秋- しげ自由詩314-11-15
ラベル貼り_ー年を取るとはこういうことか4ー- イナエ自由詩5*14-11-1
馬群- 佐野権太自由詩4*14-10-30
風の問いかけ__- 殿岡秀秋自由詩714-10-15
走る青空- 砂木自由詩18*14-10-13
影光- 砂木自由詩7*14-10-12

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