誰かが出ていった
後ろ手にドアを閉め
光の紙面に輪郭を焼き付け

誰かが出ていった

窓の外で知らない鳥が鳴き


鍵を開け
重い抑圧から君を逃がし

振り返るこ ....
雪のあと
空おだやかに澄みわたる

望みをひとつと問われれば
家族が健康で過ごせますように
儀式の火は燃え上がり
今日という実をはぜていく
紅白の餅は黒くこげ
昨年収穫した稲藁で編んだ ....
朝だと思ったらまだ夜中だった

漫画を二冊読んだ

雑誌を一冊読んであくびをした

傍観者たちに面白おかしく噂されては

おまえの名前をとなえて心をなぐさめていた

おまえを失いた ....
愛の鞭は必要か
そもそも愛する者を
鞭打つような愛があるのだろうか?

それを愛と呼べるか?

暴力は
最も原始的な言語だ
だからそれを用いる者達は
獣のようだと ののしられる

 ....
 
ノートの片すみに描いた {ルビ♡=ハートマーク}

それは恋だった


でも、愛は未だ描けないでいる



 
       夫の茶碗で朝餉を食す
       手に余る大ぶりな器に
       炊きたてご飯が湯気をたて
       バターが溶けて醤油がかおる
       虚ろに思えた ....
ほらごらん
転落注意のアナウンスを苗床に
こんなにもぞっくりと
生えそろっているひと群れを
午後三時のけだるい日射しが
彼等の弱々しい影を線路へと
身投げさせている憂うつを
ほらごらん
 ....
{画像=130126211558.jpg}


深夜目覚めて居

夜明けを待つ様

兆しを心待ちに

冷気を押し開く

其の様に憧れる

一つ二つと開く

満ちて芳し香を ....
いちご

私は舌を疑う

包まれたいちご 瑞々しく 飲み物いらずの 片手にいちご

甘さの加減のきいた されど棘のない 巧み搗かれた

小さな雪だるまたち

いちご

私は舌を ....
月は 水底から仰ぐ小舟
雲の向こうをかろやかに滑り


 だが本当は流されているのは雲の方 
 月は自分の道を行くだけだ


きみは 月のように生きるのか
風に流されることもなく 
 ....
誰を護るか鬼子母神
いつからなった鬼子母神
子供を喰らうか鬼子母神

ああ鬼子母神
とても淋しい名前

執着することでかろうじて神である貴方は
とても愛しい何かを喰らいながら
生きる ....
人の不幸の上には幸せは成り立たないこと

ガツガツしているといつもカスばかりつかんでしまうこと

しまいにはまわりも巻き込んでしまうこと

快楽は苦しみの原料であること

子供のためと ....
潮だまりに
奇っ怪な紫色の物体をみつけた
グロテスクな
おせじにも美しいとは思えない
そいつから
私は目を離せずにいた

素通りできない塊に
捉えられてしまった

学名 アプリシア ....
女は最後は開き直るいきものであること

不細工さや子供はときに油断をさそうこと

詐欺師は必ずしも独り身の美人とは限らない

子供はときに同情という囮に使われる

詐欺は慇懃無礼の最上 ....
道を歩いていて嫌になるのは
いつも いつも 枝分かれしていくこと

その中から ひとつを選ばなきゃならない
一番素敵な景色を見せてくれるのが
どの一本かも わからないのに

僕はそれに疲 ....
{画像=130121043544.jpg}


加齢臭がするオヤジがカリーを作る

 可成り美しく無い情景ですよね

  「市販のルーは好かぬ」などと
 ....
     鳩子よ

     おまえが生まれたのは寒さの残る
     春と呼ぶにはまだ早い季節だった
     忙しさにかまけ、放置していたベランダで
     気づいたときに ....
  
雪道を歩く
子どもの頃は
どんな雪道もすたすた歩けた
ふわふわの新雪が積もった道は
心躍らせ 雪を蹴散らし
わさわさ歩いた
湿った雪が積もった時は
足跡をくっきり残して歩いた
 ....
冬の落ち葉は屋根ですね
虫は春の夢をみる
柱も窓もないけれど
いのちが育つ
そのために
必要なものはそろってる
無用なものは何もない

あなたに家があるように
わたしに家があるように ....
娘と一緒にドラッグストアーに行って
「好きなものをひとつだけ買ってあげるよ」
と言ったら
「ホチキスが欲しい」と言う

