八月
隙間のない日差しが街を埋めつくして息をとめた地上
の生きものたちは白い化石になるだろうか

昼下がりの昆虫のように日差しを避けて地下に逃れた
人びとの背にうっすら
あの日の地核の影が ...
君は

ガラスの向こうで笑っていればいいさ

目の前のスイッチボタンを押して

僕がもがき苦しみ死ぬ様を目の当たりにして

笑っていればいいさ

君の家にもやがて津波は襲いかかる
さあ、俺を殺してくれ

お前達のナタでぶった切ってくれ

俺はもう飽いた、お前達の生に

腐肉を漁って生きる習慣に

お前達の笑いにはいつでも裏があって

俺はいつでもそれを見つめ ...
あなたはわたしを綺麗だと言ってくれました

だけどあなたの目指すものが美しすぎて

わたしは後ずさりをしてしまいました


あなたのためにクリスマスは

好きな色のマフラーを編みまし ...
工場の若い工員が
長細いフランスパンを
後ろ手に握りしめ
食堂から持ち場へと
小走りで駆けてゆく

グレーハウンドの尻尾のように
揺れているパンの影を見送れば
午後一時を告げる鐘が鳴る ...
  他にやり方はあったはずなのに
  言葉でもよかったのに
  きみは{ルビ擁=いだ}くことを選んだ



  他に道はあったはずなのに
  きみの肩ごしに
  山並みは夕日に ...
  きみのうしろに
  きみが見える
  脱ぎ捨てたシャツのようにさりげなく



  きみのうしろに
  きみの母や父が見える
  ひっそりとしたブランコや
  いくつもの ...
浮かばない、
影、踏みに、
蝶が、ふくらむ、
ねむりの、底に、

レンズの、
おうとつに、
ざわめきが、
すべりおりる、
夕ぐれの、
回転を、

踏切の、渡る、
詩人に、
...
流された、砂場に、
さし込んで、増える、
飛行機から、
まなざしを、

あのトンネルは、
仰向けになって、
揺れて、

思いだせない、
名前の、絞められた
首の、あふれた、
す ...
洗い桶に沈んだ
果物ナイフで
指を
つうっと切ったような
昨日の サヨナラ
ほら
あれは中身なのです。
どれもみんな一緒にされて
今ではとても
中身のようには見えませんけれど
あれは間違いなく中身なのです。

(粉が主成分の)
微細な氷が
おおごとではなくな ...
進歩ないってつぶやいたら

進歩ってなに と雲がきいた

同じ白で

私のよく知る姿で

きいた

進歩ってなに と
これじゃいままでの恋とおんなじじゃないか

あたしだって必死だったんだ

必死であればわかってくれるはずじゃないのか

生命が、あたしのことわかってくれているように


朝起きるとあ ...
数学の教科書の端に
赤ん坊と女の子の絵を書いた
学校に通っていたころ
妊娠して学校を辞めた女の子が
頭の中を通ったみたいだった
次の日になって頁をめくると
白い女が赤ん坊を抱いて
昨 ...
何かが失われようとしている。いつも、常に。移行する状態のなかで。いくつかの物事が同時進行的に失われていく。

落下した車両の撤去も済まぬうちに鉄道は再開する。ニュースは技術の盗作を騒ぎ立てる。 ...
お前か
私は影を追った昔の私の
お前はたよりなげにだが希望に満ちて
笑っていた
私は今子供を持ち。
お前に見せる顔があるかを聞きたく思う
車の中で弁当を食べた
月曜日
そうすることが好きだった
女の間で染みつけられたような
いつのまにか 染みついたような 生活


