紫陽花は泣くのだよ
七色にかわってゆく自分を
雨の中でしか輝けない自分を
泣くのだよ
ももいろに咲くひは
あれど
うすむらさきの想いで
ばかりは
せんなくて
なんだよ
心をば
....
車に乗り込むと会社に向かう
いつもの出勤時刻
晴れた朝は 陽ざしがまぶしい
光を避けて 道路を走る
段々と 車列がのびていく
大きな車も小さな車も車間距離は同じ
列のスピードに合わせて ....
狭い二またの路地の
一方を歩く
袋小路だった
道を戻る
時間を無駄にした
往って戻った時間は
本当に無駄だったのだろうか
袋小路の突き当たりで
強い香りに振り返った
箱庭なの ....
暗く
うっそうとした
朝に
あなたの手が
すうっと
のびてくる
顔のまんなかに
みずうみはある
まつげかすかに
風にゆれ
返し忘れた本
窓辺 の 「ね」
つのる 想 ....
知らないよ
そんなもん
夢をもて
なんて
むせきにんなオッサンやオバハンや
センコウや家族はいう
知らないよ
そんなもん
あんたらがいう夢とやらは
化石みたく
とおい、 ....
さくら色の
朝まずめに
わたしは
やたらおおきな
あなたを
釣りあげたわ
あなたを
狙ってたわけじゃないけど
ビギナーズ ラック??
ラックはアンラックって
そのとき海はい ....
何もない
風だけが 吹いていた
夜の食べ物が
遙か彼方から迫っていた
休みが欲しい
一日中日差しを 浴びたい
とても疲れていた だけど
そう思うのは 何故なんだろう
明けない夜はないが
晴れない朝はある
止まない雨はないが
笑えない昼はある
暮れない一日はないが
つれない人はいる
そして夜
幾つもの夜を耐えて
人は強くなると言うが
ちびち ....
小さい頃ボロボロの毛布をいつも持ち歩いていた
名前はぷーぷーちゃん、と言った
幼稚園に行く時もお出かけする時もいつも一緒だった
小学校に上がる時
「もうおかしいからね? ....
わたしは
ただ
きみと
一緒の
空間にくらしたいだけ
ずっと そう
ただ きみと 一緒の 空間に暮らしたい だけ
中学二年のころから ひたすら それを 願っている
のです が ....
スピード感を着た〈ち〉 は
ねずみの時間を生きているようだ
暇は肩身が狭い
電脳空間で
ヒマをマヒされられた〈ち〉は
走り続けて
衝突することで終える彗星のように
終わりに向けて
記憶を更新 ....
雨が降っている
傘がない
濡れる
冷たい
ふるえてもいい
のだろうか
僕は
家への帰り道
あと十数分で
辿りつける
冷たい雨
ふるえる前に
拭き取ることがで ....
夜ご飯の支度をしていると
息子が
「今日はなに?」と聞きました
「コロッケだよ、手伝って」
「ああ」
寝そべってゲームをしている息子は
14歳
去年私の身長を抜きました
伸ばした手 ....
森のなかで
きえてゆく向日葵の
吐息が
とても
せつなく感じられるのであれば
きみよ
虹色の風を
もういちど
友にすることだ
光には影があり
影のない光はない
、と
たくさ ....
もう何度も手放したって
笑う
自分の醜さを
あなたに重ねて
無意味な夜を
何度過ごしても
得るものがない
そう思い込んでいた
また季節が過ぎる
星が落ちていく ....
雛は鳴いて 朝露流れる 雲白く
つたのからまる古木 陽が射し
巣穴からのぞく 黄緑の小鳥
アイビーの葉陰をすりぬけ
近くの木にとまる
尾をうちふり チチチッ
おはよう ナギ
....
ご機嫌麗しく帰ってください
おちがついてもおちつかないんです
こいにおちたほうがいいなんて
つきがささって心痛
自芯がなく
グレてダレて
おわらないんです
ことのはまっしぐら し
のなか ....
傷のある道だよ歩くと痛がるよ
銀色の風吹き電車落ちてくる
線路から君のささやき聞こえます
屋上で台風誘いベリーダンス
UFO直視し視覚野犯された
頼り ....
ミストのなかを
ゆくえをなくした幽霊のように
さまよっている
虹色のわたしたちの夢が
血のいろにそまって
やせ細る
初夏
ひまわりは
かがやくことを忘れ
ベットのうえに
....
台所の窓から見える
枝を切り落とされツタだらけになった
古く太い木に 小鳥が住み着いた
ツタのカーテンは巣穴を塞いで
子を守りやすいのか
ツタの中に入ってゆく
朝ご飯の支度をしながら ちら ....
瞑ればおちる 喉元の声
ずく で 散り急いだ未明
知られる事は 色づいてからでいい
浮いた草がひろげる風の扉
顔を覗かせては
あわててもどる 七色の瞳
危険な冒険の途中なの
それ ....
うすらさむい
どようび
うらのこうばのおとがする
れんずをみがくけんまざいのにおい
このにおい
たぶんいっしょうわすれないし
かいだらなつかしくなる
....
どこまで走っていけばいいんだ
牛丼屋が見つからない
走り続けていたら海に出た
波の音に誘われるように
海岸沿いのパーキングに車を入れて
砂浜へ
薄曇りの空は曖昧に青く
海は瑠 ....
やっと時代がお前に追いついたな と
いなり寿司を食べながら旦那が言った
味がついていて パックに入ったまま
温めて ご飯をつめれば出来上がり
便利なものがあったよと
嬉々として食卓 ....
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱたぱた ぱたぱた
ぱた ぱた ぱた
蝶 超
ミストの
ただよう樹 ....
もう
なつの光が消えてから
七年がすぎて
あれほど
うるさく
見舞いにきていた テントウムシも青空も海も風も
すっかり
あなたを
忘れてしまって・・・
もう
あの日から
七百 ....
仕掛けではなくて
普通のオフィスである
優しい表情でいた男が
背中を向けて振返ると
窓の方を向いて
皮膚が蒼白くなり
眼が鋭く光る
その顔を見た途端に
心臓に短刀が刺さる
逃げ出して ....
ひらり おちる
消しゴムのかす
えんぴつを研いだ時の
木の破片
真っ白なノートに書きなぐった
たくさんの言葉たちが
笑う 泣く 笑う
書いては消した 小さな唄
ちっ ....
今日
わるぐちを投げた
うまくいかない 輪投げみたいに
二度ほど
書き直してから
送信
ほどなく
私の書いたわるぐちが
白い画面に現れる
匿名の
小さな怒りだ
ああ
私 ....
どんなにかわいいレオタードの女の子が空からおちてきたって
どんなに素敵なフィギュアスケートのあの子がおちてきたって
不細工を絵に描いたような柔道着姿のあの子がおちてきたって
わたしは
ほとんど ....
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