日がな一日
謎は謎として在り続け
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺動し
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感 ....
二〇一七年九月一日 「陽の埋葬」
文学極道の詩投稿掲示板に、作品「陽の埋葬」を投稿しました。よろしければ、ごらんください。
二〇一七年九月二日 「2010年11月19日のメモ 」 ....
暮らしを愛せる
ただ目覚めが良かっただけで
苦手な料理が重くない
砂糖ばかりに頼ってない
「足がある」
椅子が教えてくれた
だから外へ出る
町の人たちのように
いつか苦 ....
話しそびれてしまって浅い水路で風がわらう
ぼくたちのてのひらで火傷した蛙の
フリーズと
ラケットを肩にかけた生徒たちが
それぞれの家に帰る
ざ ....
ふるさとみたいな
おなかのつめたい石に
雨が降る
チャコールグレーの傘をさした
すぎやまくんに
水溶性の雨が降る
溶けていくね
好きだったのに
ほんとうは存在していない ....
身の丈に合わない服を着てみて
この引きずっている感じが良いんだよ、と
大人ぶってみせた
わたしたちはもういない
スカートを折って丸めないで
シュシュで留めないで
靴下は真っ白で脹脛の半分く ....
ぼーっとした子だったわね
みんなが笑ってるとき
なにがおかしくて笑ってるんだかわからないの
でも、「いま笑うときなんだなあ」って、
なんとなく気付くようになったんじゃ ....
圧倒的な魅力さえあれば
すべて
うまくいくのにね
たとえば食事
たとえば逢瀬
圧倒的な魅力さえあれば
願いはくずれるためにある
ダックワーズを
ほろほろ食(は)んで
....
脳は頭がわるい
と顔が笑う
混色と純色をまだしらない
まだらのだらしない原っぱで
家を建てない
美と死と箸をすっともってしまうと
テレビのタモリと暗 ....
ちいさく、なった
恋
もいちど、ひらいて
見ようかな
あせを、ぬらした
想い
あのひも、かわらぬ
入道雲
夏の子孫になり損ねました
また置いてけぼりです
誰もが暑い坂を駆けてゆくのに
白い夏制服の誰もが
それなのに僕ときたら
汗のかき方さえ習得していません
父も祖父 ....
世界は終わってしまっていた
ただ 世界が終わってしまったことに
気づかないひとりが
円形舞台のうえで
踊っていた
世界は終わってしまっているので
そこに音楽はないのだが
音楽があるかのよ ....
もともと弱っていたのか
怪我をしていたのか
詳しくはわからないが
知り合いが土鳩を踏んでしまった
まだ息はあるが瀕死の状態で
....
遠雷や深夜のシンクの銀のいろ
生きている時間が光る梅雨の雷
梅雨晴やギフはお家でお留守番
テーブルの上の湯気かな虹二重
風青しキッチンクロスを干して空
....
湯舟につかった
踵が泣きそうなため息をつく
どうしたのと
心配顔する膝小僧
そうだね、
今日も疲れたね
ふくらはぎは黙り ....
今日もとりあえず元気で行こうハイタッチ
いつも優しいばくだんを作っている
そんなひとが好きだ
ひらきなおれない中途半端な言い訳
落札できまる交換価値とは無縁ではなくても
それでもやっぱり ....
陽は落ちて
辺りはひっそりと
静まり返り
あんまり暗い
夕暮れだ
玄関先では
見知らぬ声が
会話を交わし
部屋を
ノックして
歩き廻る
濃くなる夜闇が
ざわめき始め
....
海水浴場でバイトしている
七月の偶数日と
八月の奇数日が出勤日
つまり、各日ってこと
主な仕事は
海水浴場のトイレ掃除と
浜辺のゴミ拾い
朝八時から午後三時まで
三十分仕事して、三十分 ....
二〇一七年一月一日 「なんちゅうことやろ。」
きょうはコンビニで買ったものしか食べていない。
二〇一七年一月二日 「恩情」
なにが世界を支配しているのだろう。お金だろう ....
{引用=墓地と少女と蝶と}
墓地を巡って柵を越え
黄色い蝶が迷い込んだ
少女の額にそっと
押し当てられる口形
珠になってこぼれて落ちた
奏できれない音色のしみ
{引用=*}
夏の墓 ....
《例えば、私の同性愛について》
なんで男性として生まれたんだろ
男性が好きなら、女性でも良かったのに
女性なら、男性にとって魅力的でしょう
好かれたい、彼の ....
ひろびろ青がひろがって
鳥の群れが行き過ぎる
街は熱波に曝されて
子らの午睡を浅くする
*
ちから抜けちから抜け
胸にわだかまる不安感を
呑み込みおれは街を行く
こんなにひ ....
かごめかごめを
するときは
逢魔が時をさけなされ
かごめかごめに
囚われて
ひとり残され
....
傘が必要な ながいながいおしっこに出掛けたあなたを追いかけて握った手
いっぱい我慢したおしっこの音がじょじょに 雨音にかき消されてくのを
聞きながら
ずっと
あなたと手を
繋いで ....
ひとりでは
立てないと ....
空いっぱいの大きな薔薇が咲く
君はその下で
黄色い鳥を撫でながら生活する
きれいな薔薇には棘があるので
二流の悪魔なんかには
とても触れやしない
幸せになれ
....
いつからわたしの体に紅い血が流れ出したんだろう
一度流れ出したら
とまらない
とまらない
とまらない
とめたら
お終いになるだけだし
振り出しには戻せない
充たされない思いがたえず ....
冷やした部屋で
濡れた画面を見ている
夏の前日
みるつもりでいた夢
古い冷蔵庫、凍りかけたビール
物事の手前で
君が微笑んでいます
夏の前日
それは
訪れるはずのない ....
現実と現象には「私」が必要である。
夏になるには科学など不必要である。
「私」が「ああ、夏だ」と汗をかけばいいだけである。
私があなたに話しているのを、そこから見ているあなたがいて、
私が私自身に話しているのを、どこかで見ている言葉がいた。
あなたに向けたつもりの言葉も、結局は自分自身に向けられていたのかもしれない ....
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