人は何を探して見たことのない世界をさまようのだろう
...
ちいさな命たちが

炭素でできた液体で

ながれ星

そう書きあげた半紙が飾られていた

ちいさな命たち

彼らもまた宇宙の炭素なのだ
百日紅の咲かない夏という小説を読みながら

ことしの蝉は鳴かないことに思いあたった

鳴かないどころかぼたぼたと地面に落ちている


地震のせいなのだろうか

それとも放射能だろうか ...
{画像=110726012953.jpg}

はるか大昔に天子が山頂にのぼり
おお我が美味し国よと祝詞を上げた山は
小さいころの遊び場だった

山の中腹には幾つか洞穴のようなものもあって
...
夏空の四隅に黒い塊
そこからスルスルと四本の手が伸びてきて
かわりばんこに僕の首を絞める
だから僕は苦しい
あの{ルビ娘=こ}も僕のことが嫌いだってさ
ブレーキかける
下り坂
スピードつけて
おりてもいいが
無駄なちから使って
失速させるもよし

苦しまぎれの
上り坂
後退しては
またのぼり
ぎりぎりいっぱい
出すちから
...
あたたかな
彩りの
うつくしい
絵を描きたいと
思ったけれど

哀しみは
キャンバスを
暗い色彩に染め
決して
壊れることはなく

さやか水流した
静かな時は
すうっと
...
京の街中に引っ越してきたのは
師走に入った頃でした
世間も僕も慌しい頃でした

東向きのベランダの彼方には
百年の風雪に耐えてきた
銀瓦の低い峰々が連なっていました
午後の北 ...
そのひとが
どんな人生を歩んできたのか
二秒のすれ違いでは
理解できないかもしれないが
考え始めることが
何かのはじめ

漠然としすぎているから
ためしに
どういう風に髪を洗っている ...
セックスも









...
好きという気持ちを大事にしたくても

それが苦しいのなら

きらいという気持ちをつくればいいんだよ

ビートルズだってサザンだって

活動をやめちまったじゃない

夜景に列車がつっ ...
「僕等は何処に行くのでせうね」

 始発のホームで誰かがそう呟く。
 電車の行き先は決まっている。
 けれども誰かがそう呟く。

「僕等は何処にいくのでせうね」

 病院の屋上で誰かが ...
...  
 
それは、わたし
眠たい壁の一種
舌の裏で
縄跳びをする子供たち
名前の回数だけ跳んで
空想のまま
その間、冷蔵庫に向かって
嘘をつき続ける
アフリカ行きの
切符を手に入れ ...
日付順文書リスト
タイトル投稿者カテゴリPoint日付
午後の化石たま自由詩24*11/7/26 16:07
津波はyamada...自由詩011/7/26 15:30
殺人自由詩011/7/26 15:22
言えない恋の小鳥遊儚自由詩411/7/26 13:58
フランスパン佐倉 潮自由詩311/7/26 12:54
擁く草野春心自由詩3*11/7/26 12:47
きみのうしろに自由詩211/7/26 12:38
まどろみリンネ自由詩111/7/26 12:32
公園デビュー自由詩111/7/26 12:31
無題blue自由詩211/7/26 11:48
砕かれ際yuugao自由詩1*11/7/26 10:40
進歩する雲朧月自由詩411/7/26 9:19
朝起きて吉岡ペペロ携帯写真+...111/7/26 9:19
I am “I am”長押 新自由詩3*11/7/26 9:10
何かが失われようとしているはるな散文(批評...111/7/26 9:03
お前に田園自由詩111/7/26 4:20
卸売り会社で営業5年番田 自由詩511/7/26 2:06
宇宙の炭素吉岡ペペロ携帯写真+...211/7/26 2:02
蝉の鳴かない夏自由詩511/7/26 1:53
橿原断片 / 耳成山beebee散文(批評...21+11/7/26 1:29
ぎよ自由詩311/7/26 0:56
坂行くちからシホ.N自由詩311/7/26 0:18
五十のオトが描く夢。aria28...自由詩211/7/26 0:13
お日さま色の猫yumeky...自由詩8*11/7/25 23:40
街のあるきかた中川達矢自由詩8*11/7/25 23:16
辿り着く為の手段TAT短歌011/7/25 22:45
きらいになれた吉岡ペペロ自由詩111/7/25 22:17
「僕等は何処に行くのでせうね」亜樹自由詩311/7/25 22:05
ピカレスクTAT自由詩0*11/7/25 21:50
朝焼けたもつ自由詩211/7/25 21:45

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