水に音がする
今日、記念日
心臓がヒトからヒトへと
伝染していく
いくつもの屍をまたいできた命が
測量会社の裏口を叩く
内から命の返事がある
シャボン玉は飛ぶ
空へと延びる ....
AKB48の小野恵令奈ことえれぴょんが
今夏限りでAKBを卒業する
そんな夏なんだ
買ったときは三十センチほどだったマングローブの木が
もう一メートル近くに育った
葉を触ると
つるつる ....
1
その大いなる人々は
歌声と一緒にやってくる。
峰峰に雪を戴いた白い山並を越え
覆い隠すような人数で
その歌声と一緒にやってくる。
誰かのために歌う訳でも無く
止むことのないその韻 ....
おまえの不在と
おまえのそばにおれの不在
見える世界に傷つけられて
見えない世界で痛みと自失
だから幸福なんてないんだと
だから永遠なんてないんだと
うそぶかな ....
ひとりで生きてゆけるように
おまえはつよくなろうとした
一喜一憂しないように
おまえはいつもひとのために祈った
オレなんかと出会わなければ
おまえはふつうを手に入れていた
日になん千回も ....
きれいな部屋
テレビから伝わってくる
澱んだ空気
....
汽笛が鳴って観覧車が発車する
ゆっくりとした速度で空を進む
向かいの席に座った初老の女性が
リンゴを剥いている
いかがですか、と勧められ
親戚でも無いのに半分をいただいた
リン ....
{引用=
音源:http://www.myspace.com/slymelogue
}
あしたてんきになあれ
ふたりでデートにいこう
きょうは週末ハッピー土曜日
いっしょにあそぼっ ....
あの日、あなたは逝ってしまったと
聞いた
ぼくはドーン・グロウの朝焼けを
小さな宝石にして
ポケットにしまった
憎しみは残り続けるかもしれない
しかし、憎しみとはなんと
陳腐 ....
君よ
君は
どれだけのものを
あたしに
おしえてくれるんだろう
うまれてから
ずっと・・・
君は
わずか小5で
あたしの相談相手
中学生になったら
もう
り ....
ぼくの命のともし火が消えるとき
ぼくはぼくの身体を南極の雪と氷の世界にうずめたい
あの長たらしい弔いの儀式に
窮屈な棺のなかでつきあわされるなんて、まっぴら
あげくには数千度の炎にやかれるなん ....
早く行け早く行け
黄金郷へ
辛抱して
待つ待つ待つ
苦労は買って出ろ
前進するのみ
気を奮い立たせ
いつも笑顔で
来るものは拒まず
去るものは追わず
ギャテイギャテイ
悟 ....
耳を立てて
虹の匂いを嗅いでいる
そのとき
雲を背負って
ぼくらの原始人が現われる
原始人はときどき血痰を吐く
ひそかに獣を食ったのかもしれない
あるいは体の中に獣がいるのかもし ....
ムンとした暑さ
もう4時だとういうのに
熱気が引かない
都会のコンクリート
娘の夏服を買いにいく
まさかの連続定休日
一点買いなのに
レジは長蛇の列
ネットカフェの
パソ ....
焦げついた喉の奥に最も暗い夜がある
野犬逹が吠える
それは肺のもっと奥の方
何処か雲で霞みがかる月
歌いだせば
全ては煙のように這いで
誰の耳に入ることもない
それは誰に ....
太った女の子が座る
通勤電車の車両接続部
近くのシルバーシート
彼女の平面図は四角柱。
正方形二枚で蓋をした
立方体に近い六面体
車内温度は高い
弱冷車両だが、人の数は多い
....
何も思いうかべることのない
壁の中で
風をしたためている 気がする
恐らく そうなのだと
風の中でページをめくり
立ち止まり 彩りを
見つめているとき
草の色の 内側に
呼吸を ....
大きな空の真ん中に
言葉にならない穴があって
その奥の色は群青色で
いろいろなランプが
つり下がってる。
いつでも自分は一人なのですが、
このごろますます一人なので、
言葉に ....
役割を与えられた人達
演目は幸せな家族
食卓に並べられた偽りや馴れ合いといった不純物を
インスタント味噌汁で一気に飲み込む
母親は給料が少ないと文句を言いながら
昼食はエアロビ仲間と焼肉 ....
しなければならない事
それは
靴底を磨り減らす事
それは
足跡を固める事
それは
書簡を認める事
先に潜む物を
胸の奥深く捕らえよう
週末には
ビー ....
散らかったペットボトルを潰す行為
吐き散らかす罵声は
好き
の羅列
嗚呼サミシイヤ
カナシイヤ
大好きだとは言えないまでの感情を天秤に
何を片側に乗せるんだい
....
何度言えばいいのだろう
さようならを
何度私に言わせるんだろう
さようならを
これからも
何度言うんだろう
さようならを
さようならなんてたった一回で ....
十四の夏
ぼくは夢を持つ一人の少年だった
校舎裏で友達と集まって
互いの夢を語り合う時間が
たまらなく濃密で楽しかった
その時ぼくは
自分の持つ可能性が現実だと
強く信じていた
....
私はとても疲れている
世界を歩くことなどないままに
夜としての流れを見ているように
光であることを感じている
この光の向こうで 夜として存在し
風となって吹いていることだろう
私は食い ....
僕の目の前で
新しい太陽が産声を上げる
またこの土地で
新しい一年が無事に始まることが嬉しい
昨日
ボーリングしていた井戸から
やっと水が溢れてきたよ
新鮮な真水を
無 ....
郵便が届く
土間には闇が煮凝っている
突然降り始めた雨が
突然止む
いつでもそのようにして
決定がなされる
封をした血
もしくは黒い布
もしくは蛇の地図
砕けた枯葉
ば ....
どこまで行っても札幌だし北海道だし日本だし夏だし六時だしお腹は空いてるし
なんにも変わるわけがない
皆はこれから何があるんですか?
楽しい事ですか?
悲しい事ですか?
私には何にもありま ....
曇った硝子窓。
向こう。
記憶。
ブランケットで身を包みながら、探し物。星屑、蜂蜜。水煮の缶詰。
そして、おやすみなさい。の、声。ため息、一つ。
あたたかい事から思いだしてし ....
ここではいつも
少しずつ違う絵が描かれている
だから
少しずつ違うことを忘れてしまう
垂れ流した絵の具が
しがみつくようにして
一つの記憶になる
曖昧な残像に縁取られて
一 ....
愛をもって
夥しい量のそれで溢れる
愛を口にする
受け止めきれない体は
玉の汗と息を止め
真っ白な愛に拒否反応を起こし
私を殺めてしまう
愛をもって
悍ましいほどのそれを湛えた
....
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