感光
iloha

いつものように
斜にかまえ
じっと待っているきみ。
ころころ降りてくる色を
とらえようとしている
飴玉に射し込む映像は
砂漠を転げながら歩いている
あさってのぼくら
抱き合っていても
打ち寄せる波には気づかれない
でも、
堤防の断面に
しっかりと焼きついている
間違うことのなかった笑顔、
寄せ合う袖口、
傾く肩甲骨//」
赤く偏光していく瞳に反射して
染まってく産毛に
長すぎた空白の時間が感光している。
その、ざらついたマチエルのまま
つながった人たちの間に
沈みこんでいく
黒い髪の重力。


自由詩 感光 Copyright iloha 2007-01-23 00:52:33
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