今テーブルの上にある
 仕事帰りに売り場で
 買い物かごに入れた
 特売の白和え(百グラム当たり一一八円)
 そのトレーのラッピングにも
 コツ、というものはあるものでして

 ラッパ ....
(まさに、手を替え品を替え
といったところか
いろいろな声で鳴くんやなぁ)

飯食いながら、
網戸に両手で張りつくそいつを見ていた


「このっ、かわいくない
一ヶ月も餌あげとるのに ....
青空が言っている
死はここにあると
公園のベンチから立ち上がって
探しまわる
散歩のひと
ランニングのひと
子を連れたひと
また
ひとばかりさがしている
誰にも会いたくないの ....
晴れている
高い高い秋晴れだ

(さっき赤トンボと眼が合った
彼は垣根に佇んでいた)


気付けば今日のポストには
投票用紙が入っている
彼はたどたどしい手つきで
封を破り
その ....
チェンジしたければ
チャンスをつかめと
言われても
チャンスは訪れない

ピンチがチャンスだと
言われても
ピンチも襲ってこない

それなら
ピンチを作れと
言われても
ピンチ ....
友達の家に行った
飼い猫が迎えてくれた

自分の家でも飼いたくなった
父も賛成してくれた
真っ白な猫が来た

家族は癒されている
イライラも消えて無くなる

家族の絆が
深まった ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ


えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく


えくぼ
笑 ....
雨時計とは雨のふる街をさす
誰もが知らないふりをしたことだが
秒針は環状線のアシンメトリーに似ていた

夜、神話としての男と女が踊り出すと
点と線をむすぶようなあいまいさで
ビニール傘 ....
秋はまだ
始まったばかりなのに

冬のような寒さをつれて
すさまじい嵐が吹き荒れる

山の天気のように
目まぐるしく変わる空模様

黒々とした雲が
あっという間に通り過ぎ

か ....
不思議であった
私の前にはいつも道があって
そこをしずしずと歩いている
ホウの葉とサワグルミの、落葉の上を
ソフトに足を進めている
まったくなんの期待もない山旅に向かったのだった
ただ、歩 ....
二〇一八年一月一日 「熊人形」


 きょうから、リチャード・マシスンの短篇集『13のショック』を読む。スタージョンの短篇集は、いいの1作品だけだった。「熊人形」だけがよかった。スタージョンの短 ....
過去の過ちに気づいた後でも

腹は減る、喉は乾く

アイスコーヒーを飲みながら

傷つけた人の面影を思い浮かべる

信じられないくらい美しい人だった

自分では世界中で一番、愛して ....
 もうそれでいいから、

 トゲのある赤茶色のスイッチを押して、

 好きなように錯覚して
 どうか終わりにしてください

 ガラスと夜とでできている
 とてもきれいだったものの温 ....
完成した一日を私は見たことがない。
それを欲求するにつけ気持ち悪くなる。
どこまでつづくのか、この毛細血管内…
不自由な直線で描かれた雨に
うたれている
肉体

つまりきみは
一歩も動かないまま
ふるえてある

姿という姿はめくられ
白紙というには色褪せたページが
きみの瞳のなか ....
在ることの
謎に触れたとき
ウォーターと
手のひらに
書いてみる

初めて地球を生きた日のように
その鮮烈な霊気に貫かれ

ウォーターを
感じて、感じて
独り大地を
舞い踊る
 ....
月子は、私の母のことだが、死ぬべきである
私は川沿いの円環を下り荒れた祭壇、
八百万もいれば中には中々に信じがたい神もいて、呪いを司る針金虫の神の祭壇に
軽く手首を切る


月子は海に行 ....
拝啓と書く
敬具で〆る

小学生のとき
電話とメールというメディアの違いを考えよ、という課題があった
今はもう、そのどれもがふるい
既読がつき、いいねがあり
三分の空隙にすら意味がうまれ ....
{引用=換気}
現実は醒めない夢
一生いぶかしみ
出口を模索する
後ろで窓が開く
気配だけが淡く恋





