読みかけの本を閉じて結んだ髪をほどく
夜は音もなくすべってゆくベルベット
やわらかに{ルビ項=うなじ}にまとわりつき


わたしは旅に出る 夜の時間に分け入り
夢の中で出会ったあなたに会い ....
読んだふりして投げ出した恨みも捨てにブックオフ

いまさら人生の意味なんてと言いながら尾崎豊を聴いている

じゃんけんに勝ったら寝るよと言った娘のおそだしのズルを言えなかった夜

恋人にな ....
一晩中、激しい雨が降った。
雨は真っ暗な夜に
孤独な白い家の屋根をたたき続けた。
妹のミリアムは雨の子、言葉を失った子。
なにがそんなに悲しいのと聞いても
なにも答えない
理由がわからず泣 ....
熱を帯びたむず痒さが
背中の真ん中あたりから
尾骨に向かって這い降りていく

机の上の観葉植物の彼方に
白い砂浜が見えたことにして
遠い目をしてやり過ごす

生まれた時から猫背の内 ....
固く強張った叫びの表面から
水が剥がれる
一枚の皮膚のように
音もなく
樹齢千年の眼差しに救われて

水は
季節の波紋を揺すり
懐かしい演奏を軸とする
流れと
陽光の到着を待ちなが ....
いとは紡ぐ

いとはのびる

いとは結ぶ

いとは繋がる

いとはほどける

いとは絡まる

いとは切れる


それでもまた


いとを紡ぎ

いとをのばし
 ....
 
もしも鳥だったら?

あたしゃ、きっとペンギンさ

灰色の空を見上げるだけのペンギンさ




 
青い海、青い空、波の音
バシャッ人はいっぱいいるのに静かだ
ウェルテルの背中が小さくなっていく
愛せなくなることに怯えて
幾度と無く人は追い求めて

人は空を捨てきれず
荒れ野の空を
靴も履かずに
裸足で駆け抜けて

心の空が
家族の溜息を ....
風を浴びて暮らそうよ
室外機の熱風ではなくてさ

木々が日差しをさえぎって
しっとりと冷ややかな土が冷ました風
暗渠ではない川の水面を
きらきらと輝かせながら吹いてきた風

蓄熱するア ....
 
あなたへ直線をひけないので

円をかく

今日も円をかく


 
小さな子供のやわらかな髪を
指でやさしく梳かすように

風は愛撫する

幼いころから見慣れている
名も知らぬ野の草花を

市営住宅が建ち並ぶ
隙間の小さな芝生の上

心地良さげに ....
うちの孤高の戦士はいまベランダでひなたぼっこ
あえて妄想中とは言いますまい
ときどきかれの誇り高きぶた猫の本能が
のねずみやのうさぎの後姿をおもいだすのかもしれない
それとも昔の彼女の寝姿か
 ....
読みつかれて ふと
雨音に包まれて

物思いに耽る蛙と
草むらに潜む

文庫の中は
土砂降りの文字
連なり意味成し物語り
意識下に滲み濾過されて

何を読みたいわけでもなく
 ....
買ってそのままにしていた自由帳が腐っていた。白い紙がずうっと続いていて白く腐ってい
た。目をそむけてもその白は瞼の中まで追いかけてきてだんだん日常の景色までも白く見え
始めていた。夏休みの初日に亀 ....
 四月

空に舞う
傲慢なのかもしれない
あなたは僕を遠ざけて近づくことはない
風を伝って
光りを浴びせて
もう巡り合うことのないその瞬間々々
想うことでしか触れられない
あなたは
 ....
赤い雲が青空に溶けていく
さなぎの上に 初めて羽をひろげる鬼ヤンマ
透明な四枚の羽と 複眼に陽が射す
洗濯ものを 外に干す

水辺の近くに立つ 銀の洗濯棒が光を集める
風波をかぶる池の石  ....
今日、ふと気づいた事があります

空の色や雲の色 月の形に
文句をいう人はいないな、と

それは何故かと思考を巡らせてみれば
すぐに答えは見つかりました

長い間一緒にいすぎて
 ....
幼い心をこじ開けて

あなたは痛みを植えて行った

悶え苦しむ年月

綺麗な嘘で幾重にも

痛みを包んで行った


いま この心に抱いているのは

ぞっとするほど美しい

 ....
何も解らぬまま
生きてゆくなんて
夜と闇の区別もつかないなんて
大禍時が クス と笑う
空は今も蒼いか
海は凪いでいるか
電撃を受けた
その心は
未だ
燃えているか

