このごろは病臥しているので、
戸外の風景を見つめることができません。
買い物に出かける時も、目に入るのはアスファルトだけで、
鋪石が足元を圧迫しているのでした。

それでも今日は白い色の桜を ....
「水の気持ち」

とてもよわい
なんにもできない
雨にザーザーふられ
なんども
なんども
うなだれるしかない
雨があがったら
ころころと珠のような
らくるい
土は
ほほえみ  ....
硬い言葉より柔らかい言葉を掘りたい
怖い言葉より優しい言葉と握手したい

たった今昨日を片付けてきたところだ
荘厳に鳴り響く十二の鐘が埋葬する
そして何気なく今日となった明日に袖を通す

 ....
張り詰めた糸が
プチんと切れるみたいに
世界が落っこちた
落っこちた世界は
通りがかりの犬に食われてしまった
あぜん
ぼーぜん
ぼんやりしていると
小人がゾロゾロとやって来て
もう一 ....
十四歳のある日
ぼくは
あらゆるものが
きっとこのままなのだ、ということに
気がついた
ひとは、ある種の
限られたコミュニテイは
このまま
もう
どこにも
行くことはないの ....
便利だよって聞いたから買ったけど、全然便利じゃない。
ソファとして使えば寝る時不便な上に、ベッドとして使えばソファとして使えないじゃないか。

とっても不愉快。
肩の力を抜いて
今宵こそ
詩を書くも読むも
よしましょう
本を読むも開くも
よしましょう
ただ
だらりと横になり
体位は側臥位
真っ暗な
スマホの画面をジーっと見つめ
浮かんでは ....
出血多量のごとく、桜は咲き乱れる

満開に、とてつもなく溢れ出す

一刻の猶予もない

春が苦しそうに何かを叫んでいる

しかし、人々は通り過ぎてゆく

なぜ誰も知らん顔なのか ....
市井の凡人でそれが理想です
理想の人生で
たまに挫けますが

時々休んではまた
歩いてみようと思うばかりで

宇多田ヒカルの
僕はくまが大好きで

この詩の結論を
煙草一本だけ吸 ....
桜の若葉
小鳥の囀り
雨の日の夜風
それらのように
雄弁にはなりきれず

言葉を使い
嘘をつくもの
である私

私は
あなたがいて
はじめて
言葉を持つ

そして
私は ....
海と空の写真を逆さにすると
水の惑星が現れるのに

海が 水に変わるこの瞬間は
たったひとつのフィルムにしか収めることができない

随分むかし
ひとつでじゅうぶんだから、と
父と母がも ....
このまま地球の温暖化が進む事はあっても
ふたたび氷河期が訪れる事なんてないんだろうか

自然は不可思議の世界
何が起こるか
想像つかない

今朝は憂鬱な雨
いっそ地球をおにぎりにして
 ....
宇宙の境界には
無限遡及の風が吹いている

考えても 考えても
考えることすら 無化され続けられる頭

やっかいだ ああ
どうしようもなく やっかいだ

知ろうとするとい ....
わたしたちの研究対象は
絶えず対照的対称性にあった

  *

甲羅を花で飾られた亀は
光と影の境を歩いて行く
停止した時間の
空間にドレープを生じさせ
記憶からの香り
鏡へ顔を沈 ....
うすきいろとかうすむらさきいろの点滴がたぷたぷとぼくの血液を薄めて

風変わりなガラスに映る壊れた野菜とか果物にしてくれる

お見舞いのメロンのあみあみのやみやみの隙間から

週末の夜 ....
 
 20数年も前になるだろうか。たまたま帰り道に寄った駅ビルの居酒屋で、長い木目調のカウンターに腰掛け、惣菜のつまみをちびちびと頬張りながら熱燗を吞んでいた初老の男性と話したことがある。最初は遠慮 ....
我々の抱える退屈はどこから来たのか
今日はそれをみんなと一緒に考えてみよう
ん?もう退屈?
はは、すまないね
でもそれこそ、退屈の正体だよね
そうやってじっと座って私の話を聞かされる ....
家内は
右翼でも左翼でもない
無欲の人だ

食事を作り掃除洗濯をする日常
自分の時間なんてないと不満な時は
革新派の左翼的なことを言う
誉めるの下手とむくれる時は
保守派の右翼的なこと ....
かあさんと
眠りについた
こどもの頃を思い出す

暗い部屋が怖くて
オレンジ色の小さな電球を
お願いしてつけてもらっていた
しょうがないなあと笑う
かあさん

ささやかな幸せを
 ....
「にげる」

なにものからも逃げたものが
なに食わぬ顔でなにもしないでいる
すると
なにものをもにがしたものが現れて
なに食わぬ顔でいるものの所在を
不明瞭にしてしまう
なに食わぬ顔で ....
日がな一日
謎は謎として在り続け
私は五感の縛りに沈む
思いは鬼火のように揺動し
逃れる的を掠めていく
現象する本質を
律動する思考を
掴みかけては取り逃し
夢の底で溺れている
予感 ....
二〇一五年十三月一日 「芸術は自己表現はない」


 自己の表現と、自己表現は違う。2015年9月29日のメモ「いまだに芸術を自己表現だと思っている連中がいる。きょう、職場で哲学の先生たちがお話 ....
熱鉄を逆さに飲んで
それでも表現したい事があるから
私は生きて
詩を書き続けているんだ
哀しみよ
退散せよ
苦しみよ
お前の喉笛を噛み千切ってやる
喜びよ
我が胸に燃え上がれ
いつ ....
太陽系の爆破予告を君がする イルカの暴力性に泣きつつ



春はけだもの あなたは武器を抱きしめる いつだって晴れ予報の街だ
物事が自分の外側で起こっている。いつもだ。
春が来て行ってしまう、しかしそれも私の外側にある。
インターネットもセックスも季節もナッツ・ケーキもだ。
半月前に流産していることがわかった。これ ....
こころは
小雨あとの
路傍の石のように

こころは
鼓動もせず
虹を見てなをふるえず

明後日のほうばかりを
らいごうらいごうと
ずっと眺めてる




終らない話へ ....
今日ごみの分別作業中
精液のはいったコンドームが破れて
分離した水分が飛び
まつ毛にくさった滴がついた

そのうち
誰かが屍体の口をこじ開け
金歯をペンチで引き抜く時代が来るだろう
そ ....
ある日のディナーは
皿に憎しみが盛られていた
ナイフとフォークを器用に使って
切り分けてみる
憎しみは固く怖気がするような酷い臭い
一切れ口に運ぶと毒の味がした
私は一切れ分の怨念となり
 ....
朝、皆さんと交わす
おはようございますが
大好きでした
だから最後に
おはようございます
そして
さようなら
とうめいの骨の
おくのおくの ずっと おくのおく、から 
虹をかみくだくおと、が
きこえる。

(八方美人!
(恥知らず!

てんし、と
あくま、を
はらんだ夜が
鎌首をもたげる ....
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