光、
光溢れて
空の青、
降って来る
この吉日に
遠い目をして
手をふる君、
いつのまにか
いなくなり
光の青だけ
揺れている
あおぞら ミサイル きれいな封筒
ひみつの話 くしゃくしゃの髪
そろえたつま先 うちあけられる
言葉のぜんぶがいたかった
鳥がないてた
高くて長くて 切れそうに
でも切れないで ....
感情が歩けないまま暮らしてる
あの海へ静かに向かう白い雲
欲しいもの沢山あって、悲しくて
きみの紙ひこうきが未だ刺さってる
旅
こころは
しらないうちに
旅に出る
笛のねに さそわれて
むかし 人びとがすんでゐた
海辺の村で
潮風にふかれてゐる
いつになつたら
かへつてくる ....
ふっと森の脇道に
消える女の
コートの裾が引き摺られ
土煙上がり
瞬間の
狂騒に黒い幹がそそり立つ
森はやがて雨に濡れ
ひっそり静まり返っている
さむい朝
世界じゅうで息は吐かれて
甘い詩をなめて生きていくの
といった
彼女が死んだ
僕の経営するさみしがり屋は年中無休だよ。
店先にちょこんと座り、君が来るのを待ってるよ。
よく気にくわないものがあれば
重いとかウザいとか
軽々しく口にする阿呆がいるが
生きていく上で
大抵のことは
重くてウザいものだ
それを覚えておかないと
いつかバチがあたるよ
....
小鳥についばまれた 肉は
果実の それであって
ついばまれずに 落下して
芽をいぶきだすのは そのたねである
ある彗星が太陽系外の別宇宙の存在者が
近々 太陽系内に飛来しつつある ....
僕はいつも一度だけ改行をする。
その小さな段差に一人で座っている。
悲しくても
涙を流すこともできず
くやしくても
叫ぶこともできない
誰をうらめばよいのか
問うこともできず
寒々とした
野にさらされている
その積み上げられた姿が
....
元気を出せ!と恐喝しないでください。
金を出せ!なんかよりも恐ろしいのです。
回転台の壊れたヒーター
この部屋を暗室にしているカーテン
うまい嘘をつく季節風
渡すのか
渡すべきか
この使いきれない肉体を
その本質さえ死なぬ我が魂を
木のぬくもりとは
肌のぬくもりを
奪わないぬくもり
あたためようとしなくとも
しずかにうなずいて
あげればよい
歌手のYさんに似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有名なだけで終身刑
考え方が課長に似てるって
言われる度に思う
ボクは違法コピーなのかも
相手が有能なだけ ....
車の走る音も消え去る夜
終わりのないテレビは
コマーシャルが流れ続ける
今は砂の嵐がやってくることもなく
平べったい音が妙に落ち着く
明日のことを考える ....
雲をシュレッダーに掛けたように
雨が降り出した
空に磨かれて
美しい雨が
大声でなくように
産まれるように
どうしても
かさばるから
持っていかなかったものが
後々必要になることは良くある
裸で生まれようが
われわれは実に多くのものを
身体のリュックに詰めて
この世に遠足してくる
そ ....
哀しい記憶を包んで、紫
滑らかで柔らかい膨らみ、紫
愛しい幻覚
永久(とこしえ)に眠れ
野菜の値段を知るということ。
そういう所から生活は生まれるよ。
あの人が体をすりよせる
その度心は摩耗していく
だけど体は擦り減らない
胸も口も無くならないから
求めを拒めない
あの職場で仕事をする
その度心は摩耗していく
だけど体は擦り減らない ....
鼻がピーピーとうるさいので息を止めて一回死んでみた。
今度は心の声が生き返りたいとうるさいので仕方なく蘇った。
すすきが夜になっても
合唱するのは
自分たちのためだから
発見されるのを
望んでいるわけではない
風吹けば歌う
歌うのは風まかせ
「人間はいいね」
「人間はいいよ」
すすきは歌う
....
君が笑ってるなら
偽物でいいかと思う
君も偽物だったならばと
あお あお
と子供のように泣いた
その涙も偽物だから
まだよかった
僕のことばが偽物だという
のなら ....
その膜を破ると
きらきらとこぼれ落ちる
母の痛みがうつくしかった。
ぎゅっと身体を縮める
握りしめられないものを握りしめ
抱きしめられないものを抱きしめる
ささやかな抵抗を繰り返し ....
さんざめく
ネット詩世界
何も無い
月並みなシチリアーノ聴きながら
お月さまのことを想う
名前の無い夜想曲聴きながら
見ること叶わぬ星に願いを
真昼の薄氷に溶け込む今日も
静かに通り抜けて往く
都 ....
ころころ
ころころ
ころがって
わたしのタマシイ
磨かれたのか
泥だんご
一生懸命磨けば
ぴかぴか光る
艱難苦難
坂道ころころころがって
もうすぐゴールにさしかかる
....
わたし、がんばれ。
ひとまえでなくな、
ひとりでなけ。
しんぱいさせるな、
たんめいにさせてしまうから。
おねがいだわたしよ、
もうすこしたえてくれ。
そのさきになにかが、
か ....
僕の走馬灯をポニーテールの君は駆けるだろう。
その美しいしっぽを揺らし、君は駆け抜けるだろう。
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