午前四時半の蒼い空
ひときわ煌めくのは金星か

               身体を這う汗
    ....
 遠くサイレンの聞こえる朝
 会社の広い敷地内にある
 コンビニエンスストアのごみ箱へ
 がらん! 落とし込まれる
 リポビタンD の空き瓶

 心地よい冷気を後にして
 配属先の建屋ま ....
テレビを見ながら
僕は皿洗い
君は洗濯物をたたむ
よくあるひととき

ありふれているのに
ありふれているけど
永遠に続かないことを
まだ何も起きないのに
憂いてしまう

いなくな ....
 駅から出るとバスターミナルを
 陽が独占する
 発車して行くバスの後ろ姿へ
 あつかましく輝きながら

 瞼を伏せて立っているバス停の
 シェルターで、高校生ぐらいだろうか
 少年と少 ....
新しくないアタシが

新しいことを始めるのは とても大変で

古ぼけた部屋の中で縮こまって縮こまって

「・」になれたらいいのに と

瞼を閉じた内側に逃げ込む

けど


 ....
あの日

まだ遊園地があった頃

待ち合わせて出掛ける夕まずめ

武庫川に架かる橋には溢れる人

背の高いその人が

欄干横の塀に私を乗っけてくれた

スカートが風にめくれ ....
わたしはやっぱり
PARCOが好きだったんだなあと思う

むかしのPARCOが
好きだったなあと思う

津田沼PARCOには
何度も、何度も行った
アルバイトで貯めたお金で
ヒス ....
懐かしい名前に出会って
僕はやっぱり僕だと知る
いつの間にか分厚い着ぐるみ
無言のパフォーマンスしてたね

ちょっと後ろのファスナー
下ろしてくれないか
風を浴びて
蘇りたい

逃 ....
空から落ちてきた
一粒の火の粉が発芽して
庭に硝子の意志が蔓延った

温い月光を受け止めた
水盤には真鍮の孤独が湧き
何匹かのメダカが犠牲になった

溶けたアイスキャンデーの
「 ....
繊維の構造に
光が降り注いで
戸惑ったわたしは
少しだけ早口になった

アジノタタキ、と
呪文を唱えた
日除けの帽子は
柔らかな海になって
凪いだまま
わたしの身体に
収 ....
 青空が遥か高く張りつめた時
 草も花もない地上に
 私は頼りなく立っていた

 掌の感触は忘れていない
 あなたの爽やかな顎をなで
 たくましい肋骨を数えた
 奇妙に光る瞳で私を縛 ....
白い本をひらく

そこは、永遠てしのない階段が続く

教えられたままに ゆっくりと登っていく

いつか空に近づくころ 段差は代わりに五線譜になった

そこからは、音符の上をのぼりはじめ ....
死に
たかる蟻たち
夏の羽をもぎ取り
脚を引き千切ってゆく
死の解体者
指の先で抓み上げても
死を口にくわえてはなさぬ
殉教者
死とともに
首を引き離し
 ....
晴れている
蝉も鳴かない
正午

巨きな空白 が
其処に置かれたような
静寂

その静寂には
不思議な重さがある
その無が
世界ひとつ分と
釣り合うかのような

あるいは
 ....
ひとりでいることの虚しさと、ふたりでいることの寂しさ。
おんなじ言葉を喋っていても、
人はそれぞれ、住んでいる惑星が違う。
おんなじ惑星の彼女に出会った僕は、
ただこの星にこもって、言葉の畑を ....
綿のループ
いくつもの群れとなり
ベッドにかけられれば一枚の布
ナイトランプに照らされて
月影を映す

手触りは
馴染んた人の肌のようで
撫でれば
もっとやさしく
わたしを撫でかえ ....
夏の夜風は
思い出の形をした
巻き貝から吹いていて
静かな海の
やさしい波音は
地球に命が生まれたときに
落ちた涙の音を含んでいて
さわさわとゆらゆらと
秘密の中で育ったすくすくと
 ....
物語りはエンドレスのように
季節は音もなく日々を刻んでいた
地表には取り憑かれたように草たちは伸び
虫はそれに寄り添うように紡いでいる

夏は蝉の音と虫の音が混錬し
熱波が地表を包んでいた ....
レコードにハッカ油を垂らす
聴いたこともない政治の季節がやってくる
夏はここから始まって
そこかしこに収束する
香るハッカは
それを中和させる
一つの方法に過ぎない
そして

