ありがとう。
いままで私にかかわってくれた、人たち。

しあわせになるね。
コンビニのレジで
その人は買い物の会計をしてもらいながら
周囲にわからないようにして
店員の女のこに
小さく折り畳んだ紙を渡した
という

女のこは一瞬困惑した表情をしたけれど
直ぐに ....
通り過ぎていく物売りの声が
私を非難したのかと
過敏になる窓の隙間から
秋風がするりと
いかにもなれた振る舞いでカーテンを揺らし入り込む

今直面している重大な問題を
言い当てられた気 ....
開かれる
空の瞬き青々と
白雲棚引き
行方は知らず
哀しみ溢れて
秋風の吹く
言葉のフェイクを削ぎ落し
白骨化したあなたを抱いている
突風にあばらが鳴ると
手を取ってかちゃかちゃ揺らしてみた
骨盤に唇を押し当て目を瞑る
あなたは眠りからさまよい出た夢で
青いインクで ....
北向きの窓から
ふいに
秋の
風が産んだ子が走り抜けていく
本のすきまから伸びた
栞のしっぽが揺れ
亡くした猫のしっぽも揺れ
過去が
耳なかでちりりんと揺れる

寝転がると
窓い ....
雨上がりの公園で
月あかりを浴びて待つ
遠くへいった人を

あちらこちらの水たまりが
白く鏡のように木々を照らす
風が金木犀の香りをくれる

妖精が手をつないで飛んでいる
銀木犀 ....
パリの妖精
第16話「リュクサンブール公園の妖精」



花壇に建つ恋する
リュクサンブール宮殿
幾つもの空を映す池
王妃の可愛いポニー
噴水の虹のなかに座る妖精
毎日好きな部屋で ....
青みがかった空を背景に
農夫が篭から肥料をまく
大気はまだまだ熱気を孕み
夏の真上で微かに微かに秋が舞う

けれど、

青みがかった空を背景に
農夫が篭から肥料をまく
彼も篭も青に染 ....
くだもの畑に産まれて大きくなった
訳じゃないの

ヒトに産まれて女に育った
あたし

中学校では
天然なのに縮れた髪が
校則に違反していると何度も注意された
髪色が黒くないからって
 ....
海は心臓

空は動脈

大気は細胞

雨は静脈

川も静脈


さびしがり屋の

きみに幸せだと

蓋してもらって

言わせたいんだ


海は心臓

空は動 ....
雨上がりの午後、この街の空は
どこまでも行けるように青かった
アスファルトの窪みでは水たまりが
信号のいらない雲の往来を映している

あそこに飛び込んでしまおうか
革靴なんか脱ぎ捨てて ....
何処かの公衆トイレの壁にされた

落書きみたいに

俺の体の中から卑猥な文字が消えないんだ

でも
男だって女だって誰だって
それは自然だろ

それにしても
女は化粧するし
丈 ....
一度や二度は誰だって
自分より弱い相手を見下して
意地悪したり
いじめたり
したことあるよね

俺みたいに
さんざんいじめられて踏みつけられた一人だって
自分より弱いと判断した相手には ....
手で計る
針二つをあわせたら
手首の傷にあわせたら
鈴の鳴く
辻の門に
風を捨てました
供養は茄子
緑、揺れている
ゆうらりゆらら
梢の向こうに青い空

昨日はこの宇宙の片隅で
街を驟雨が濡らしていき
青紫に染めたんだ
ピカリと光り響きながら
青紫に染めたんだ

緑、揺れている
 ....
人の息と
息の間で
僕は
息をした

僕の息と
人の息の間で
君は息をした

僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった

生きていれば良いこともあるさ ....
季節は流れ詩は座礁して
はるか太平洋の真ん中の島に流れ着くだろう

いきることが何かの証明ならば
返す言葉がつまづいたままでいきてゆこう

あるいは人生に返す言葉を紡ぎながら

座興だ ....
突然の驟雨に 洗われた街は

なんだかとても色っぽくて

雨上がりの 空気の色を

すこしさみしげな 茜色に染めるのです

地に這う けものの しずかな息吹きが

い ....
どう、ハエになった気分は?ついさっきまでは人間でいられたのにさ。

どうって?あんただって立派なハエになってるわよ。

鏡に写して見てみたら
あたしの目にはハエになったあんたしか見えないわよ ....
窓辺の朝日は懐かしい匂い
遠い国の匂いがする
いったいどれだけ
涙滲みたハンカチーフ燃やして
ここへたどり着いたの
流星を追い越して
銀河を照らして愛され
月を影絵にしてくれるたね
 ....
雨の夜は嬉しい
花に乗るのはシャボン玉
星を映しながら葉に落ちる
もう少し星を下さい
砂子のような星を
金色に光る星を
星になるまで
本を開いて、
本を閉じる。

