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物事には理由がない
セイレーン王は水柩から取り出す
私には理由がない
髪を乾かしながら水を飲む
物事はそんなに単純だろうか?
王と私は?
庭先に造花を植えている母は?

ずっと
 ....
娘の忘れたクマのぬいぐるみが
タンスに寄りかかって座っている。
窓から夕日が差して、カーテンがゆれていた。
私はオムライスの残りを温める。
あんなに大きいのをよく一人で食べたな。
丈夫なら何 ....
ビルから落下して助からなかった者は、いない
海から、泳いで戻った者はいない

廃墟になった港町に
一人の男が住んでいた
私が住んでいた

男は私は塩の濃い土を耕して
野菜を育てた

 ....
命を助けてもらったなら
大切にしなくちゃいけない

今日俺は獲物を逃した
獣と魚を一匹ずつ

あいつらは俺が乗り気じゃ
なかったことに
感謝してるだろうか?

そりゃあするだろ ....
灌木と雷雨を連れて町を出た
辺境には辺境の掟があるのだと怒られた

探査船に乗って星を出ると
ドーム内の環境シミュレーターで
雷雨は分析され、灌木は実をつけた

この確率は奇跡ですね、と ....
鍵がないことに気が付いて
ドアノブに手をかけると
抵抗もなくドアは開いた
一度振り返ってから中に入る
靴は脱ぐべきだと思いながら

リビングにつながるドアを開けると
見たことのない女が水 ....
命が終わるの言葉

死後の世界を信じていても
私がそこに行けるとは思えない

家まで歩いて帰ると
2階の窓からきみが外を見ていた
帰り道に迷わぬように
アメを落として歩いたきみ
心のかけらが落ちました
月に浮かんで
消えました

空からふった銀のかけらは
どこかの星のきみですか?
銀河通信は遠いので
心にリボン ....
一枚に千切れた紙と名を書いて
繋ぎ合わせた父と母の名
愛するものが未来にあって
そこに私がたどりつけないとわかったら
なんて
当たり前のことでしょう?

愛するものが過去に埋もれて
もう私にはとりかえしがつかないこと
くらい
知っているか ....
放しても
飛ばず撫でると
目を閉じて
ささやく声で
甘えて鳴く
「じゃあ、このスピーカがとまったらどうするの?」
「はい。だいじょうぶ。スピーカがとまったことを知らせるスピーカが鳴りますので」
「もしそれも鳴らなかったら?」
「窓の下で網がひらく仕組みに ....
きみからの
手紙にあてた
水蒸気
他にもなにか
あると思って
スーツケースに座って
迎えの車を待っていると
これから旅立つ人たちがいて
不思議

一秒のすきまもなく
誰かが空の上にいて

未来を保留し続けていく
深海の
砂一粒が
目を閉じて
魚の夢を
透明にする
「いつからこのようになった?」
「そなたは強くなりすぎたのだ」
「多くを見捨ててか? だが、今の私であればそれすら取り返せるだろう」
「今のそなたなら。あるいは」
「おまえは信じてはいまい?」 ....
道に慣れない私は木立の中を歩く
足の下で枯れ葉がカサカサと音を立てて
それを拾い上げるように爪先を浅く入れながら通り抜ける
ひとつ、ふたつ、カサリ、カサリ、枯れ枝を踏む
川の水を水筒にいれて冷 ....
私の母は
きれいな泉の水でガラスを作って
私が生まれたときに父さんが植えたカシミで輪郭を作って
枝とツタと黄緑の実で飾りつけて
窓を作った。

いつか家を建てたときの
子供部屋の窓につか ....
教会の裏手にある墓地でやさしい墓守が
土を掘る音がきこえる

冷たい海の底で体温を失った蛇を
埋めているのかもしれない

カーテンをそっと指先でずらして
覗いてみる

新しい銀河が生 ....
松の葉が
ささった髪が
うれしくて
飛び跳ね回る
きみとカエル
月末からとても寒い日が続いたから、隣の留学生のマナが
buy&sellで古い電気ストーブを買ってきたよ、と嬉しそうにみせてくれた

「タイはこんな寒い日ないよ」
「ちゃんと隠して使うんだよ?」 ....
セットの中の港は、別の映画の城塞都市が映り込まないように
南の湾頭に作られていた。
粗末な麻の半袖を着た少年が靴磨きの練習をしている横で
ドレスを着た女の子が心配そうに台本を眺めている。
 ....
魚には
冷凍船の
眩しさが
遠い海鳴り
故郷のひかり
絶え間ない雨が静けさと共にやってきて
見下ろす街路を濡らしていた。
ガス灯は霧にかすみ
木々は風にゆれていた。
音もなくわたしは窓に触れ
祈りの言葉をそっと呟いた。

ストーブの薬缶がコ ....
太陽が
消えてもきみは
キスをして
8時間後に
メールしてくる
どこか遠い国に隕石が落ちて大変だったらしい、と
地面に広げた新聞紙を父さんが読んでくれている
僕はその声を聞きながら

イカれた導力エンジンの分解に取りかかる
それはもう何十年も前の新聞 ....
雨空の月曜日。

昨日のうちにホテルに移動。今回は荷物が少ないので楽だった。
フロントで部屋着を貸してほしいというと、
そのまま外を歩けそうな暖かいローブをくれた。

今日もいつもと何も変 ....
花のような実際さで
ただ胸を一刺しするだけで

そんな考え方しかできない
僕らはもう助からないね

レブラント川に流されていく
花束と柩の航跡が
いつまでも心に残るようには

 ....
目の前に海があった。
白く塗られた桟橋を、水着の上に服を着た人たちが歩いていく。
コーヒーカップは私の皮膚を透過せずに、指先でとどまっている。
すれちがいも融合もせずに、触れあえることを不思議だ ....
高梁サトルさんのmizunomadokaさんおすすめリスト(29)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
phenomena- mizunomadoka自由詩311-3-29
remainder- mizunomadoka自由詩211-1-20
who_did_not_survived- mizunomadoka自由詩311-1-19
eggman- mizunomadoka自由詩410-5-19
new_supernova- mizunomadoka自由詩410-5-19
empty_rooms- mizunomadoka自由詩310-5-17
4:30_am- mizunomadoka自由詩110-5-17
silver_fragment- mizunomadoka自由詩410-5-15
wanted_to_call- mizunomadoka短歌410-5-15
farthest_love- mizunomadoka自由詩410-5-15
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norm- mizunomadoka自由詩110-5-8
ps- mizunomadoka短歌310-5-7
who_is_it- mizunomadoka自由詩310-5-6
aquamarine- mizunomadoka短歌610-4-27
knight_of_diamond- mizunomadoka自由詩2*10-4-19
flaw_flake- mizunomadoka自由詩310-4-19
fairy's_window- mizunomadoka自由詩210-4-16
cemetery- mizunomadoka自由詩310-4-16
夕立- mizunomadoka短歌210-4-16
time_for_dinner- mizunomadoka自由詩210-4-15
サンタバーバラ- mizunomadoka自由詩510-4-15
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far_into_the_night- mizunomadoka自由詩2+10-4-13
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