涙で銀の冠作りましょう
誰かのための想いは
赤い傷口でも
黒い憎しみでもありません
密かに綴る
音無き心が
手を繋いで
優しい鈴を鳴らします
綿密に編み込まれた絨毯のように
今夜の気分はどこのどれとも言い難いものだった
沖縄辺りで停滞している台風のせいで
エアコンをつけていてもじめついた部屋だった
アリスが自殺した小僧の尻を叩い ....
ふと
首から
肩にかけて痛みが広がり
ゆっくりと左側が痺れてしまって
頭までぼーっとして来て
呻く事
約三十分
左右に揺すると
音がするようになってしまったので
どうにか成らない ....
日照りが続くと
実感するよ
僕達が
柔らかい機械
なんだってね
えら呼吸を忘れ
体内に海を抱えて
何処へ行くつもりなのかな?
いっそのこと
部屋中を海水で満たしたいな
....
生きることに不真面目だから
自称詩なんかに逃げるんだ
きつい現実から目をそらして
ゆるゆるの関係性に逃げ込むんだ
おまえさ
ただの一度でも
自分以外の為に
(人でも神でも馬でもいいよ ....
絶望の川を歩く
希望の虹を垣間見ながら
きらめく星の歌は誰の為?
夢の破片は朝には雪のように
命を想った時から苦しみと悦びを覚えた
愛の言葉が時の数だけ放たれる
別れが歩む度に増えてゆ ....
世界は夜に浮かぶ星
心はあたたかなものを求めるのを止まない
明りのともるところに人はいる
歩き疲れて痛む足
傷ついてもひねくれまいと思う想い
明日を信じる力はなくても
時は受け入れて行こう ....
きみはなにに殺されたのだろう。
この日付、六月二十六日という日付のほんとうすら私はもう忘れつつある。きみの命日そのものだったのか、それともきみが死んだことを私が知った日だったのか。
おそろ ....
ただしい農場では
ただしい青果が生産され
世界をよりただしくしてゆくのだろう
おびただしいひとの群れは
おびただしい愛の定義をつむぎだし
世界をより美しいものにしてゆくのだろうか
....
ずいぶん歩いて歩いて、ひざこぞうはすりきれて足ひきずるようになったよ。
いくど、ここは果ての先だ、と思ったことだろ。
らっぱのみしたワインの瓶、公園のひみつ基地のしたでねむった夜、あったかそう ....
出口の側で
渋滞したまま
高音の列が
信号無視する
環状線を
走らせる車の
クラクションが
すれ違う間は
空気に酔って
五分という
思い出を
作れない
みんな炭酸
ぷちぷち空気にまざる
月曜にあけたサイダーが
木曜には甘い水になって
やすらかに
わたしたちは消えていく
みんな炭酸
友達にバイバイして 鍵を開けて 家に入る ただいま
先に帰ってる 妹が二人 待ってる
手を洗って おやつを食べて 宿題
学校の勉強には ついていけてる 気がする
ママから帰る時間の ライン ....
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを
ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを
アインシュタインはおどけながら呻いている
....
嵐の到来を伝えるラジオの音
突然の雨がアスファルトを冷やす
雲が覆い尽くした赤黒いアーケードを足早に歩いた
湯気のように霧散していくこともなく
ただじっとりと身体に纏わりついている
ぐず ....
うなじから首から目から羽を吹き血を吹きながら辿る足跡
蜘蛛は蜘蛛何も残さず何も見ず虫を喰みただ夏に凍える
ふところの火を手に結び手をひらき何も無い日をかき分 ....
親と両国で会った
そして 帰る電車に乗った 地下鉄で
それは 自分にとって何だったのだろうと考えていた
話していたのは空の色についてだったのかもしれない
一日中 考えていた そんなこ ....
とても大切なことをわすれて
とても大好きなひとをわすれて
それでも生きている
あたえられた課題を
こなせない生徒のように
やっぱり不器用でふまじめで
廊下のすみにたたされているんだ ....
きみのかあさんになりたい
お洋服を手縫いしたり
陽に透けるきれいなゼリーをつくったり
おひざにだっこして絵本を読んだりする
いつも子育てのことで
はらはらと気をもんでいる
きみのとうさ ....
あかいほっぺを見て笑う
ぷっくりほっぺをつっついてみる
黒いおめめは透き通り
はじめてをしっかり眺めてる
僕に関係の無い人が笑っている
僕に関係の無い人が泣いている
僕に関係の無い人が風に揺れている
僕も少し風に揺れながら口を開けて
あの日のことを思い出そうとしている
あの日、が何のことなの ....
縄にX
白は固形だ滑稽だ
背いたもののための中庭に
誰も赦さぬ喝采だ
短く切った
ばらまいた
どこへ落ちても
ひとりやわらか
死から遠いものほど
....
メーターが振り切れそうになる
一秒当たりの時間の価値だけが赤く高騰してゆく
それはたとえ休日とて例外ではない
はずなのに
具体的に何をしてよいのかさっぱり分からない
いつもの休日
....
解放の日の記念にミネストローネをつくりたかったんだ
なにからの解放だってきかれても
僕にもよくわからないんだが
とにかく野菜は自然主義者で
そのおだやかな主張を胃袋におさめたならば ....
雨の日のあくる日
学校のうらの公園に
みずたまり
ができていたよ
みずうみ
みたいだったよ
みずうみには
ケヤキの葉っぱが陽に射られてみどりに
きゃあきゃあと光っていたよ
女 ....
私が知りたいのは常に一つのこと
あなたが哀しみを哀しむとき
遠いどこかで雨はブルース
青い道に波が響いて
ぬぐう頬にはあかねさす
ライトは一定の冷たさで照らす
誰かの血を
誰かの非を
....
静まるベット 無機質な部屋で
朝も夜も関係のない1日
しばらくして起きたきみは
ふれているのに とおいの
とつぶやいた
僕はわかるよと 返しておいた
きみ ....
ワイングラスのうつろのなかで
ひらひら泳ぐは真っ赤な金魚
君がぱららとこぼす言葉を
一生懸命ぱくぱくひろう
うすい硝子をへだてた君は
赤い私しか知らないでしょう
ほんとうは君の腕のなかでな ....
ふわふわしている きみ と
ふわふわしていない ぼくが
同じ にんげん であることが
ふとふしぎになるので
ぼくとは異なる きみ という にんげん を
観察してみようとおもう
....
溶けそうなキスしたら
逢えなかった時のモヤモヤが
完全になくなった
あなたは魔法使いだね
私の心の状態を整えてくれる
キスは甘いほどいい
心にダイレクトに浸透する
愛に身を委ねる ....
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