むかいの席の奥さんと、ふと目があったなら、

あのひとは、わたしが辞めた会社にあとから入ってきたひとの、
知り合いの親戚の家族の友だちなんだわ、

きっと ....
育まれた大地は哀しみに暮れ
あなたの幸せを乞う、と
腐敗した果実を土葬にいだく

還れない連鎖がある
祝し祝される転生の輪を閉じ
静かに響く余韻の産声を預ける

生き写しの影が光となる ....
今からおよそ千年前の一夜
俺は童貞を喪った

男にも純潔はあるんだ
女性だけのものではない

男だって
一途に思う人の為に
男の操を守るのは
称賛されなくてはならない

ただその ....
夜が深まっていく
連絡がつかない、繋がらない
隣室ではコツコツと壁を打つ音、間欠的に
遠くの森を手を繋ぎ歩いた愛娘は
青春を謳歌しているだろうか、今頃

夜が深まっていく
オレンジジュー ....
虫の音が
どこかの草むらで聞こえている
触角をふるわせて
葉の様子をうかがうことが
かれらの仕事で
葉先から零れ落ちる露を少し飲んで
またうたう

いたるところに黄昏れが満ちあふれ ....
幻の夜、
ヤドガリも寝静まった砂浜に
楽園の島のヤシの実が流れ着く。


その島では、あした、
一番早起きの牝牛が
真綿のように軽やかな雲の幻を
牧場の木陰に見る眼には
敬虔 ....
原 静かさ 月
丸い歩道 男女の子
犯罪者
全てを観ているモノ
見つけたりない気がして
海底を泳いだ
短い手足がだんだんしびれていく

水圧のせいかな
ちょっと戸惑って
いつかの風船がひっかかる

悲しみにすら触れられない
それじゃあ笑われちまう ....
HALさんのおすすめリスト(1838)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ありがとう- 杏っ子自由詩119-9-20
コンビニのレジで- こたきひ ...自由詩319-9-20
ビール飲みながらまじめな話なんかしてはいけない- Lucy自由詩11*19-9-16
秋風、一吹き- ひだかた ...自由詩919-9-16
自由の女神- ただのみ ...自由詩5*19-9-16
秋はそこから- そらの珊 ...自由詩14*19-9-16
金木犀と銀木犀の妖精- 丘白月自由詩119-9-15
リュクサンブール公園の妖精- 丘白月自由詩1*19-9-15
農夫と秋- ひだかた ...自由詩519-9-15
果樹園- こたきひ ...自由詩619-9-15
海は心臓- 函館ドラ ...自由詩319-9-15
青にやられて- 新染因循自由詩4*19-9-14
何処かの公衆トイレ- こたきひ ...自由詩719-9-14
一度や二度は- こたきひ ...自由詩519-9-14
手計- ナンモナ ...自由詩9*19-9-13
ブラックコーヒー- ひだかた ...自由詩9*19-9-13
毎朝- たもつ自由詩14+19-9-13
オニヤンマ- 梅昆布茶自由詩1219-9-12
過ぎゆく夏の____- 秋葉竹自由詩619-9-12
蝿になってしまった- こたきひ ...自由詩319-9-12
秋の陽に幻惑されて- 丘白月自由詩419-9-11
黄花千日紅の妖精- 丘白月自由詩219-9-11
本を開いて本を閉じる- la_feminite_ ...自由詩3*19-9-11
無言劇- 由木名緒 ...自由詩9*19-9-11
今からおよそ千年前に- こたきひ ...自由詩319-9-11
記憶- ひだかた ...自由詩919-9-10
黄昏れの道- 山人自由詩2*19-9-10
幻想楽園島- 秋葉竹自由詩619-9-10
丸い歩道- moote自由詩119-9-9
ソナー- カマキリ自由詩219-9-8

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