{引用=
白のなかの白、のなかの白。のなかの 白、白。白という色彩。 白、光線と あわい影、と白、のなかの白、白。白色光のなか、白と 風と、光と、白と、砂のなか。白。淡い色彩 白色の塗料。白、のなか ....
木は生えた 風景の中に
訪れた 公園に 色は
焦げ茶なのだとこの目には見えた その
僕の持つ この 知識によって
そして 今日も生きている肉体で
一本の 立つ 空の下で
今日も 一人 歩い ....
朝、西の港にちかい道路で白いセンターラインから少しだけずれて、一羽のカモメがその羽を閉じながら蹲っている。前方に何台か続いている自動車がほんのすこしだけハンドルを切りながらそれを避けてゆく。寿命なのか ....
自称詩人の口から尻に
鉄串を刺して
炭火の上でグルグル回転させていると
自称詩人は最後の足掻きとばかりに
自称詩を口にした
回る回るよ
私は回る
表面こんがり焼かれながら
昨日は無 ....
色づき色あせて
歌うように踊るように
散る 桜の葉
どの葉も負けじと
秋風に身をまかせ
散って 散りつもる
もうすぐ雪が降る
降って 降って
降りつもる
こどもらの歓声も
臨終 ....
突然の電話で私の詩を褒めちぎる
たまたま同人誌への掲載作品を読んで
ここがこう素晴らしくて感動しましたと
その批評は見事で褒められて嬉しくて
こちらもデレッとしてしたところで
この詩を多 ....
裸の枝に実る柿
菊西 夕座
季節が頭をめぐらせて仰ぐ空へと囁くたびに
懐かしさは生まれた日の ....
つたのお家は さびしいね
枯れ葉が ほろほろ はだかんぼう
秋のお庭は さびしいね
のこったアサガオ ひとりぼっち
月夜のデッキは さびしいね
子猫が 母猫おも ....
閑散としている通りの端に
通いなれた立ち飲み屋がある
店主の女将さんは愛想がよくて
ついつい飲みすぎてしまう
術中にはまっているようだ
ふと奥に目をむける ....
右、心房に届く
夜明けの海を
寄せては返す
ブランコたち
知らない
光の
所在なんて
笑う唇の端に
救急車のサイレン
初めてキャベツを
買った日の静けさ
何も無い
....
夕立
つるべはしぐれ
指先
防風、防水、防寒手袋
きみが忘れた公園も
ひぐれも時間も半袖も
スニーカーだけ走り出して
追いつけなくなる
撤去された
ジャングルジムと砂場
....
あなたの手のやわらかさを
表現することばが見当たらない
まるで世界が瞬きをしているみたいだ
シナプスのきらめきが脳内をかすめて
墜落する飛行機のニュースを見ながら
この夜が終わらなけれ ....
金木犀がたった数日でいなくなった公園で
わたしたちはどんぐり拾いをした
ここにも
そこにも
あっちにも
おいで、おいでと
どんぐりがわたしたちを呼ぶから
キミのズボンのポケットはすぐにい ....
季節の短さに
誰も気付かないけれど
きみは今その真っ只中に
いることすら分かっていない
汗で額についた前髪を
何気なく払う姿は
きみが何とも思わなくても
確かに美しいんだ
それは否 ....
素直さのない
夏の熱砂が残す灰、夜想曲の静かさで
降り積もる
森は、夏の温もりになごり
いつか 一つの季節を追いやる
季節風は海の果てに姿をけし
かけ違えられた犠牲の森の彩
見捨 ....
薔薇色の日々を与えてくれて
貴方には心からの感謝を
どうしようにも
憧れすぎて
私は貴方になりたかった
貴方が知りたくて
ボードレールを読んだ
それがきっかけで詩を書き始めた
....
廊下を渡る足音には
特段目的地がないから
店長は突き当りのエレベーターを
使い捨てに決めた
わたしの相談事にも
丁寧に対応していただき
お昼に買った二個入りの一つを食べずに
後用 ....
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。陶酔。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、そのうねりをいつまでも繰りかえしてゆく。それは途方も ....
現実は
私を疲れさせる
作り笑いを引っ込めて
素に戻る
良く喋るひとは嫌いだ
一緒にいるなら
沈黙が心地好いひとがいい
気がつけば
夢想して微笑んでる私は
此処に存在してない
....
もしいつか会うならば
そこは淡い抽象画のような場所
つつましく響き合う
やわらかな薔薇色を 薄明や薄暮の青灰色を
ほのかな真珠色を しっとりと佇む秘色を
感触しながら
静かな体温を寄り添わ ....
一番恐ろしいのは、己の弱さ。
そいつが囁く、言い訳という名の誘惑。
夜半過ぎ、映らないテレビに自らを写して、
滲む爪先を凝視した。
奇妙な雨音だけに耳を傾け、
ただ、逃避した。
そ ....
やはり素直にならないとね
でも素直ってなんなのだろう
文字を疑い詩を疑い続けた
私は素直になれない
みんなは真似しないで素直になって
改札口の側で
あなたの身体を見つけた
暫く見なかっただけなのに
こんな所にあったのだ、と思うと
何だか懐かしく感じられた
せっかくなので両腕を掴んで
家まで引き摺って帰ることにした ....
長い間
体は魂を入れる器だと思っていた
時には大切に出来なかった
だけど
こんなにも長い間
私の意思を全うしてくれる
体をロボットだと考えると
その並々ならぬ献身に
なんだか泣けてきた ....
炬燵に
父がいないことに
やっと慣れた
十年かかった
もっと前に
いなくなった白い猫は
今でもたまに
コンビニ袋になって風に舞っている
スーパーに行って
ドッグフードの棚の横を通ると ....
時々自分に言うんだ
もっと気楽に生きろ
これも運命だ と
そう、立場を変えればある意味
自然なんだ
自然とは因果的必然の世界ということ
いろんな存在一つ一つに
一つ一つの自然があって ....
少女はずっと灰色のくもり空を見上げていた。そのちょっとした公園に設置された、幼児用すべり台の踊り場に腰かけながら、その手にはてるてる坊主の白い胴体を握り締めて。その羽織った白いカーディガンとすこしなが ....
まるで夏のよう
この休日は気温も湿度も高い
今日の装いは真夏に着ていたワンピース
エプロン付けて台所に向かう
今夜は唐揚げ
衣をつけた鶏肉を油に入れていく
シュ ....
詩の葬式から
生きるとは何か
詩の葬式からの
帰り道に
ウインドウに
映つる自分の姿、
セピア色の
246青山通り
振り返ってみる
いろいろな人
ほとんどは
....
自分に言う
もっと
気楽に
生きろ
これも運命
※ 五行歌とは、五行で書く 詩歌のことです。
※ 五行歌には、本来、タイトルは付けません。
しかし、ここでは ....
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