すべてのおすすめ
刻も戯れも心音も手招いて誘う
こころ あちらへ こちらへ
揺るがして手放す
なみだの群れは押し寄せて 弾き 引っ張る
しなだれる砂 きぬずれの脚
よるの はまゆう
....
髪の後れ毛が
もやしのひげのように
蒸れた風とけっ託して
汗と貼りつく
ぽにーているならぬ
わたしのひとつ結びは
ねこのしっぽでありたい
脊髄のさきにあるまでの、感情
あな ....
後悔しても
後悔を味わう
今
未来の今に
今を生きるために
その人のその時を
私が生きることは出来ないので
私は私の今を生きる
誰のものでもない
私の人生を生きる
....
生まれ変わって、小さくなって、街でかわいい服を少しだけ買って、少しだけ仕事して、たまごボーロ分け合って食べて、少しだけの恋愛があって、少しだけ争いと仲直りがあって、春が来て夏が来て春が来て冬が ....
風が入り込み
這いまわり
出てゆくたび
ひとりになる
夜の地に立つ夜の洞
夜を二重に夜にする音
雨は洞を抜け別の夜へゆき
音だけがこちらに残される
....
夜をのぞき込む夜が
少しだけ喉を痛くする
壁の虫はどこへゆくのか
おまえはおまえの夜をゆくのか
朝に張り付いた昨日の雨が
陽に刺されては落ちてくる
ひとつの ....
空を海へ引く光の紐
雨と機械の音が重なり
遠い話し声となり
さらにさらに遠去かる
音のはざまに見える陽
すべては明るく
白いものの前に浮かんで見える
だが暗が ....
雨の気配を感じて手のひらを空へ差し出す
つるりとして
なだらかな
わたしの丘に
今日の雨粒が流れたら
くぼ地の枯れた水路が
一瞬よみがえる
かつて
そこへ流して遊んだ
笹の葉や
....
日曜日の夕方
猛暑です
私がどこで何をしていても
ここは猛暑です
この世に参加して随分経ちました
参加賞を貰いましたか
まだですか
もうぼろぼろですがいつもポケットに入れています
....
部屋の中に集落ができた
小さな集落だった
本家、という男の人が話にきて
畑で採れた作物を
いくつかくれた
学校が無くて困っている
というので、近所の小中学校と
市役所の場所を教え ....
洗濯したシャツを畳んでいると
シャツに畳まれている私があった
痛くないように
関節が動く方向に畳んでくれた
畳み終えると皺に注意しながら
シャツはそっと私をタンスに仕舞った
衣替え ....
アマガエルの緑色が好き
色々な緑色に変わるけど
どれも好き
アマガエルの表情が好き
少し微笑んだふうに
黙っている
ここに居るとは
思わないだろう?
自信たっぷり
あんま ....
気持ちの不安で落ち込んだり
あるいは高揚感に落ち着きの無くなってしまう時
深呼吸する
そして私はシングルポイントの六角柱水晶を握る
掌の柔らかい部分に三辺の角が当たり心地良く
....
春の日も夏の日も、そこに行けばそこに海辺があり磯があり、秋の日も冬の日も、そこに行けばそこに丘があり林があり、そこはいつもやわらかく甘い匂いが流れてくる場所。焼き場があるのだ。木陰のさしかかる三角屋根 ....
消え入るように
ささやく声は
私の言葉がかき消して
君のホントの感情が
視えないままの夜だった
あの日扉を開けたのは
けなげな明るい問いかけで
ふたりいっしょ ....
銀河の岸に
青い花
青い花摘む
小鬼がひとり
私に手をふる
小鬼が言ったありがとうに
私は縁どりをして
「ありがとう」と返したら
小鬼と私は消えて
「ありがとう」がのこった
....
いくつもの
顔のない詩が
この胸を通り過ぎてゆく、
新宿の夜。
今日で高校の
卒業式から三十年
あれから
僕は詩を書き始めた
思春期に砕けた
{ルビ硝子=がらす}の日記は
時を経て夕陽色に染まった
あのひとは今、元気だろうか
....
1.
夜の陽だまりに
昼間見つけておいた
幽霊の足が咲いていました
窓辺で奇妙な咳をする
子どもの背中は丸くなる
(月のドーナツを齧ったのは
(わたしです
(歯型がぴったり ....
夜の闇が怖いから電気は消さないでくれと君は言う
ソメイヨシノが咲いても散るのを知ってるから悲しいとも言う
飛行機に乗るなんてとんでもないとも言う
くたびれたぬいぐるみを永遠に捨てられ ....
桜や空を綺麗だなと見ているうちに
忘れてしまったという
何か用事があるといって
父は出かけたのだが
記憶がなくなるというのは
もしかすると幸せなことかもしれない
世の中のやらなけれ ....
影の尾が地に触れ
うたっている
忘れかけていた蒼が
目を馳せる
特別に
彩られているはずだった
その衣は
どの空を刻んでいるのか
手のひらは白く ....
これも運命
天の自由だ
と
真昼の幽霊は言った。
天気雨きららきらら
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
{ルビ蜩=ひぐらし}の歌う
夕暮方に
西の空は 蒼く透けて
予感が
宙に解ける
{引用=※五行歌とは、「五行で書く」ことだけがルールの、新しい詩歌です。}
わたしは生まれながらの嘘つき
嘘泣きをしながら生まれ
嘘泣きに囲まれてこの世を去る
わたしの金属
わたしの針
わたしの金属の針
わたし自身
屋上のわた ....
夕焼けの海辺には
この世の終わりを求める人々が集う
だが終わるのは夕焼けのみで
皆とぼとぼと何処かに散ってゆく
蜘蛛に触れたい
蜘蛛に
あなたの脳に棲みたいと言われたら
空けてあげたい
雀に触れたい
雀に
あなたのうなじに棲みたいと言われたら
開けてあげたい
....
鉄の雛鳥が川を分ける
岩の生きものが川を進む
彩雲が谷に落ちてゆく
雨の骨の門がひらかれる
どこまでも深く深く
突き刺さる雨音の上を
踏みながら飛びながら
歩 ....
{引用=空白葬}
空白を肥やそうか
みかんを剥くみたいに
あの赤裸々な寡黙
仰け反って天を食む
ことばの幼虫
インクのように膨らんでゆく影
化石は顔を残せないから
ハンマーで殴っても
....
ゆっくり舞っていたい
こまかいぬくもりがいい
別にあなたに
興味はないの
糸をたぐれば
かすかないつわりに欺かれても
ことばの行方は感じてる
どちらかといえば
くらい方が好きよ ....
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