{引用=かくれんぼ}
風もないのにブランコが揺れた
瞳の奥の赤錆 ....
燃える 眠りのなかで
すうすうと 静かに
ひかっている あなたの

寝息をかぞえて
数えて 数えて
その数の
ひとつ ひとつが
ことりと胸に収まるたび
酸素が 血をゆく
心 ....
がむしゃらに夢を追いかけるのも

少ししんどくなってきた

夢を諦めたわけじゃないけど

ここらでちょっと一休みするのも

いいかもしれない

必須アミノ酸の不足を

インスタ ....
白い死神の背ビレに切り裂かれた
ふかいふかい空の底から
ぽろぽろと
こぼれおちてきたものの正体を
ぼくは
知っている。

それは
まき散らかされる
おびただしい数の安売りの愛だ。
 ....
どこかで夕暮れの虫が鳴いている

ある駐輪場にはいくつもの自転車が放置されている
打ち捨てられた自転車のカゴには蔓が絡みついている
ハンドルの接合部、ネジ、チェーンには赤褐色の錆が目立つ
忘 ....
香る。見える。
金木犀と遠く突き抜けるような空
何年経とうが鼻の奥に、目蓋の裏にあるのだから

泣くほどのことでもない。
「思い出す」と書くには頻繁すぎるほど
些細なことが引き金になって
 ....
 

 嘆く人の呟き
 呟きのなかの

 きみはきみの
 多様を生きる
 
 その眩しさの
 一つ眼を閉じ

 指に照らすは
 その人の見る
 行ったことも、きっと行くこともない都会の駅は
 そのことばで
 ジャックとやらをされたのだという

 〈今日の仕事は、楽しみですか。〉

 はい、わたしの揚げているこのコロッケが
 今 ....
明日なんかもうなくなってもうた後の
最後の郵便局へ
俺は行ってきた
それでも速達で送る小包を
預けて帰ってきたんやった

もう朝起きんでもよくて
今日夜寝んでもええとなると
不眠症なん ....
石地蔵と夏
ゆうだち

金木犀のこぼれる石畳
空に続いてゆく秋

ちゅーはい飲みながら豆を摘んでおもった
僕をつまんでくれたきみを摘んだ僕
空は曇り


街は曇り ビルの谷間の 冷えたぬくもりに躓き  吹き抜けるかぜ  なぜ と  灰とかげ──背広の音色が波のように行き交う歩道に落としたピルは
奈落の白い底


騙したあとの ....
君の翅を食べた
君がそうすることを望んだから
君の翅はよくできたお菓子のように
心地よい甘さで
もろくあわく溶けていった
最後に君の背に残る
翅のついていた痕をそっとなぞると
それも夢の ....
TwoRiversさんのおすすめリスト(921)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
コツについて- 平瀬たか ...自由詩3*21-10-24
野良猫- 印あかり自由詩6*21-10-24
青空- 自由詩19*21-10-24
赤トンボと投票用紙- ひだかた ...自由詩521-10-23
ピンチを作れ- イオン自由詩2*21-10-23
飼い猫がいる- 夏川ゆう自由詩421-10-23
えくぼ- 本田憲嵩自由詩621-10-22
雨時計- 新染因循自由詩12*21-10-21
秋の嵐と虹とジェット機- st自由詩621-10-21
山道- 山人自由詩11*21-10-18
詩の日めくり_二〇一八年一月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*21-10-18
雨上がりの秋の朝の空を見上げて- ジム・プ ...自由詩2*21-10-17
正解- 塗絵 祐 ...自由詩321-10-17
おぞまし- ナンモナ ...自由詩5*21-10-16
クロッキー帳の夜- 新染因循自由詩1221-10-13
ウォーター- ひだかた ...自由詩14*21-10-12
海へ、それが寄生虫の意思だとしても- useless自由詩721-10-12
文通- 凍湖(と ...自由詩1821-10-10
頭痛の種をつまみにして- ただのみ ...自由詩4*21-10-10
眠り- はるな自由詩321-10-10
ため息をつく- ジム・プ ...自由詩4*21-10-9
- 草野大悟 ...自由詩821-10-9
駐輪場・幼稚園- 中村春彦自由詩221-10-9
秋の。- 印あかり自由詩12*21-10-8
人の光- 津煙保存自由詩5*21-10-8
コロッケ譚- 平瀬たか ...自由詩4*21-10-8
明日なんかなくなってしまった- 奥畑 梨 ...自由詩321-10-7
ゆうだち- 梅昆布茶自由詩1121-10-6
- 末下りょ ...自由詩6*21-10-5
君の翅- 塔野夏子自由詩13*21-10-5

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