太陽が死んでしまって
僕らはどこへいけば
光を見つけられるのだろうと
凍りついた足で
凍りついた息を吐きながら
凍りついた道に迷う
破壊の二文字に踊り狂った
少年少女も
目覚めるこ ....
季節は無言のまま過ぎて行く
昨日まで咲いていた木は
咲いてはしげり
赤色に染まりかれていった
もう僕は迷子の一人ぼっち
昔呟いた言葉を思い出す
テレビに写った君に恋 ....
昨夜の雨を吸った落ち葉はぶよぶよと柔らかくなり
いくら踏みしめても何の音も鳴らさなかった
足跡さえも吸収してしまいそうな弾力は
寒さを忘れそうなほどの優しさで失望を覚える
冬はいつだっ ....
心の中 見え隠れする
過去と 未来
ときどき 振り返り
顏が あかくなるような
あの時 あのこと
それは 誰にも
知られたくない 私の心のなか
過去をふりかえっても
消え ....
漢字の練習とかでさ
同じ字をずっと書いていると
突然
あれこの字ってこんな形だったっけと思うことあるよね
娘がポツリと言う
漢字の書き取りではないけれど
仕事で文字ばかりを ....
http://po-m.com/forum/showdoc.php?did=235166
日曜日はあっという間に夕方になる
神様がいじわるしてるんだ
大好きいとことおかし屋さんのパチンコの約束をして
電車の窓からさようなら
電車の窓から見える
町の電気の看板がちいさくなるうちに
....
多面体の内側で 放るスーパーボール
ひどい事になるよ
角がふえて面がふえる毎に
ひどくなる
確信という言葉を持てる人は幸せで
今私何が正しいかわからなくて
多面体の小宇宙で迷子になって ....
季節の変わり目は
不思議と あいまいで、
みあきた建物たちの
街色は、いつもの
寡黙のまま
昨日とのくべつのない
今日を数えながらも、
オリオンをあとにしたら
きみを探し ....
「ゆびきりげんまん」
遠くから
子供たちの声が聞こえる
約束の時の決まり文句
笑い声混じりに
軽やかに歌って
また明日と
それぞれの家に帰る
「うそついたらはりせんぼんのます」 ....
今日も笑えていますか?
くせ毛はいい感じですか?
また、考え込んで
難しい顔をしていますか?
筋張った指先。
吐き出す白い息。
きしむ床。
靴と床の摩擦の音。
軽快なリズム。
心地い ....
十年? いいや
もう少しだけさかのぼって
私があたしだった頃に埋めたもの
放課後の校庭の隅
老いぼれ花壇のど真ん中
誰にも相手をされなければ
景色の一環とも見られない
....
とある男が
じっと石を眺めていた。
一日中である。
それこそ寝る間を惜しんで、石の前に座り徹していた。
「その石は何なのですか」
尋ねると、男は答えた。
「これは石ではない」
....
下着売り場で羽化したセミたちが
越冬のために南へと渡って行くのを
ぼくらは最後まで見届けた
空の遠いところにある白い一筋の線
あれは飛行機雲じゃない
だって、ほら
指で簡単 ....
私は立ち止まらない
この道を行くと決めた
匂いの蒸せる深森の内を
怪しげなけものみちであっても
感じるままに行方を選ぶ
暗がりを畏れて
夜は月を探す
闇の海原は私を奪ってゆく
私は ....
緩やかな上り坂を自転車で走ること十五分
月極駐輪場から歩いて五分
駅に着いたときにはいつだって息が上がっている
通学に使用していた路面電車は
この辺りの住民にとって大切な移動手段
そ ....
憧れとは幻
手を伸ばしても
触れる事のできない領域
追いかけた背中も
求めた笑みも
深海で漂う気泡
風を縫う鴎は海上で
ただただ祈りを捧げ陽を仰ぐ
“どうか、アナタが
幸 ....
息が凍りつく
順番が回ってくる
もうすぐ
目の前で走る
彼女の姿を見やるが
自分の番がきたら
もう一度
深呼吸をする
私はただ楽しくて
誰よりも速く
過ぎ去っていく光景を
知 ....
抉り取られた砂浜に
未だそびえる
防波堤に
今日も砂は積もり行く
すっかり
潮の流れは変わってしまった
すっかり
海は
遠くに行ってしまった
澄みすぎた
....
おめでとう
ついになりたい自分に
変わる事ができたんだってね
いろいろ大変だったんじゃない
がんばって がんばって
栄光をつかんだってわけ
家族の中の地位も
....
孤独を研いで研いで研いで研ぎ澄まして
誰一人いなくなってから僕は
ヨーロッパへ向かう飛行機に乗る
後に思い残すことはもう、ない
まぶたの裏に懐かしいバラハス空港を思い描く
地下鉄に乗って ....
立ち食いそば屋で
夕飯を食った
客のほとんどは
お酒を飲んでいて
立てなくなると
ざるそばを食って
次々と去っていった
素数について
話している客がいた
立て ....
同じベンチで話していたはずなのに
いつしか君は二階の窓辺に立つようになった
僕は君に逢いに窓の下へと通うようになり
見上げるかたちで君と話すようになった
やがて君は窓辺に立つこともなくなり ....
{引用=
おまえは死への憧憬もないまま 籠を抜け出して
まだ春も遠い 凍える大地へと羽ばたいていった
空高く飛翔することも出来ない そのか弱い翼で
導きの手もないまま 朽ち果てる身体は
誰に ....
世界各国のお偉いさん、
今日もまた会議ですか。
精がでますね。ご苦労様です。
でも本当に僕のことを考えてくれているなら、
その会議場のつけっぱなしの電気を消してください。
....
「俺だけ見てついてこい」
そんな男になってくる
となりに
いてくれないとふあんです
たくさんのひとといるときのこと
すべてわかっているのでしょうか
わたしをだれかにあずけると
あなたはそっと、おとをころして
わたしがしせ ....
翔けだした
雷鳥さえも追いつきはしない
億年の過ぎ去った
海峡の、氷河の流れに
止められない想いを抱きしめては、
巨きな犬の背にまたがり
髪をふりみだし
人のすがたなどでなく
....
傘のない世界で
きみに傘の話をしている
小さなバス停に並ぶ他の人たちも
そぼ降る雨に濡れて
皆寒そうにしている
ぼくは傘の話をする
その機能を
その形状を
その色や柄の ....
能開セミナーで
綺麗なお姉さんが
額に手をかざしてくれた
あたたかな波動
とてもいい気持ち
突然
MCのおっさんがたおれ
獣の声でうめきだした
お姉さん
カメハメ波のポーズで
....
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