「ホチキスならうちに二つもあるでしょ。
塗り絵の本とか色マジックのセ ....
仲のいいひととだけ

つるんでいられるは学生時代

気の合わないひととであっても

やってゆかなくてはならないのが大人の世界


新幹線のなかで二十分ほど寝た

すこし頭がすっき ....
{画像=130123163933.jpg}


とっても小さな赤裸

ちいさくおおきい命だよ

十日で立派に毛も生えた

おめめはまだまだ閉じたまま

けれどもきちんと判るのだ
 ....
冬の朝
道路に てぶくろが落ちている
手の形に作られた
左右対称のかたわれ
いつからここに取り残されていたのか
拾ってみれば
柔らかく凍えていた

{引用=ナイタアカオニ
アレハ
 ....
ガラスいっぱいに広がる黒に、

顔を寄せすぎるほどよせて、おさなごがさけんだ。



ねぇとおちゃん!

なんだい、坊?



問いかけられた髭面の男は

グラスの琥珀を半 ....
       夕闇迫る三差路で
       迎えが来ぬかと立ち尽くす
       逢えぬあなたに逢いたくて
       黒髪闇に溶かします
       紅い時が往き過ぎて
  ....
トルコキキョウ スカートを裾をひらゆらひらゆら させている
貴女と呼ぶべきかしら 幼い妖精の衛星が見える
貴女と呼ぶには 重力をあまり感じていない様

トルコキキョウ 月曜日に透き通る喉を 瓶 ....
スーパーの立体駐車場に車を入れて
そのまま買い物に降りて行く
おにぎりとお茶は持参だが
ちょっと甘い物が欲しくなる
ねらい目は見切り品コーナー


 大きなシュークリームが一個68円
 ....
雲が僕を抱きしめてきた
その胸元には雨の匂いがして
雷を飼ったその腹が ゴロゴロと唸りを上げていた

{ルビ霙=みぞれ}が僕に口づけをしてきた
全身に冷たい唇を這わせて
シャツの下までびし ....
       うす汚れた魂を
       夜更けに洗う
       洗面器に冷たい水を張り
       ひとつまみの塩でもみ洗う
       不信と後悔がにじみ出て
     ....
街を歩くと
人がいる

海を泳げば
魚がいるし

空を飛べば
鳥がいるけど

街には人がいる

たくさんの箱の中に
住んでいるし

たくさんの道の上を
流れているし

 ....
HALさんのおすすめリスト(1838)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
誰かが出て行った- Lucy自由詩13*13-1-28
どんと焼き- そらの珊 ...自由詩14*13-1-28
こんな孤独- 吉岡ペペ ...自由詩613-1-27
愛の鞭は必要か- まーつん自由詩8*13-1-27
愛は未だ- 殿上 童自由詩21*13-1-27
今日の空- 石田とわ自由詩9*13-1-27
遅延列車- マチムラ自由詩3*13-1-27
春待ちの暗中- ドクダミ ...自由詩5*13-1-27
姫君いちご- 朝焼彩茜 ...自由詩7*13-1-26
孤高の旅人- ただのみ ...自由詩21*13-1-26
鬼子母神の肖像- 梅昆布茶自由詩813-1-26
単純な原理- 梅昆布茶自由詩613-1-26
あめふらし- そらの珊 ...自由詩14*13-1-26
最近わかったこと- 梅昆布茶自由詩12*13-1-26
選択肢- まーつん自由詩9*13-1-26
華麗なる加齢(アホ)- ドクダミ ...自由詩4*13-1-26
おまえに別れを告げさせてくれ- 石田とわ自由詩10*13-1-25
雪道- Lucy自由詩14*13-1-25
小さなおうち- そらの珊 ...自由詩21*13-1-25
ホチキス- 夏美かを ...自由詩41*13-1-25
大人の世界- 吉岡ペペ ...自由詩7+13-1-24
うまれてくれた- ドクダミ ...自由詩7*13-1-24
かたわれ- そらの珊 ...自由詩9*13-1-24
白い糸くずの群れ。- 元親 ミ ...自由詩12+*13-1-24
逢う魔が時- 石田とわ自由詩9*13-1-23
トルコキキョウ_ひらゆら- 朝焼彩茜 ...自由詩11*13-1-23
なんかさめちゃって- ただのみ ...自由詩25+*13-1-23
氷原に舞う塵- まーつん自由詩8*13-1-23
洗面器にわたしが溢れるとき- 石田とわ自由詩32+*13-1-22
お散歩の効用- まーつん自由詩6*13-1-21

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