反芻し過ぎて擦り切れそうな程ささいな逢瀬
回想から想像に変わる
あなたの表情より手のひらの感触が伝えてくれる
淋しい言葉は口封じされる
甘く甘くいるためには2人は申し合わせない ....
もしも ぼくらに子供ができたら
なんて名前をつけよう?
おとこのこだったら おんなのこだったら
もしも ぼくらに子供ができたら
宝ヶ池の こどものらくえんに行こう
BALの地下に行こう
....
夜を待つドライバーが眠る
黄色のタクシーが連なる駅までの道
すれ違うのはいつも仕事帰りの疲れた
サラリーマンかOL
しみったれたこの通りとも今日で最後なのだ
花束には真冬に不似合 ....
仕事の後に飲む酒はほんと天国だな
そう言い放ったあなたの黄色いTシャツにデカデカと
Go to HELL!と書いてあるのはなんとも粋なんだ。
最近腹減らないんだよなあ
そう言い放ったあなた ....
絵本の中に
入れたなら
ふんわりと
つつまれ
森の中
どんぐりをたどると
お菓子の国
ケーキの街を
クリームに
口づけしながら
歩く
ガーネット色の
飴だまが
キラキラキラキラ
絵本の ....
あしがいっぽんしかなくなって それでくるくるとおどります
すいそうのひろさは はじめから わからない
ひれにみたてたながいそでのふくは まわると とてもきれい
すそも まわるとまとわ ....
一日についた溜息の数
戯れに数えてみた
一昨日で七回
昨日で十回
今日は八回
忙しさに比例して
楽しさに反比例して
寂しさとは関係なく
溜息の数だけ
幸福が逃げるんだよっ ....
おまえはきいろいねとむかしいわれた
そういうあなたはびょうきみたいとしかえした
あうたびにだきあっていたから
わたしたちみえなくなってしまって
わたし
ひこうきでかえってきたの
きみは ....
病院玄関前に
雨上がりの路上に
いちばん風が吹いていた
折れたアンテナが 屋上で
ひとりでに揺れていた
午前5時37分、街灯が消えた
ヒューズが飛ぶように
鳥が飛び立つ
宥めす ....
忘れないで居ることが罰
そう言った私を、
笑った貴方は今
海に赤い灯をまだ燈して
どこで何をしていますか。
明日も忘れないよう、
罪を反復するのです。
黒い海をま ....
やってみたいことはたくさんある けれど、
やっておきたかったことも、たくさんあった
高く、空に流れていった最後の校歌と
旅立ちの、握りしめたら少しだけ痛い
金釦のような歌
それらをいいわ ....
スカートに挑戦してみたのは
昔からずっと憧れていたから
単純な理由じゃない?
生物学的には男らしいけど
ピンク色や化粧が好きなんだ
別に普通じゃない?
趣味は人それぞれなん ....
みんなに忘れられ
でも咲いている
ひとりぼっちの
青いムスカリ
小さいけれど
顔をあげ
通り過ぎる君に
話しかける
ぼくはここにいるよ
春がやってきたよ
青い空を夢見て 目を閉ざし
僕は ずっと待っていたんだ
春が僕のもとへ やってくるのを
春が来て あたたかな陽と優しい風が辺りに満ちたら
その時 僕は目覚め 大きく花開こうと思って ....
僕は
君の存在が永遠で
ずっとずっと僕の側で
微笑み続けてくれる事を
信じてきたんだ
だから
暖かい言葉や
甘い言葉を
言わなくてもいいと思ってきたんだ ....
彼に捨てられたんだって?
二股かけられて遊びだったって言われたらしいね
泣いてるの?もしかして傷ついた?
本気だったんだ?
馬鹿だね、お前は
ほらこっ ....
混沌の中で
古ぼけた
言葉を
ならべて
煤けたダンスを踊る
明日のことは誰かが?
目の前で
見せつけられても
僕は首をふる
子供みたいに
膝 ....
不思議だね
見ているだけで 胸がいっぱいになる
その笑顔は 元気と涙をくれる
ただ
触れることのできないことに
慣れてしまうのはヤダ
左目から涙がこぼれた
ぼくは寝返りを打ち
涙は左目に戻る
涙の行方も
時に気まぐれ
ひとはせつなくなりたくて
ちいさな過ちを犯してしまう
せつなくなりたくて
きょうもひとは旅を続けている
今宵
僕らそれぞれに瞬く星が
いい星でありますように
....
海は凪いで
時折水面の灯りが膨らむ
こんな場面に身を置くと
ゆめを見たくなる
会いたい、の裏側にある
まだ微熱を残した感情から
目を背けずに
鞄ひとつぶんの希望を詰め込んで
夢のつ ....
2007/02/10
ぶり大根のように
生臭くて
柔らかい物が好きなんですよ
歯がないお年寄りのように
笑顔を漂わせて
見知らぬ人が挨拶するから
....
君の手をとればよかった
そうやって差し出された手を
やさしく つつめばよかった
君の頭をなでればよかった
いつものように手を伸ばして
やさしく 触れればよかった
少しだけ そうした ....
もしもこの手の
指が6本あったなら
もう少し
白く小さな君の手を
しっかりつかんでいれたのかな
もしもこの手の
指が7本あったなら
もう少し
離さないでと言った君を
ぎゅっと ....
蒼い月の優しい光
心を照らす言葉たち
世界は自分の中に存在ると
気付かせてくれる
それが自己満足だとしても
ただの独りでも共感出来れば
価値のある空間
幕が上がり拍手 ....
小高い山の社にて
夜の高速道路の唸り声は
木々を通る風になり
無音が聞こえてくるだけです
いつか寝そべった石畳に
今日はあの子が跳ねています
だけど無音が聞こえます
ここ ....
煙草をくゆらせていた後姿
今朝ふと思い出して微笑む
何を信じればいいかわからず
言葉に傷つき自信をなくしていたの
私の笑顔を慈しむように見つめて
決まって後ろから抱きしめる貴方は
どう ....
気づいているだろう
あのときの
以来
僕らは
何もかも奪われる運命にあるのさ
気づいているだろう
身体もこころも
気持ちも何かを
剥ぎ取られるような
痛みを感じているって
....
光をついばむ音のほうへ
川は流れ はばたきを描く
光をそそぎ
光を削る
下へ渦巻く緑があり
土に斜めにつらなっている
硝子の洞へひらく緑
わずかに金の森を映して
....
いつものように
斜にかまえ
じっと待っているきみ。
ころころ降りてくる色を
とらえようとしている
飴玉に射し込む映像は
砂漠を転げながら歩いている
あさってのぼくら
抱き合っていても
....
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