肉付きの薄い足はぺたぺたと
鏡張りの感情を踏みつけている
言ってはいけないことばが多すぎるから
覚えたての星座の名前を忘れていく
ユートピアの玄関口で
警備員に渡したのは虹色の砂
これ ....
誰も ほどかなかった
包んでいる紙は しわができて
セロハンテープも 古くなり
リボンも 色をなくし
誰も ほどかれなかった
空にも風にも 雨にも土にも
できない事
今日 ....
宇宙人みたいな顔のやつがTVに出ている
どのチャンネルに変えても、
出てくるのは宇宙人みたいな顔のやつばかりだ
そして久しぶりに街に出ると、
高級ファッションで身を固めた
超ド派手な宇宙 ....
頭を振ると からん
と音がしたので
自販機で詩を買った
歩きながらは行儀が悪いし
近くに落ち着けるベンチもないので
その場でぱらぱらと読んで
隣の既読入れに投げ入れた 百円
立ち ....
家を出たとたん
タピオカころころ雨粒ころころ
大きな傘さしチャリに乗る
ぱらぱら降ってすぐ止むかんじ
春風ちょっと強いかな
子供が傘でちょっと浮いている
楽しそうに笑って
台風かね台 ....
さからう ゆだねる
かいなく よそごと
こらえて の こす
そしらぬ わたり
ひより びより さえずり ともし
むかえて ふりだす
くさむら やぶやら
もやもやの空気の中をいく宇宙船からミサイルがこぼれた
てきとうなお椀にいれて水を注ぐ
机の上に置いて、こわいものをもてあそぶ
たとえばこのひっかかりに指を差して
底から上手に抜 ....
灯りを消してベッドに横たわり
脳裏に
小川を流し
縁に笹の葉を茂らす
夜眠れない
苛立ちを
笹の葉にのせて
流れるにまかせる
明日の不安は
確かにあるが
それも葉にのせて
....
うっかりしたり
どうかしていたり
つい他のことで
頭いっぱいになってたり
なんか体調でイラッとしたりして
間違ったことを言ってしまうことなんて
自分いくらでもあるんだから
他人の
....
違う私になりたいなんて
思ったことは一度もない
違う私になってしまえば
たとえば
眼もくらむほどの美貌とか
今より
たぶん7センチ
すらりとのびた背筋とか
だけど
あなたに出 ....
微笑みを浮かべてあなたに舟をあげましょう
この手で捏ねた泥舟に夢を乗せて行く人よ
哀しみも憎しみもあなたには必要がないのでしょう
それならどうか私に見せてください
愛しさと幸せの中で泳 ....
大きな交差点
大きな歩道橋
スロープを自転車でカタカタカタと登り
ごぉおおと息を吐き出していっきにくだっていく
地に足がつかない浮いた感じ
幼い頃の他愛のない浮いた夢が叶 ....
月はね 二つあるのだよ
望遠鏡から離れて 自分の目で見てごらん
三日月の尖ったあごは二つに分かれているだろ
昔の人が見た乙女や兎が住んでいる月
今見る乾いた月の後ろに少しずれて
ぼくに ....
育てていた蜜蜂が 熊に襲われた
蜜を狙って巣箱を壊し 女王蜂も食べられた という話
熊って 蜜だけじゃなく 蜂も食べるの?
食べるらしいよ それ以来 蜂が怖がって
外へ蜜をとりにいかなくて ....
プラトニック
回転する細胞
満たされた月
泣く
豊満する現実
紫色の花
君の話
線香の香り
その情景は
ゆらゆらと
ひたすらに
まだ続くかのように
訴える
ツバメ ....
ことっ
かすかな音が
わたしたちの奥の奥のずっと深いところから
した
ぶくっ
ぶくっ
おずおず
と ....
{引用=―M・T君に―}
「てんぎゅうをとりにいこう」
きみがそう言った夏休みに
ぼくらは残忍なハンターになる
もくもくと青空に湧く入道雲
稚魚の群れが回遊する島の海を
ぼくら ....
ほとり 泉に 群れ 飛ぶ月の 彼方
行方 揺れる しぶき ふける 風に
釣り込まれる 草葉 影音 臥せ 夜
咲いて 咲いて 残す ひき むろ
小石に かせ 花に かせぬ 夢土
....
ぱたぱたとひるがえるちいさな二足のズック靴
幼稚園への近道で
つないでいた手を離し
走ってもいいよというと
かならず笑い声をあげながら
細い坂道を駆け下りていった
その弾む後ろ姿を
おぼ ....
黄色の帽子をかぶった一年生が
朝の登校の集団に 交じっている
今時はピンクのランドセルもあり
小さな背中一杯に背負い込んでいて
初々しさに 車を運転しながら
自然と微笑み 見ようとしたが ....
鳥山が立つとき
海の深層には
おおきな迷いが泳いでいる、と
あの日 あなたは教えてくれた
あなたの育った長崎の海は
いつも
あなたを包み込んで
すべてを許し 微笑んでくれた
そんな ....
不器用だから
泣きじゃくって
のりしろは全部
切り落としてしまった
僕、という立体を
通りぬけてゆく風
端っこがめくれて
ビラビラしている
無理しないでね、と
幻のような声を ....
日暮れが命を光らせる
うすい羽の滑空を
ぺらぺらぺらぺら遅らせる
何度もここで羽化をする
通り過ぎた残響を
鼻を湿らし数えてる
長い時間はプレパラートで
あたたかいのはたぶん届い ....
低気圧と偏頭痛
雨降り土曜日 ぎこちなくスーツを着こなして
街の風景に いかにも溶け込んでいるふりをする
大通りはパレード 通り過ぎてく行列を
眺めながら頬張る 503kcalのハンバーガ ....
つぼめて 槍のように立つ
咲いたら 雪にとらわれ
爪の先 包み乞う 花びら
紫 赤 黄色のスクリュー
破る葉と土 ほどけた傾斜
雪の香りに 身をひめる
....
きみが ハイハイしていたころ
ぼくは ダイナソーだった
ぼくが 家族を守っていたころ
きみは オーロラだった
人の気配が
なーんにもない ここは
ふたりが 初めて であったところ、 ....
体育の授業でできなかった
隣に座る女の子が休み時間に
ぼくを誘ってくれた
ふたりで校庭をはしって
鉄棒につかまり
練習を始めた
雨の降らない日は
休み時間のたびに
ふたりで鉄棒をす ....
木の皮に こもった熱が
少しづつ 雪を溶かし
陽射しが 波紋のように
幹の根元を まるくあゆむ
溶けた雪は水となり 土にしみ込む
しみこめない水は 雪の下をたぱたぱ流れ
水の膜 ....
今年はじめて モンシロチョウを見た
まだ畑には雪がかなり積もっていて
道路や地面で アスファルトや地面が
見える所はあるけれど 花は咲いていない
蜜はまだないよ
ひらひらと 春めいた陽射 ....
いろんなことあるよ
いろんなこと過ぎていくよ
だいじょうぶ
手をつないでいこう
みんな
のぼっていくね
空には
酸素がいっぱいなんだって
誰かいってた
くらげはね
水にとけ ....
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