すべてのおすすめ
それは、いつだろう
遠くないかもしれない、毎日、かもしれない
水平線、その丸みが空に一番近いところ
大型船が突き抜けていくのを
海辺で、並んで、手を振って
ただ眺めている人たちの ....
三階のレストランの窓から見下ろした
木造の橋の向こうへ伸びる石畳の道をゆく
白い服を着た君の背中はだんだんと小さくなり
緑の木々の下に消えた
立ち尽くす僕は
次いつ会えるかもわからない
....
排気ガスの向こうに
こころだけを投げ出せば
いつだって僕は風になれる
鳥にだってなれる
部屋に戻れば
やわらかい布団と
あたたかなシャワー
守りが約束されているの ....
痛々しいほどの
朱をさらけだして
鶏頭が咲く
傷口は
季節が変わっても
じゅくじゅくと疼き
癒す言葉など
持ち合わせてはおらず
ただ唇を乞う
ツバメが
ひととき ....
思い出せる涙は
すべて
私のせいであるが故
思い出せる涙は
なんとか上手く
こころに
収まる
思い出せぬ涙は
だれのせいであったか
どん ....
サフラン色の吐息をつめた
紙風船に
虚空の稚児は
灰色の笑みを浮かべている
道なりに歩いていると
小さな星がすすり泣いていたので
モザイク柄の
傘をさしてあげた
陰った景色は
....
消えたカラダを
拾い集めに
旅にでる
ゴミあさりして
錆びた鉄板を胴とすると
腹からピューピュースキマ風
コンクリートの下から
生えている草を指にすると
たよりなくふにゃり ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか
思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら
月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
親が嫌い
家が嫌い
朝が嫌いな
僕が嫌い
仕事が嫌い
学校が嫌い
会社が嫌い
社会が嫌い
我が家の飯が嫌い
ナスもネギも嫌い
プチトマトも嫌い
薄い味付けが嫌い
汗 ....
ばらばら つち
のど こすり
だくおん あやす
かや なびく やかい
かげぎぬ の ぎょうこう
されぬ あかみ
くずし うつす つゆたま
わけいる つきの あし
ほ ....
すいかだった。
真っ二つに割られたすいかが、
テーブルの上に、
どでんと置かれている。
どこを見回しても、
スプーンがない。
仕方がないので、
そのま ....
静寂の海
咲いて波間に
ほの白い影を落とす月
寄せる波は
真夏の喧騒
返す波は
秋の訪れを
それぞれに伝えて
移ろう季節を人知れず
見送り
迎える
久遠の光は ....
歌は
あなたの唇から
ほろほろ零れて
やがてひとつの連なりとなって
わたしの胸まで届いたのです
風見鶏のわたしは
風が吹くたびに
あちらを向いたりこちらを向いたり
惨め ....
さび ついた そろい のそら
ぬげはじめた め
かかわらぬ
こえ
ふみこむ
ひざし
の
いってらっしゃい
いってしまって
さからえ
とべない
の なら ....
キミエさんが言ったんだ
「お前はパタゴニアに似ているよ」
コスタリカとはちょっと違う
パルプンテはもっと違う
ラテンアメリカの南の地方
パタゴニアには羊がいるらしい
あと、草原 ....
子供が行きたがっていたはずの
遊園地に行った
子供が恐がるであろう乗り物
恐がらないであろう乗り物
そのひとつひとつに順序良く
そしてなるべく丁寧に
乗っていく
スタンプカードがたまった ....
晩ご飯を食べようと牛丼屋のドアを開くと
レジの横で店長のおばちゃんが
「生活の重荷」を背負うように細身の背中を{ルビ屈=かが}め
書類を{ルビ睨=にら}み何かを書き込んでいた
厨房では新入 ....
絶えず
変化しつづける
球の上を歩いている
感じ
大事だ
毎日
サンダルはかない
スニーカー
ニューバランス
バランスはとらない
揺れるままにしておく
今ご飯を食べていな ....
洗い場には
石鹸の代わりに豆腐があった
かじると
石鹸の味がした
食卓には
冷奴の代わりに石鹸があった
かじると
やはり石鹸の味がした
豆腐はすべて食べてしまったの
と言 ....
何をしたら いいんだろう
何処へ 行けば いいんだろう
ぽっかりと 空っぽの心
漂うみたいに 歩く 道々
ぷちっと 千切った 草の葉を
唇に当てて 吹いてみる
ぴー ぴー ぴーーー
....
夕暮れに!
夕暮れに!
またやってくる
憂鬱が
ひとりでに
しらずに
ぼやーんと
空は黄色い
セミがないている
深い海の底から
僕はひとり
彼女は出かけた
見えないもの ....
いつか(ラ)数えることをやめてしまった
ピンク色の蜜柑がつぶれたような
きみの、空の
ざ、わめく
風の木に暮れた(ラ)流線が振り落とされて
ふ(ラ)、としたときの
苦くつぶれた顔を ....
てとらぽっとは海につながれて
夕日が燃えて琥珀に変わるのを
見ていた
さよなら
さよなら
さよなら
夏
駆け足で過ぎようとしている夏の
スカートの裾 ....
ポラロイドカメラで
港の夕焼けを閉じ込めた
一瞬の空を
たった1枚の写真に収めようなんて
我ながら
驕ってみたものだけれど
その1枚は確かに
僕の指先で
月にも負けず輝き続けて ....
この世が終わっても
私は 終わらなくて
途方に暮れて
あなたを みたら
眼に涙を滲ませ
終わり と言えないでいる
どうして 他人のあなたが
私達のために 泣くの
言えば 言 ....
君
言葉の深淵を
明るく渡れ
アイスコーヒーを
飲みながら
かろうじて
ぶらさがる
吊り橋
上から
光と荷物と
レシートが落ちてくる
それらすべての
降り注 ....
明日は
焼肉を食べに行こう
彼女の
生まれた日だから
なぜか
戦争に負けた日
諸説あるけどね
いくぢなく
からみつかれて
からみあって
生きている
普通じゃないくらい
生き ....
君は変わったね
同じことを
君が言い出す前に
キスをしよう
全てが始まったあの日を眺めながら
全ての終わりを語る唇を
塞いでしまおう
傾く船にはもはや
救いの手立 ....
蘭州を出発してからもう2日も経つが
鉄路は大きな曲線をいくつか描いて
岩の転がる砂地と、とうめいな蒼色の空
それだけの風景はいっこうに変わる気配がなく
ホウロウのカップで
開水に粉コーヒーを ....
谷の底に静かな村がある
昼の光が色あせて
働く人たちが 夢もみず
疲労のなかに眠ると
月と星が そこから昇る
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