{引用=
静かの、川が
逆流する
しなやかな動きの連続で
えたいの/知れないものたちが
反射するから
少女は、もう一度
夜を怖がらなくてはならない
そういうものなの
と、 ....
五月のわたしのルール
肉は肉屋さんで買う
魚は魚屋さんで買う
コロッケはあげたてを
おでんは味のよくしみた
やきとりはけむりで見えないくらいの
とてもシンプルなこと
この ....
鍵の開く音がして
夜空に取り残される留守番の少女
今日からきみも
誰かの探し物になってしまうんだね
小さなポケットつきの
コートを羽織っていこうとすると
また
ちゃりん、という音で
鍵 ....
人差し指と親指で輪っかをつくって
なにに見える?
かね?
おっけー?
そうだね
そんなもんにも見える
そいつを俺は
親指の角度をすこしずつ手のひらへ
ずらしていって
満月から
半月 ....
赤信号になったので
立ち止まり
振り返って戻った壁に
額をあてる
腐った蜜柑になっていた
昨日の自分の嘆きを
冷えた壁は吸いこんで
振り向くと
信号は青になり ....
いい音は
まいにち変わる
天気で変わる
時間で変わる
気分で変わる
いい音は
うるさくない音
いい音は
静かな音
いい音は
こころにしみる音
いい音は
こころをうごかす ....
お外のお花見は 楽しかったですか
散らかしたままの お部屋の
どのこのハンカチなのか
綺麗にアイロンがけして
小さく折りたたんであるのに
あめ玉でもつめて
ポッケにいれるの忘れたのかな ....
書いては消し、
書いては、
消し、
夜 、
に書いた手紙は朝にもういちど読みかえしてみよといいます、
雪は残らずとけてしまった、私は雑 ....
雨の落ちていく時
私の足音と同じ
ぱしゃりとつながるのが
みえそうな気がして
喜びというものに
出会えたらいいと
信号が車を止めるという
決まりきった約束だけに
心のすべてを捧げていた ....
仕事の帰り道
遅くなって借りた傘をさすと
すこし前を地下鉄のとおい駅まで
歩いて行くふたりは
みんなにこそこそかげぐちを言われてる
おんなのひとのほうはついこないだ
離婚した
おとこ ....
寝ている隙にブーツの中のにおいを嗅いだ
気が遠くなるという言葉の意味を知った
君を好きな気持ちに変わりは無い
寝ている隙に鼻毛を抜いてみた
殺すぞゴラァと胸ぐらをつかまれた
君を好きな気 ....
昔 父さんが庭の木に作ってくれたブランコに
僕たち兄弟が並んで
そうやって
毎日 そうやって暮れるまで
永遠に思えるような時間を過ごした
季節が変わるたびに
短くなっていくのだ ....
俺は相変わらず墓標を背負いながら歩きながら歩いている
お前らにとっては久しぶりだろうが
俺にとってはまあ昨日の今日みたいなもんだ
で、気がついたら
いつも俺の詩みたいな文章みたいなもの ....
さよならは言わない
青葉芽吹く春に
さよならは言えない
銀杏の赤ん坊が指を
くるくると丸めて
いくつも幾筋も
重なり合って
曇り空に緊張感を
旅立つならば
後ろは振り返らない
....
ひつじ こひつじ
1、2、3、4
5、6、7、8
かぞえても かぞえても
こひつじ
いくらでも どこまでも
こひつじ
そんなところで
ねてくらしたい。
きみの一日を 僕は知らない
きみが毎朝買っているパンの味も
きみが気にして飲んでいる健康ドリンクのことも
きみが僕に隠れて嬉しそうに読んでいる新聞の四コマ漫画のことも
きみが髪を無造作 ....
かぜが
よにん
てをつないで
ふいている
とおくに
ひろびろと
あおぞらが
ひろがる
あのころ
ぼくらは
そんなまいにちを
すごしていた
あなたがかいた
あねもね ....
夜は僕の肌をなめまわし
僕の知らない僕のこころと密会する
君は君の手垢をつけ
僕は僕の手垢を付けていく
君と僕の手垢が重なることはない
見つめあうことのないふたり
洗剤は合 ....
くもり空のした
駅まで歩いた
人を見たくて
屋根もみどりに濡れて
鉄橋の金網から
山手線を見下ろしつぶやいた
とうとう今年は桜を見なかったな
こころを開けなかった
三叉 ....
01
椅子に椅子が座る
約束は
決して泣かないこと
色鉛筆に魚が群がって
明日の支度をしている
02
階段は優しい
黙って骨を集めてくれるから
時計を正しく合わせ ....
肺を水で満たすような
この痛みと苦しみを恋と呼ぶなら
こんな思いはいらない
何度もそう思うのに
その笑顔を見るたびに
溺れそうな気持ちがまた
幸せの光に満たされるんだ
....
パンの焼けるにおいだけが明るい
苔が吐く息だけが甘い
朝になりかけのままの朝
小石をなげる雨のいたずらに
幾たびも眼を開ける
エメラルドの雨を泳いで渡る
赤い自転車は泣くだろうか
傘 ....
080408
今日も、
わけのわからないことを書いている
わけがわからなくなって
わけがわからなくては困るから
わけがわかるように書こうとして
わけがわ ....
おはよう
今日も良い天気
ちょっと早い朝
太陽におはよう!
みんなおやすみ
思い切り背伸びして
空さえも掴む力を充電
光いっぱいの朝
小鳥におはよう!
みんなおやすみ
さえ ....
溝が流れの通り道
濁りの淀む
吹き溜まりには枯葉
それでも雪解け水は
地上へ
いななき駆け下りる
暖かさの消えた夜
水面の波は途絶える
幼い土の寝床の中
凍えるに違いない朝を ....
また、この季節がきたよ
ながかったねぇ
ぼくたち
華やいで
きみ
咲いているよ
あの花は
すべてを忘れろっていうように
咲いて、風に流れているんだ
....
あなたは
詩
からできていた
あなたのことば
髪の毛も
どこまでも
あなたは詩で
豊かなるリフレイン
反復
倒置法
波のように繰り返す
反射する
重ねた
手鏡 ....
日だまりに停車してある軽トラできらきら光るホットサイダー
おじいちゃん早く渡りな大丈夫道路は三途の川じゃないから
祝日に国旗を掲げる家なくて家主の世代交代思う
....
私の
心の半分は
麻痺しているので
触れないでね
痛い、とか
冷たい、だとか
そちらの側では
感じられない
ただ
ぴりぴりとしびれるような
ここでない
どこかの空の
....
「せんせいのては やさしいかたちしてるね」
いきなり言われたので
僕は自分の手をじっと見た
どうみても普通の手だ
「どういうところがやさしいの?」
血管がういて筋張っているし ....
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