鳥になります。次はきっと、鳥に。
きみの部屋の窓辺に降りて、
ガラスをこつこつ鳴らします。
きみが窓を開けても、飛び立たない。
それがぼくです。
逃げない鳥がぼくです。
スズメかな。メジロ ....
もう一度冬の夜中を越えて
朝を迎えにいけたら
二人で昼寝をしよう
夜の次には必ず朝が来る
何て思って安心して寝てしまうより
朝が来ない事に怯えたり
狂った朝が訪れる事を恐れたりしながら ....
{引用=草っていうのは
好きなことばのひとつです
あといくつか好きなことばがあるのですが
そこに石があってもいいし土も
あるだろうし水たまりもあるし
雨がふっていてもそれはそれで
....
くるぶしを浸した
海の底の
遠ざかる砂に
裏返る
また少し君のこと
舞いあがる
風のゆくえに
どんな不自由をみたの
何もない空に
探してる
君の糸口
いくつかの土くれは
....
マシュマロ島がくるくるまわりながら
洗濯機の中身のようにまわりながら
汚れ落ちのように
溶けてゆくのです
ココアがだんだん白くなる
さっきベランダに来てちょっと鳴いて
行ってしまった鳥 ....
例えば
すぱあっと気持ちよく切れる
流線型のペーパーナイフ
例えば
小さな蜜蜂の脚についた花粉
のこぼれる音
例えば
南の島のからりとした朝の白いテーブルクロスと
熱々のコーヒ ....
あのころ
きみが蒔いた
虹のかけらは
かぜにふかれ
悠久をこえ
きょう
ぼくらのちいさな庭に
七色の花を咲かせた
きみは
あのころとおなじ笑顔して
花たちを
いとおしそう ....
誰か私に呼びかけてください
はりぼての海から
髪ふり乱し人魚が突き破って
来るように突然
きれいなレモンが何万個も
緑の丘を転がってゆくので
丘が動いているように見える
そんなふ ....
お昼休みにメールをチェック
件名:「虹が出てるよ!」
本文は、ない
数時間前のメールだから
虹はとっくに消えている
でもね
見えた
見えた気がしたよ
夜、帰りの電車でメールをチ ....
きりあちゃんは変な子です
三年も前から夜眠れないんだそうです
ヒマなので、小説を書いているそうです
わたしならマンガ読むと思う
きりあちゃんの小説は変です
きりあちゃんが生まれてから、あ ....
まんまるな月が
笑い泣き顔して
永遠を探しているよる
太陽は
そらのベッドで
くうくう
あしたの光をはぐくんでいる。
青空
もういいかい
まあだだよ
雲さん かくれんぼ
鬼さん こちら
とう かぞえるよ
お日さま ひとりぼっち
あか鬼さん
夕がた 来たら
たき火もするよ
....
ガ行をかっこよく響かせて
古い電車は止まった
あたしは
何もかも捨てる気持ちで乗り込んだ
発車のベル鳴り響き
電車はゆっくりと出発
と思うやいなや
駅や人や風景が
あたしと電車 ....
虹が降ったら
思い出して下さい
かわいい三角帽の歌う
光のうたを。
不思議だなあ
ぼくらには
どうして、こんなに
次から次へと
おおきな地震が
降りかかってくるのだろう。
な〜んにも
悪いことの出来ない
きみにまで。
不思議だなあ〜。
....
買ったばかり
ミルク色の
ぶ厚いカップをベッドにして
眠りたい
夕暮れには
もも色に染まるでしょう
鳥の羽が落ちたら
おふとんになるでしょう
静かに夜のカーテンひかれたら
星屑は
....
旦那がトラクターで田んぼを掘るというので
いつもは義父がおもにやっているわけで
田んぼの段差や道々のカーブなど
あぶないんじゃないかと思い 付き添い
一緒に行って 掘った後にでてきた
石を拾 ....
小さな巻貝の奥に
灯りがともる
小さな海の人が
書き物をしている
波から聞いた話を
青いインクでしたためる
書き終えると
小さくてごく薄い紙片を
丁寧にたたみ
小さな封筒に入れて
....
じぶんの書いたものを、信じてあげる。
泉からきれいな水を掬いとるように、
これはじぶんにとってかけがえない詩なんだ
と心にきめて、じぶんの書いたものを信じる。
それが、じぶ ....
シャボン玉
悲しい歌とお母さんが教えてくれた
風々吹くな壊れるな
虹色に揺れながら
くるりと回って
弾けて消えた
洗濯のりを入れると壊れないよと
お父さんが教えてくれた
だからね
....
あなたのひざっこぞうの
上でおどりたい
あなたのジャージの
がざがざにもぐりこみたい
わらってるなら
あたしをたべてよ
その歯のひとつひとつの
感触を覚えとこう
手をつ ....
湖面にさざ波が立って
透明な魚がうまれた
それは夏の風
開け放した窓に
大群となって飛び込んでくる
君は薄い身体を持つ
果物をひときれ口に入れる
今朝もあまり食べないんだね
病んで ....
しみついたカーテン
コール・オーダー・リピート
あいているノブに触れないと
指紋がわからなくなるから
その先にまぎれる長椅子の影しか
入れないすみに 磁石を落とした
耳たぶにくい込めない鎖 ....
簡単なことしかいえないよ
だっていちばん
簡単な気持ちだから
もう言葉
えらばなくても いいよ
あたしを傷つける
言葉なんてない
他のひとにはしないこと
あたしにはしていいよ
....
昔 大きな戦いがあり
そのせいで手首の骨が曲がったままついている
と祖父が言う
痛かった?
そりゃ痛いよ
(おじいちゃん人を殺したの?)
とは聞けない
昔 大きな戦いがあり
みな人を殺 ....
電車はもう乗り終えた
飴の袋もからっぽ
歩き出す
足元の道はごつごつしている
日の光は花や木にばかり当たっている
ような気がする
水が飲みたい
と思った矢先に
湧き水の立て札
山深く ....
図書館に
人を探しに行った
服屋さんに
人を探しに行った
ほんとうは
本なんていらない
服なんていらない
みているのに
みえてないもの
みてないのに
みえている ....
例えば犬や猫みたいに
せめて小さい頃の姿が
あいくるしいものだったら
愛することを知れたのに
愛されることを知れたのに
子供のころから
ずうっと考えていたこと
あたし本当は
毒なん ....
ななめってでかく
でかく見せようって
すうはあ
すうはあ
すうはあ
すうはあ
シンコペーションヌ
クワウクワウクワウクワウ
ギターで埋める
たいへいようひろがりーっぱい
ゆれるレー ....
わたしの、やわらかいところは
羊水のような液体のなかで、うかんでいる
わたしの、やわらかいところは
いつもたくさんのことで、満たされていて
それをとどめておくことに疲れると、忘れてしまう
....
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