腰を痛くして
春を支え合っている
さくら
じごくの中にも
てんごくは
あるんだね
まいちる
うすももいろの
きょう
もう
すっかり
寝入ってしまった
入浴日のさくら
....
空腹に夜桜食って夜を満たす
ある日の夕暮れは
いつか私が両手に子供を連れて
むやみに笑って帰るような
あたたかくあれと思える
そう思わずにはいられない夕日だった
つつましやかな紫煙の残り香が
わたくしの肩の辺りをただよって
広いような
また深いような
みずうみの表面へと消え
それはやがて
春と同化していくのでありました
からすの兄弟を乗せた小 ....
満開になってすぐ散ってしまう花びら達が
向かい風をくすぐったくして
名ばかりの春の風の寒さや
世間の冷たさなんてものを
否定も肯定もせずに
ただ風に舞う花弁によって覆い隠していく
それはし ....
竹やぶ輝くきらきらん
おじいさん竹切り驚嘆
小さき姫現る忽然
大判小判もどんどん
家屋敷豪華絢爛
大事に育てる過分
かぐや姫の美貌 皆賞賛
三人の男持ち込む縁談
姫突きつける難問 ....
桃が川をつんぶかんぶ
おばあさんこっちゃこー呼ぶ
持ってって切る一分二分
桃割れ嬰児跳ぶ
おばあさん喜ぶ
おじいさん尊ぶ
おばあさん桃太郎おんぶ
桃太郎遊ぶ
はげむ文武
鬼退治に ....
よねたみつひろ氏は、現代詩フォーラムでは「みつべえ」というお名前で沢山の詩を発表しておられます。みつべえさんが発行なさっている「風羅坊」という個人発行の詩誌の配布を申し込みまして、そのご縁で詩集を分 ....
海面がてらてらと光る
冷たい色をたたえ
満月のすがたをうつす
車輪が砂を食べていく
一回転で七百十粒
車輪が砂をしいていく
後ろでもまた一回転
千四百二十粒
誰もいない
誰も ....
歌の缶詰がみつかった
黒く水を吸った
砂浜の海揺れる昼間
味を知らない白い鳥が
つついても 食べられないから
不機嫌に おいていく
黒く夜を吸った
砂風の渦過ぎ去る木陰
のまれ ....
うたいましょう
レモネードのためのレモンを切って
おおきめの翼はえて
少し痛いから
目をふさぎましょう
朝のひかりは
あんまりまぶしすぎるから
おさげに結った髪はねて
バゲット ....
忘れなくちゃいけないんだ。
何度も何度もそう思い込んだら
そうなるようになるから、
苦しくても何しても
とにもかくにも思えばいい。
忘れる。
思わなければ、ずっと。
....
論争スレを読んでいて思ったことを書きます。
私は自分が男しかやったことないので、異なる性の気持ち、存在状況とかそういうのがわかるといったら嘘だとは思う。
けど、どんなジェンダーにいてもね、欲望 ....
10年ほど前から、わたしはネットで詩を書くようになった。単純に、保管できる場所が欲しかったからだ。
それから今まで、たくさんの人に出会った。詩を書く人、詩を読む人、両方の人。
彼は、その中の一人だ ....
愛はゆっくり 静かに
ホットカーペットの上の
眠りの中まで夢の中まで
愛はゆっくり 静かに
届いてゆく
ビデオの故障で画像が映らない
お気に入りのムービーをあき ....
トランプ遊びしてる
息子とカルタで
きっと何か間違えてる
けれどもそれは
それで楽しい
ためしに
どっちが勝ってるの?
と息子に尋ねると
嬉しい
とだけ答える
....
そうゆうんじゃない
肌に頬を押しあてて
脈打つ血の
ほんとうの色が浮き出すのを待ちながら
したい理由をききたい
耳もとで
吐く息にまぎれ込ませて
「どうして…?」とききたい
衝動にもゆ ....
軽やかな装いの男が
日がな一日長椅子に座っている
うららかに、年老いた象の目回りに皺が刻まれ
陽気に溶ける大袈裟な風船どもを
バービーたちが追いかける
とりわけ足の速いバービーが
長 ....
ヘミングウェイじゃないけれど
何を見ても何かを思う
この街は体に毒だ
記憶の濁流に押し流されて
立ち尽くしたまま泣きそうになる
冷たい風が刺す中で
涙だけが生温かった
....
さっきまで輝いていたのに、もう忘れてしまって。
青空。蝶。の風。
俺たちは、これからどこを、どのように、ゆくのだろう。
憎しみをメスに変えて切り裂くことも。あるいは出来るかもしれない
ケレド
....
さくな
さくら
もう、す・こ・し
さくら
さくな
が・ん・ば・れ
さくな
さくな
さくら
さくな
あの子が
ここに
かえって
くるまで
氾濫する
春の本流を立ち泳ぐ
辺りには甘い毒素が満ちていて
脳から先に侵されてゆく
あらゆる感情の結び目は解けて
それがいいことなのか
悪いことなのか
判断さえおぼつかないまま
い ....
骨を飲み込んだ壁の絵は
歩けるようになった
かすかに影をいだいて
陽をひきずり
音を避けて
草の渡れぬ反対側へ
道に線をのせた
ぽとり と雨が
さほど濡れない
ひさしのついた壁の ....
青空が
あまりにも
蒼くて
壊れそうになるとき
きみに会いに行く。
二十歳のきみは
屈託のない笑顔を
光のように
笑って
みんな包んでくれる。
雲が
あまりにも
鈍色で ....
窓の向こうから 風の音が聞こえる
少しだけ暖かくなった 冬の午後
いつも歩いてる道端に
小さなちからを感じる 春の夕暮れ
夜になると目を覚ます あなたのように
雨の降る真夜中から 歩 ....
欠けた皿や茶碗を
もったいないから、とそのまま使う
いっそまっぷたつに割れてしまえば
いや、こなみじんになってしまえば諦めもつくのだが
普段使いには支障ないから、と、貧乏性
荒れた生活 ....
ぼくたちは春を起点に遠ざかる公転軌道を失った星
君という病を喪いかたかたと瘧(おこり)のように震える柱
便箋を一枚一枚丁寧に破ればただ ....
うれしいことがあったときも
たのしいことがあったときも
いじめられたときも
だれかが死んだときも
そこにはきれいな花が咲いている
かなしいくらいにきれいな花が
たくさん咲いている
笑 ....
あなたのことばに
こころはういて
ぷかりぷかりと
うかびはじめた
あなたのせりふに
こころはゆらぎ
ゆらりゆらりと
波うちはじめた
あなたのまなざしに
こころはおどり ....
明るい陽射しのロビーで
いろんな人がカウンターと椅子の上
ぎこちなく たっては座り
さしだされた指示に従い
通路と道路に歩いて行く
待たせた人々と共に
誰も待っていない人も
了解し ....
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