恋慕うこころは消えた
待ち焦がれた日々も

幻滅や
放棄でもなく
むしろ思ってもみなかった
あなたの言葉
「あんまりおまえさんがだれかを崇拝したら、
ほんとの自由は、えられないんだぜ」 ....
海に住む少女に会いにゆこう
大西洋の沖合いはるか

めったに船もとおらない
まぼろしの町へゆこう

アイルランド訛りがとびかうはずのタバーンには
看板娘のひとりもひつようだし

だれ ....
夏戻るやけつく日差し加減なし

いい女化粧さえ溶けている

紳士的?女見る目の偽善だよ

口説きたい気持ちはいつも凹んでる

ドスケベを悟られまいと必死だぜ

季語抜けてエロ抜けて ....
去っていく夏が感じられた今日、
斜光が大地を均一に照らし出し
涼しい微風が絶えず吹いて
僕は独り
夏の後ろ姿と入れ替えに
やって来る秋の姿を受け止めた

何もかもが遠く浮き立ち鮮やかにな ....
人間の3つの美徳を挙げるならば
柔和 誠実 ほほえみ

人間に3つの悪徳があるとしたら
傲慢 打算 ぼくみたいな飲兵衛

偶数が好き
奇数は不安定だから

きみもぼくも奇数月 ....
今日の月は電気みたいにピカピカ
お月様ははね 宇宙なんだ

君が言うから見上げてみる

眩しいなあ
今日の月
光が丸におさまりきれないよ

そうかぁ
ピンホールカメラなんだ
 ....
明日はどんな顔をして
ボクを待っているだろう
笑って迎えてくれるカナ
それとも怒って殴られるカナ
そもそも待っててくれるのカナ
こんな こんなボクなんか

ボクはどんな顔をして
キミに ....
都会のスピードに慣れようとして
おもりを外した身体で生きる

良く見えない星に掴まるよりも
ネオンの明かりが無個性に光り
次から次へと流れていくから
タクシーを止めるのが下手だった

 ....
きみの頑張りを
ぼくは知っている
ずっときみの側にいて
ちゃんと見てきたから
そうでしょう?

夕陽の沈むこの街並みに
オレンジ色の花が咲き
夏も終わりの優しい風が吹く
 ....
水に溶かした
これまでのこと

光に透かした
これからのこと

誰にも言わないのに
君は知っているから

明日よりも
もっと先にある
希望のベクトルで
待っていてくれる

 ....
月に、なにする?
月に、って?
吠えはしないで、
月に、嘆く? 

ああ、人生って、
嘆いたほうが勝ちだったっけ?
負け、だったっけ、生きるって?

子供のころ、
きっとい ....
幸せにするよという
約束とは違う

地獄の底でも
おめかしをして
腕を組んだり

傘を盾にして
絶望の雨から
君を守りたい

刻々と変化する
心の形を
交換しながら

返 ....
意味を為さない言葉の灯が
夜の行方を照らしている
歯並びの悪いひとりの捕食者
誰もいない街を割る白い瀧


涙の側を飛ぶものが
光を手のひらに受けている
もう発つものも ....
いちゃいけない人が
ここにいるでしょ?

あたしのことだよ、もちのろん。

ダメなのに、
こんなところにいちゃ、
嫌われるのに。

わかっていても、
どうしても
逃 ....
隙間




一杯のおっぱいに俺をふりかけて
パーティを開く 金で孫を買う
馬車馬のように働いた後は 孫を買う
誕生日プレゼントに孫を買う

引き金を引いたのは俺
イカした売女  ....
{引用=悪徳商法}
架空請求書が送られて来た
金額は自分で書き込むようになっている
魂の値段と 生の負債総額
その差額を生きている間に振り込めと言う

この後なに一つ善行をする予定はない
 ....
何もなかった
透明な関係性に
絵の具を混ぜて
色になりたかった

忘れるから
約束はしないという
約束だけ覚えて

どこへ行くつもりなの
連れて行ってとは言えなくて

縫い目が ....
恋の出口を飛び出して行った
君は人生ゲームのサイコロを振って

反省とか謝罪を忘れて
誰かの腕の中で眠る夜に

届かなくても張り上げた僕の声が
木の枝に引っかかり折れてしまった

幸 ....
僕らがきかされた
歌のやさしい結末を
たえまない線香花火の香りが
明日へいざなってくれる

誰も地面に灯る明かりを愛しげに
みおろしているのは
「そこにはみるべき花火があるだろ ....
次から次へと生えてくる緑この夜に
次から次へと消えていく琥珀この夜に
確かめなきゃ確かめなきゃ
消えてしまいそうな約束がヒラヒラ
舞っている舞っている

次から次へと育ててる緑孤独かい?
 ....
おばんでした。
はじめましてお久しぶりです。

私が私として、
あなたがあなたとして、
互いを認識しあったのは、
もう何度目になるでしょう。

あなたの顔が、声が、においが、
私の中 ....
一日を生きるための
命の値段を計算したら
給料じゃ全然足りなくて

死のうと決めた日の
電車はモノクロだった

東京に飲まれた人生
遊び過ぎて馬鹿みたいと
浮かべた涙が

今は光 ....
創造の小箱がきみの中にあるんだ
しこたまきらめきをため込んだ素敵なやつだ
誰にもさわれない特別な意匠がたくさん隠されている

想像の炎はときにきみを炙りあげるかもしれない
それでもそれを消さ ....
星の痛みで
香る車があった
黄泉では見るなと言われる
でも見る
「デモテープは聞くもんだろう?」
と言う異界か
詩歌を嗜む私
干し烏賊を食べる
胸の傷に拘れば
私は猫と別れざるを得な ....
 「あいばせ」とは会津の方言で
 「さぁ、行きませんか」という意味
 
 「いっしょにあいばせ」
  いっしょに
  あるきたい
  いとおしい
  ばかみたいに
  せつない
娼婦の臍の下に咲く薔薇のタトゥー
聖書を一枚ずつ破って巻紙にする
燐寸に踊る白い蛾のささやき
さ迷うオーブ雨の匂いどこまでも
――おやすみなさい


――追伸
あなたには太陽を
終わ ....
測れないものほど
求めようとした

譲れないものほど
守ろうとした

例えば君との最短距離だ
顔を近づける時に
輪郭を辿れば

地球の裏側にいるような
気の遠くなる一瞬を
秤に ....
この不安や焦燥が
単に薬切れの症状であることが
容易に察しがつくために
僕の心は余計に悲しい

実際には父母を失うかもしれない
状況も手伝ってか

何もかもタイミングとしては
これほ ....
線香花火の玉落ちて
地平の向こうは火事のよう
昼のけだるい残り香に
なにかを始める気も起きず
夏の膝の上あやされて
七月生まれの幼子は
熟れた西瓜の寝息させ
冷たさと静けさの
内なる潮 ....
月が満ちても、
暗闇を抜け出した
明るい夜であるはずであっても、

かたつむりが、
紫陽花の葉っぱに液をすりつける
雨の夜は、
けっして、月が見えないジレンマが
山頂より流れ来る白 ....
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