わだかまりが
嫌で
夜を歩くのです
わかってもらえない
プライドを捨てて
夜を歩くのです
すべてを終わらせるために
生きてきたわけではない
夜を歩いて
たどり着いたコンビ ....
24個の光が
鼓動する
キャンバスの上でまわる
それは時間だ
キャンバスの中では
今日と夕陽が混ざり
遊び疲れた赤い河が流れる
そして娘の声が空気遠 ....
子どもが学校のLINEで
狙われているからと訴えられて
家の表札を外した
転勤して移り住んだ
この街のアパートメントは
誰も表札を掲げていなかった
常識がないなと
堂々と表札を掲げて ....
底冷えする
夜に横たわり
祈っている
迫る闇が咆哮し
幾つもの夢が朽ちるとき、
心の奥処の祭壇に
火を絶やすことなく
灯して、灯して
)不眠の夜を透過する
)純白の雪を待ちながら ....
がらにもなく
人間を信じてしまったのです
生まれ持った右肩の小さなアザは僕の友達。
ナウシカにとってのテトのような、かけがえなき。
辞書に雨が降り
やがて水溜りができた
海と間違えて
文字たちは泳いで行ってしまう
僕は代わりに
いつか拾った流れ星を挟んでおいた
柔らかいものはみな
今日は朝から倒れている
....
花にも悪巧みをするというイメージを恵んで下さい
綺麗なまま汚される恐ろしさから逃がして下さい
言葉にも休日を下さい
無言という世界を情報過多の今にどうか与えて下さい
思い出に付箋を下さい
忘 ....
ジャズを聞きながら
君に手紙を綴っていたら
知らぬ間にアルファ波が
出ていたらしい
気がつくと
時計の針の30分が
あっという間に過ぎていた
願わくば
退屈で長い1日よりも
....
お肉屋さんで牛肉一五〇
切り落としであんまり見栄えはよくないけれど
赤く染まる白く映える
霜降りふりふりお尻ふり
じっとり牛脂
快感弾けるフライパン
にんにくと大葉を刻んで
大根をおろし ....
深く森の闇の香りがします
行き過ぎてゆく人に言葉をかけたりします
つまらない世間話ですけれども
視線はいつも痛いものです
いくどもえぐられているような不安定な
でもそれが欺かれていた ....
私たちは、星と星とを線でつないで、名前を付けることができる
初詣の足を止めて人々の絵馬に目をやった。
僕に見られたせいで、それらの願いは叶わない。
陽の遠い部屋だけれども文明が光をくれた 今日ねこが来た
店員さんが運んできたコップの中に
凪いだ海があった
覗き込めば魚が泳いでいるのも見える
こんなにたくさんの海は飲めそうにない
先ほどの店員さんを呼ぼうとしたけれど
彼女なら里に帰 ....
令和2年の人たちの声が聞き取れない。
平成32年の僕の耳では、どうしようもない。
アリバイは、崩れない、
紙飛行機は、落ちていた。
雪だるまが、崩れていた、
見渡す限り、雪景色。
お正月の、少し寂しい
公園に行って、冬空をみた。
あとで、 ....
パチンコで負けた金がいま手元にあれば
ipadを買うが
パチンコで負けた金がいま本当に手元にあれば
またパチンコ屋へ行くだろう
ガッデム
ある日、ふと
僕がどこかに行ってしまった
家の中を探しても
戸外を探しても
どこにも見つからない
自分の中を覗き込んでも
ただ海のようなものが広がっている
どこか遠くの方から ....
光、
光溢れて
空の青、
降って来る
この吉日に
遠い目をして
手をふる君、
いつのまにか
いなくなり
光の青だけ
揺れている
あおぞら ミサイル きれいな封筒
ひみつの話 くしゃくしゃの髪
そろえたつま先 うちあけられる
言葉のぜんぶがいたかった
鳥がないてた
高くて長くて 切れそうに
でも切れないで ....
感情が歩けないまま暮らしてる
あの海へ静かに向かう白い雲
欲しいもの沢山あって、悲しくて
きみの紙ひこうきが未だ刺さってる
旅
こころは
しらないうちに
旅に出る
笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる
いつになつたら
かへつてくる ....
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ
土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ
森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
さむい朝
世界じゅうで息は吐かれて
甘い詩をなめて生きていくの
といった
彼女が死んだ
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
よく気にくわないものがあれば
重いとかウザいとか
軽々しく口にする阿呆がいるが
生きていく上で
大抵のことは
重くてウザいものだ
それを覚えておかないと
いつかバチがあたるよ
....
小鳥についばまれた 肉は
果実の それであって
ついばまれずに 落下して
芽をいぶきだすのは そのたねである
ある彗星が太陽系外の別宇宙の存在者が
近々 太陽系内に飛来しつつある ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
悲しくても
涙を流すこともできず
くやしくても
叫ぶこともできない
誰をうらめばよいのか
問うこともできず
寒々とした
野にさらされている
その積み上げられた姿が
....
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