砂浜に続く小さな花に
潮風が囁けば
あの日の
僕らのはしゃぐ声が
遠く、
残響していて
ふいに、
よせる波が
すべてを打ち消した
....
手が
手が震える
震戦は晴れた九月の夜みたいだ
明確で 間違えようの無いことを隠してる
爪の先に焦点を合わせられなくなって
初めて不便だと思った
逃げる者追う者も
僕には同じ ....
彼女と仕事をしてると楽しかった
たぶん仕事が終わればそんな気持ちもなくなるって思ってる
ぼくはクリエーターだ彼女は実務をしてくれてる
この広告の小冊子づくりが終わればチームは解散する
ちょ ....
開かれてしまったら
もう、あなたには見えない
最後に映るわたしは
どんな
顔、なんだろうか
まばたきのシャッターを閉じて
(すとろぼが、みちて
それから
。 ....
期限切れの“愛してる”
捨てきれず抱いたまま胸の奥で微かに揺れた
ハッピーエンドは架空の生き物
期限を知らない
物語の中の
風をひとにぎり
テーブルに集めて
太陽のひとかけらを
ポットにそそぐような
やわらかな
白い花を添えて
そうして
優しく
わらうのです
しあわせは
こんな場所にあると
私は思 ....
「届け!」
そう思い投げたボールは
砂ぼこりの中へ消えていった
小さな少年が織りなした
短い物語は
誰の心に届くこともなく
彼の心の奥へ消えていくのだ
少年 ....
朝起きて
朝食もそこそこ
新聞開らけば
頼んでも無いのに
暗い時代が
飛び出して
今日もスタートで
躓いた気分
思えば
暗いの明るいの
今日も昨日も明日も
会社でも学校で ....
神様哀しいね
なんだっていつも僕たちはこう
目をつぶることでしか逃げられないの
チョコレートは好きだけど
チョコレートケーキは嫌いなあの子の
公告を貼り付けた電車は
今日もがたんご ....
aciddrop
霧雨が降ってきて、網戸の外はキイロのクレヨンの油の匂いがした
カラスアゲハの交尾細工の秒針がカッチカッチ音を立てていた
「私の弱みに 付け込んで、犯してください」
....
桑田佳祐から長渕、
そして原由子
自分に流していく
それへ、なにもかもに
精密採点
でもいいじゃないか
怒鳴り散らすマイクの
カラオケボックス
音楽にかまけ
忘れて歌謡曲を
....
嫌だから
向き合う
追わないけど
逃げない
ハートがいっぱいで
あなたへの想いが
わからなくなりました。
あなたからの想いも
わからなくなって。
すっきり整理したくて、
でもそれも虚しくて。
それでも
明日を迎えるために
きちんと整理し ....
湖を散歩すれば
小鳥が景色で鳴いていて
枝葉がのばした手をそよいでいく
ぼんやりどこかへつま先を出すと
釣りをしている人を見かけた
道を見晴らして歩いていると
風が吹くたび小波が ....
始まりの音はいつも
水面に落ちた一滴
442Hzの{ルビA=アー}
完全な調和
人は昔から
その中に神を見る
終わりの音はいつも
Z型の{ルビ雷=イカズチ}
442Hzの{ルビA= ....
ホームクリーニングエマールで
セーターと靴下と下着を一緒に洗う
独り身の中年オトコ
寂しい
そう連想したヒトは
独り
イコール
寂しいと
思い込んでる寂しいヒト
....
寒い寒い しんと冷えるね 今夜は雨か霙(みぞれ)になるらしいよ
肩が冷えて 体がカチカチだよ まいったな つま先はチリチリしているよ
だけどマッチの火みたいに私の心臓は燃えているよ
....
(夢を見た)
ひた、ひた、ひた、
静かな輪を描いて波紋が幾重にも広がる
光だけが生きているように満ちて来る
ひた、ひた、ひた、
夜の岸辺に足先を濡らして
何ものかが生まれるのを見て ....
どうしようもなく淋しい
だから、
今夜も寝てしまおう
電源を消して
寝てしまおう
鳴るわけないと
納得できる状態で
『オヤスミナサイ』
.
言葉がひどく群れて
どどぅ どどぅ と
目下を蹂躙し始める
隣では、哲学やらモラリズムやらが
うなだれて枯れている
行き場の無いまま
どこに向ければいい、幾多の銃口を
....
髪がざっくりと伸びてきてとても眠い
車中のキスはとても甘くて
大音量で天野月子が歌っている
どうしてもやらなければならない事を
とてもとても考える事を
とっても大事にする事
僕はま ....
スイカ種 ププッと飛ばす 人の顔
スイカ割り 叩いて気づく 頭かな
スイカ割り 割れた姿は 流血事
こらカラス 俺の西瓜に 手を出すな
すいか待ち カラスに喰われ こんちきしょう
....
懐かしい声から
その表情が見える
突然消えたその人は
数奇な人生を送り
普通の人生では
見ることのない風景の中に生きた人
老いた目蓋の奥に
鋭い瞳を覗かせて
奥底から笑 ....
野菜スープを
朝食と同じように,出す
雨は止み、妻帰り来る
夕食時
木曜日は絵を描く日
薔薇を四輪
妻にはまだ見せぬ
二人で外へ、傘をさす
雨の木曜日
木曜島という ....
少し前まで{ルビ賑=にぎ}わっていた
デイサービスのお年寄りが帰り
部屋ががらんと広くなった
{ルビ掃除=そうじ}の時間
いつも掃除機をかけるおばちゃんが休みなので
「じゃ、俺 ....
夜になったらねむくなるのはすてきだ
きもちいいだるい感じなんだ
もしイライラして空気がビリビリしているなら
そのささくれがしおれるのを待つことだ
ただそのささくれが治まらないなら
そ ....
駅のホームに
四葉のクローバーのペンダントが
落ちていたので
思わず拾い、ポケットに入れた。
幸せというものが
一体何なのか・・・?
未だに僕は、わからない。
四葉 ....
悲しいけど涙が出ない
そうだ涙を作ろう
目の奥の真っ黒
ぎゅぅっと搾って
布でこして
まさに雀の涙です
そっと飲んでみて
私の 痛み 少し 分 か る?
でもね作っ ....
俺のドラゴンボールが火を噴くぜと
若い男は股間を指差して叫ぶ
彼はセーラームーンを求めていたのかもしれない
三日月ではなく満月の戦士
いつかはクレヨンのような子どもを産んでほしい
短くな ....
オリオンが
その名前を残して隠れ
朝は針のような空気で
小鳥の声を迎えうつ
わたしは
昨日と今日の境目にいるらしく
まだ影が無い
太古より繰り返す冬の日
あたたかい巣箱から
掴み ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49