そして ....
気がつけば一面の緑のなかで
途方にくれていた
どこから来て
どこへ行こうとしているのか

すでに熱を失って
剥製のように軽くなった
小鳥のむくろを
両の手に捧げている

はばたいて ....
なんか
毎日ハンバーグでもいい気がする
なんか
スーツって窮屈に感じる
なんか
人に優しくできる日がある
なんか
たまには水風呂でもいい気がする
なんか
いつまでも眠りたいと思う日が ....
給食の時間に落とした
わたしの唐揚げは
数十年も宇宙を漂っていた
「宇宙空間に謎の唐揚げが」
という報道で知った
写真を見ると確かに
あの日に落とした唐揚げと
同じ色と形をしてい ....
あめんぼうは、すばらしい数学者です。
水面にすばやく円を描いてゆきます。
 「氷」

口のなかの体温で氷がほどけていく

世界が終わるかのような
とどろきを上げて
北極の氷山も海にくずれおちていく

さよなら

夏の真ん中で
わたしが失ったのは
透明 ....
想い出したように
鳴る

風鈴が
躊躇うように

あなたが
幼い頃の話をする時のように

鳴る
風鈴が

逃げる風を追い駆けようとして
諦めたように

鳴る

あなた ....
どうして
そのいろに
したの
はなびらといきた
あのはるを

+

あめの
かどをまがる
どこまでもつづく
くらげいろの
みず

+

ふうとうから
なみおと ....
冬場も薄着で、
寒くないのですか? あなたは
って言ったら、
年寄りには寒さも暑さも同じこと
って、返されたけど、
人間も体温に近い毎日が続けば朦朧と蟻になる
体感以上にあたまのことだ ....
清浄な君の、白いレース柄による、
胸の施錠、
かたく閉ざされた、
はちきれんばかりの、
極楽浄土、極楽浄土、
非日常を味わっても
次の日はどこかに消える
夢のような時間
終わってしまうから
心に残る
ずっとずっと

心に残りにくい日常
昨日何してたっけ
似たような毎日
ずっと続くから
意 ....
 西風が吹きつける
 白い塗装の剥げかけた
 木枠の窓

 嵐の前の雨が胸をつき
 かえるべき場所を見失った心は
 ぐるりぐるり
 過去の幻をめぐるだけで
 固くなる

 あなたは ....
唐草フウさんのおすすめリスト(4194)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
一昨日より昨日よりも今日- 洗貝新自由詩9*25-7-26
机の引き出し- リリー自由詩11*25-7-25
ふたりの日常- 自由詩10*25-7-25
In_the_shade_- リリー自由詩10*25-7-24
あしぶみ- さち自由詩5*25-7-24
花火を見たのか- 花野誉自由詩14*25-7-23
津田沼パルコ- うめバア自由詩10*25-7-23
後ろのファスナー- 自由詩8*25-7-23
酷暑- 夏井椋也自由詩11*25-7-23
アジノタタキ- たもつ自由詩6*25-7-22
ノイバラ- リリー自由詩13*25-7-22
_文字のない本- 月乃 猫自由詩15*25-7-21
蟻。_- 田中宏輔自由詩17*25-7-21
夏の空白- 塔野夏子自由詩5*25-7-21
彼女もまた傷付くのだとしたら- 由比良 ...自由詩125-7-20
タオルケット- そらの珊 ...自由詩8*25-7-20
古傷は夏の夜風に吹かれて- トビラ自由詩3*25-7-19
七月のかなしみ- 山人自由詩12*25-7-19
ハッカ油- XIAO自由詩4*25-7-19
埋葬- そらの珊 ...自由詩14*25-7-17
なんか- みぎめ  ...自由詩425-7-16
隙間- たもつ自由詩6*25-7-16
あめんぼう。- 田中宏輔自由詩16*25-7-14
続いていくのかな- そらの珊 ...自由詩9*25-7-14
風鈴- 夏井椋也自由詩13*25-7-12
からあず- たもつ自由詩7*25-7-12
寒さ暑さも便秘にシュール- 洗貝新自由詩8*25-7-10
観音びらき- 本田憲嵩自由詩1125-7-8
昨日今日明日- 自由詩8*25-7-8
凍った雨- リリー自由詩14*25-7-7

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140