空は青
緑のにおい
ああ嵐だ 春の嵐
目から雨
鼻から雨 ところにより洪水
ざわざわとゆれるわたしのこころ
ああ嵐だ 春の嵐
瀧の音がする
雪解けだろうか
それとも
凍りついた瀧の裏側が動き始めたのだろうか
いずれにしても
寒い冬にあるとき
人はあたたかな春を待つ
つまりはこの瀧の音が
春を招き 冬を ....
ちゃんと立つ
倒れないようにしっかりと
りんと立つ
自分らしくしなやかに
しゃんと立つ
自信を持って自分らしく
ちゃん、りん、しゃん
あらあら、昭和のかおり
....
希にではあるが
夜、この家に訪ねて来る者がいる
恐らく、灯りを見て
誰かがいると判断しての、訪問だろう
しかし
灯りが点いているからと云って
そこにいるのが人とは限 ....
虚空は青 穏やかに
紅梅咲く 野の道を
歩めば春 肉感の
季節は巡り 憩う心
開けた窓から雨の匂いが流れ込み
濡れていく遠い森のざわめき始めて
貴女の声は透明な水底に沈んでいく
ああ、
こんなに澄んで囁き交わす時ばかりなら
詩を書くことすら要らないだろうに
僕は ....
二〇一五年七月一日 「I made it。」
あ
かるい
ステップで
歩こう
あ
かるい
ステップで
歩くんだ
もう参考書なんか
いらない
問題集も
捨てて ....
「花こうてきたわ」
うちの者が、買い物から帰りいう。
カレンダーに目をやって、
月命日の日かどうか確認してみる、
けれどもそうではない…
「非常事態まだでてるやろ」
「しゃあか ....
4月みたいに穏やかなガードレール
すずめたち飛んで時間をつかまえる
暗闇を夜と名付けて光らせた
そこはかとなく底しれない底力
底のない数字と夢へ ....
手にしたとたん重くなるスノウグローブを覚えていて
なにかを覚えていることを思いださせてくれる風景にわたしがよみがえる
木製の土台に細工されたオルゴールは壊れていて 少しの揺れでま ....
ディズニーランドのなかにディズニーランドがあるようなもの
あるいは
ディズニーランドの外にもディズニーランドがあるようなもの
おはよう、正解のない世界
いつの間に白くなったのだい?
....
月曜日の朝が来ると
ゲームセンターのいつも古びた横を通って
働きに出ていた 僕自身の姿があった
人の匂いのするあの部屋の中に
キーボードを打っていた午後
自分であるのだということばか ....
あなたの詩にはどこかしつこいところがある
押し付けがましいところがある
詩なんかぜんぜん読んだ事もない人にそう言われたことがある
あ、ちがった
あなたにはどこかしつこいところが ....
青空に白球が高く高く沈み
二度と落ちてこないような気がしていた
外野手は優しく恋人に触れるように
右手をフェンスにそっと添えて
これから起こる無常を背中で伝えている
ぼくはといえ ....
星がしゃべるとき
わたしらは無口になった
あかりをみんな消して
肌で暖をとった
嘘とそれ以外
世界にあるものの
すべてを好きだった
言葉は
いくらでもあるのに
引き抜こう ....
過度な太陽光を浴びた後
くらがりにいくとやけに青くなる
子供の頃のきおくが
ブルーがかっているのは
そのせいか
ついぞ過度になりがちなくらがり
そこに常住すると
ブルーは顕われな ....
草原の中で
石ころに小さくなって
大きな青草と緑の空を
交互に眺めているんだ
きっと僕は
ぬるい砂の風になって
音のしない秋の中を
飛んでいく
破片が総合される月には
僕はたぶん接ぎ合わせるために
ちっちゃな経理係を呼び起こして
ちょっとだけ仕事をしてもらう
小欲知足
サブスクリプション
仮説と証明と検証
とってお ....
ラムネって
響きが好きよ
夏の広い空や
夏祭りや
風鈴の音や
懐かしいことを思い出す
今は飼えないけど
いつか猫を飼って
ラムネって名前を付けたい
透き通った
空のよう ....
遥かな草原に立ち尽くす夏制服の、三限にて早退した僕の、幻影の。
四限のプールの、命の歓びの、それだけが心残りのような細き背の。
ガラス越し
ひとつの思い出が横切る午後
指をのばしてももう届かない影よ
その横顔はいつか見たシネマ
唇が動いて――と言った
蒼いカモメの夢を見た
夜明けの波 ....
自称詩人の自称詩朗読会で
クラスターが発生しましたが
幸運にもコロナではなく
エボラ出血熱でした
朗読会を主催した
自称詩人Mr.chindonyaさんは
全身の穴という穴から
血を吹き ....
あかるい暗やみを
猫がふうふう歩いている。
うすべったい陰を
引き摺るようにして
草むらを
すこし割りながら
白だったり
黒だったり
する猫の、
どこからみても
おなじふう ....
柿木をみていると、
ふと、以前枯木があったこと
をおもいだした。
おとうさんの髪型がとても
斬新でしたね。
吹きすさぶ疾風に
負けないくらい、よかったです。
焦りながら
あせりながら
いきて
どんずまりまできた
ドンズまりの壁をおすと
壁が崩れた
空があった
ただ
空が
夕闇迫る川沿いの道、
君と並んで歩いた道、
一人は一人を置き去りにして
一人は一人で立ち止まり
今頃裏庭に降り積もる
雪を静かに眺めている
)孤独なのはわかっていたさ
)どんなに身を ....
風に振り回され
壁にぶち当たり
人に踏まれ続け
雨にびしょ濡れ
僕は誰にも読まれない詩
優しいおばさんが
ぐちゃぐちゃの僕を拾うと
めんどくさそうに広げ
外れた鼻眼鏡で
じー ....
ネジをうまく回せたり
紐を間違えずに結べたり
ファイルにプリントをちゃんと綴じられたり
そんなことができたら
他にはなにもいらない
書くことも捨てていい
ぼくはまともに就職できるんだろうか ....
ぼくと直交するものすべてが好きなのだ
遮るものが弾き出す座標に抵抗して
鉛直する何かがあれば良いのかもしれない
古い団地の一階の北向きの僕の寝室
書斎でもありギター2本とキーボード
....
みんなが笑っている
みんなが怒っている
みんなが泣いている
朝に 昼に 夜に
やるせなくて
どうしようもなくやるせなくて
夢は終わっていく
人生は続いていく
地球が廻り ....
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