沈まぬ ....
今日はずいぶん細くなったなぁ
月を見て自分の心細さと重ね合わせ
ちょっとした安心をおぼえた
僕は月夜にタバコをふかし
後ろへ放り投げて歩き出した

誰かの声が聞こえた気がした
後ろで何か ....
お墓を作るってことは

現実と向き合うって事だ

つまりそれはサヨナラだ。



眠たくなるのは生きてるからだ

お腹が空くのは生きてるからだ



なんだか悲しいのも ....
{画像=120712232443.jpg}




陽の当たるところ


その建物は言いました
都会には幾つも建物があるけれど
そのなかでもぼくが一番さ

ぼくは一番大きな建物 ....
あのひおひがらよく審美眼白くなかったけど。 おもいつきっておもいやりの親戚だから。やんちゃなわたしたち目きき鼻きき口きき耳きき×きき自己防止のため急停車することがありますので。つりかわ手すりあわせて .... {画像=120710105150.jpg}

小さい頃から

自分はいらない人間なんだと思ってきた。

いつもいつも、死にたいと思ってた。

そんな時はよく、空を眺めた。

広いな ....
先に
想いが渡る

次に
鼓動が渡る

最後に
身体と車輪が
ついていく

川面は
曇り空の下で
もっそりと
黙りこくったまま
10両編成の
小癪なリズムに
渡られ ....
裸足で
知らぬまに 遠くまできていた
虹色の汽車にのって帰ろうと想う
歩んだそこには、
軌道がしっかりのこっている
帰りは 来るときほどの苦労がないね
そんな声がする
ただ、さびしいあき ....
あした咲く朝顔は
雨の軒下でこうもり傘みたいに
とじています
あしたも雨なのかな
朝顔って、おかしな{ルビ花=ひと}だね
傘をもって
生まれてくるなんて

いちど咲いたら
もう、とじ ....
すきなものがふえると
人はやさしくなれる
だってうれしすぎるもの

こころがくたくたになったら
うれしかったこと小出しすればいいや
キツイナがちょっとゆるむ

たましいがぱちぱちな ....
赤いサンダルと
傷だらけの膝小僧
くくく っと
笑いをこらえた君の影が
僕の靴をはらりとかわした

日曜日の太陽は
すぐに傾いてしまうから
それぞれの
背中に淋しさを背負ったまま ....
朧月さんのおすすめリスト(1460)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
瓶詰の夜- 石瀬琳々自由詩9*12-8-23
ちょっとだけ哀しい人生- 梅昆布茶自由詩1112-8-22
雨上がりに- 灘 修二自由詩3*12-8-21
背の虫- nonya自由詩19*12-8-12
水路- 綾野蒼希自由詩15+*12-8-10
いと- 朔月 実自由詩7*12-8-9
ペンギンさ- 殿上 童自由詩25*12-8-7
- スマイル ...自由詩112-8-6
それでも人は空を飛びたいか- subaru★自由詩18*12-8-3
風を浴びて暮らそうよ- 小池房枝自由詩8*12-8-1
円をかく- 殿上 童自由詩39*12-7-30
夏のこどもたち- ただのみ ...自由詩24*12-7-24
ベランダの猫- 梅昆布茶自由詩2312-7-22
雨読物語- ただのみ ...自由詩34*12-7-19
熱源- 砂煙自由詩4*12-7-17
四月- 乱太郎自由詩21*12-7-17
光る影杖_- 砂木自由詩18*12-7-15
恋文- 三奈自由詩20*12-7-15
ある愛のかたち- ただのみ ...自由詩17*12-7-14
_静夜- 岸かの子自由詩6*12-7-14
Enya-煙夜- Neutral自由詩7*12-7-13
生きてる- 自由詩412-7-12
陽の当たる場所で- beebee自由詩32*12-7-12
はれの三九なげき愛 - 阿ト理恵自由詩3*12-7-10
路傍の花- 永乃ゆち自由詩17*12-7-10
鉄橋- nonya自由詩25*12-7-9
雑想- 月乃助自由詩21*12-7-9
朝の日記_2012夏- たま自由詩33*12-7-9
センコウハナビ- じじ自由詩22*12-7-9
かげふみ- nonya自由詩21*12-7-6

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