しらべ しらべ
まわり めぐりて
メビウスの知恵の輪ぐるぐるり

二丁目の角を曲がって十字路を右に行った先の小綺麗な喫茶店の階段を登っていったら
あの子が笑いながらぼくにウィンクをしていつ ....
最近あの娘が構ってくれないものだから
部屋には安いウイスキーの空瓶ばかりが転がってるよ
おかげでここ何日か体が重たくてしかたないんだ
電気ブランを飲む気にもなれないし
誰かジャックダニエルでも ....
梅雨の季節に君に遭い
雨の中の紫陽花に君をみた
幾重にも重ねた肺胞の中に
君はすべてを吸い取って
僕は君の吐息の中に埋もれた

暑い夏が来て
君の髪から砂粒がさらさら流れ
僕の耳に入り ....
にっぽんをさがしに
おおきなまちにやってきた

おなじふるさとから
おなじくにをさがしに
このまちへ
じぶんをさがしに

あるひとは
まちのひとになり
あるひとは
ま ....
森までの距離を
歩幅で数えていくうちに





迷う





湖水に漂う
伏した息

生きて
曲がる枝




崩れそうで
救われそうで


手 ....
責任の自覚ではなく

貶めた先に

何かを望むから
 
私の
脳天

ゴー
という音が
響くのです

全て
貫く

ゴー
という音が
響くのです


明日に恐怖し
昨日に焦がれ


私の
脳天

ゴー
という音 ....
遠くまで行こうと
行きたい場所まで行こうと
歩いている
ながいあいだ

誰かがきて
話しかけてくれる
嘘を交えて
ながいあいだ

声、オーロラも見つけてくれない場所
反射する ....
{引用=







とても固い結晶が
流水よりも早く融けるのを見た

蒸発したあの人の姿は
あの人以外の誰も知らない



釣竿を垂らして
静かな時間と彼方に見 ....
 
 
カバンを抱えて人を待っている
いつしかカバンから手足が生えてくる
カバンに抱えられる
私の手足は引っ込む
カバンが私のファスナーを開ける
あんなにあった体の中身がなくなっている
 ....
冷蔵庫を開けて 牛乳を探す。
パックの底が反抗して牛乳が漏れていた。
紙でできた冷蔵庫に滲みこんで
床まで白くなっていく。
足元までせまってくる白い波に
足の親指たちが浸りそうになった 
 ....
貧しい公園の貧しいベンチで
貧しい僕らが座っていて
コーヒーをひと缶
分け合って飲んで
だけど、愛だけはあるから
寂しくはないよ

お金が入ったら
二人で公営の団地に住もう
そこには ....
  歓びの光を食べて
  すくすく笑う
  痛みの雨を呑んで
  それでも笑う



  初めは小さな種だった
  それがだんだん根を張って
  それがだんだん茎を伸ばし ....
ZEROになってしまった
プラスじゃないけれど
マイナスでもない
また始めるための 目盛りZERO

雑音を無にして 始点を裸足で立つ
他人の物差しは要らない
1目盛り1目盛り 心を打つ ....
高熱で溶けたアスファルトをのた打って泳ぐ一匹の亡霊
髪はなく眼球は薄く霞みおそらくはなにも見えてはいない
肉はなく皮は骨格に張り付き伸ばす腕に力はなく
声もなく心もなくだけどそ ....
少年は淋しげな木に 小さな言の葉を飾り付けた
少女も 紳士も 婦人も 老人も 通りがかる人達も
小さな言の葉を飾り付けた

不揃いの言の葉が瞬く
誰もが足を停めて
それぞれの言の葉で暖めた ....
きみの若さは
何ものにもかえがたい
それだけで美しい
だから
そんな風に
人波の中に
埋もれてしまって
どこにいるのか
わからなくなって
しまうようなことはしないで

きみは
 ....
飲食店の研修二日目 今日で君に会えるのは最後
休み時間に何度か喋って 仲良くなったその流れで
連絡先を渡そうと メモにアドレス書いたのに
最後まで渡せなかった 宙ぶらりんの紙切れ

僕の恋愛 ....
男女三人の関係
男は疲れて外角にもたれかかる
女は胸の内角がつまる
男は言い当てられた図星が鋭角に突き刺さる

この不埒な関係をどなたか証明できるかい?
ヘロンも答えられない
ガラスで出 ....
もう二度と行かないし
もう二度と帰って来ない
フェリーの二等客室に籠りっきりで
俺はずっとノートに言葉を書きつけていた

海の色はクリーム色
世界は脅威だ
俺の知っていることは
世界の ....
眠てーときも
悲しーときも
そうやって暮らすのが正解だ
ぶち壊れたサウンドはお手の物
それだけしか出来ないまま
ギター歴十年
ギター歴は十年

歪むのが好きだ
そればっか増えてっ ....
  きいてね。
  きいたこと、あってもね。
  うるさいだろうけど、ね。
  ねぇ、きいてね。



  きいてね。
  その耳たぶでね。
  もっと奥のほう、
  まごころ ....
雛菓子をつまむ指先の
その感触は
母さまの温もり
 
ひとつまみ
もうひとつまみと
雛の飾りから拝借する君の
{ルビ当=あ}て{ルビ所=ど}ない{ルビ戯=たわむ}れは
長き ....
身体の中の気の流れを
頭のてっぺんから放出する
身体にとりついている雑多な生き霊たちが
いたたまれすに身体から離れてゆく
このときに肩から背中にかけて
身体は痙攣する
しかし気分は悪くない ....
  空色の
  ポリバケツに
  堆積する



  首を
  寝違えた詩人の
  寝違えた詩



  綺麗で
  あくまで綺麗で
  読む気がしないほど綺麗だっ ....
  春の
  壜に
  沈澱した
  メトロノーム



  歌は
  亡い
  右往と左往
  ちくたくたく
小さな種を
たくさん産みます
穢れた川の中で
震えながら
産み落とします

跳ね反った
光の空は
青いですか

失われた星の色は
私には
見えません

溶けた結晶で
でき ....
言葉にならない言葉で

君に伝えた たくさんの音


こんにちは さようなら
はじめまして またいつか


夜は朝と出会って

日暮れは朝焼けを夢見て


おやすみ ....
雨降り、水かさが増し
がらっぱどんは山々へ

今は雨降りの前の時間
落ちてくれば雨降りの時間

霧島から太陽がのぞくころ
がらっぱどんは休みます

今はまだ雨降りの時間
これが止め ....
  まんまるい
  月の照る夜に
  凍てた川を跨ぎ
  去ってしまった者へ



  まんまるい
  陽の照る朝に
  そこらじゅうの鏡に
  閉ざされた思いへ



 ....
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