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冷え切った校舎の裏
ささくれ立った言い訳をした日
嘘をつくのは単なる処世術ではなく
空気と同じなんだと信じることにした
地球は今この瞬間も律儀に回っている
無数の嘘を繋ぎ止めながら
....
今日、雪が降らなかった土地に
雨が降る
今日、晴れなかった土地が
曇り
曇らなかった土地が
晴れる
起こらなかったことも起きたことであり
起きたことも起こらなかったことのなかで
....
いなかのまんなかと
なづけてもいいまち
ここではいちいちきどった
ことばはいらない
しんこきゅうする
はないっぱいにすいこまれる
いねのにおいってすき
でんしゃはりょうほうこうに
とお ....
ありったけの小銭を持って
僕らはオークションに出かけた
実家が火事なんです
と泣きじゃくる男の人に競り勝ち
三匹のサワガニを落札した
一匹は僕が名前をつけて
一匹は彼女が名前をつけ
....
連れてこられました
真っ青な部屋です
まるで深い青空のなかを
迷う小鳥のような気分にもなれ
濃ゆ過ぎる空を切り取ったような
真っ青な部屋です
君は今ごろどうしているだろう
連れてこられま ....
暗い道に
落ちているもの
気になるけど
拾わない
これまで何度も
何度も
拾った
それらは拾って持ち帰ると
どれも
黒くなった
わたしは悲しかった
暗い道に
落 ....
絹の目に風が通るような
さらさら と暖かい日差しが
空から降って来る度に
少しずつ体が 溶けていくようです
束ねた髪を解いて 窓辺で
流れる光と花の香り
白い手をかざして 空
高く高 ....
けふ ひとひを
やすらかに
すごすことが
しあわせです
けれども
野望をすてたあなたと
死ぬまで
暮らすことはできません
赤ん坊の頬をなぜるように
水蜜桃の皮をむいていく
あなたの指が
汁にまみれて
窓から差し込む光に包まれている
甘い水が
赤ん坊の膚のような
産毛の柔らかい皮をはぐたび
したたる
した ....
夏の終わりを待つ
私の耳には
波の音も
大きな地面を渡る水の音とはついに聞こえない
砂浜を歩きながら
光がどこから来るのかもわからなくなっていた
手を伸ばすと空間がななめになって
空がぐ ....
僕の必殺技のことを奴らは知らないでしょう
とても細いところで空ばかり見上げている奴らですから
ああ、高い高いですねえ
と、その間に電話をかける仕事は朝飯前です
朝飯前なのでまだ歯も磨いてい ....
「メリーゴーラウンド」 7
距離
星には決して手がとどかないって
知ったのはいつだっただろう
夜空のした
はじめて自分で立って見あげたあの ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう
ときおり
あっ、とか
....
しりきれとんぼの君に
まる
いつもあたらしいおもちゃの方を向いて
振り向くこともなく
ぽいと捨てられた君のおもちゃに
まる
おけらの君にまる
最初の意気込みと
投げ出す言い訳の愛し ....
くり抜かれた 口
墓のない 足 が
まじないを 諭す
延びて来る真っ赤な歌
電車を塞ぐ
幾すじ もの 人柱
青は赤へ
赤は青へ
そこは どこへ 行く
それは 空虚へ 落 ....
かぜをたべて
いきているとりを
たべて
かぜは
なんだか
かなしいきもちになった
遊星の昇る日
空の縁
半円を描いたら
落ちていく
時々振り返ってみたり、見上げてみたり
大通りの騒音がすっかり馴染んでしまったせいか
空の動きのほんの少しなら、気にならなくなってい ....
軍艦巻きは週に一度
それが我が家のおきて
ちぐりす飲んでゆうふらてす
シャバのシャバダバ
シャバダバ・ダバダ
うちのじーさん、ひーじーさんの子供
じーさんの子供はとーさん
....
よい かな せ さえる き しを
とが もる ふ にえる あ えを
もせ ふく や といの む いを
しず ゆく か はせる ほ やを
あせ らう な かりの こ いて
つえ はな ....
それは私ではない誰か
窓際の花瓶の水を
新しく換えるのは
いつも気付かぬうちに
橙色の陽が差しこむ
開け放たれた窓から
手を振って身を乗り出す
あれは私ではない誰か
肌 ....
かえれるほたるもおりますよ
うちあげられて
なみをあびてはあおくうみほたる
みちてくれば
よけいとおくに
ひくときには
ひかれるままに
はこばれたり
もどされたり
....
静かな夏休みが終わった
波の音や
山の木々の葉ずれの音
動物の鳴き声
テニスボールがぶつかる音
のんびりした鈍行の行く音
渓流のせせらぎ
それからなんだっけ
釣りをしているおじ ....
倉吉病院にきちがいを連れて行くと5000円もらえる
倉吉病院の裏山には隔離施設と秘密の沼と竹林があって山を越えると
東伯郡になって梨園に出て夏になるとおいしく食べられる
竹林の奥の井戸のトタン板 ....
ブルーのわすれなぐさ
せつないブルー
ちいさなきおくの はなびら
おひさまに ひろげて
いつか わすれるときがくるのか
いつか おもいだすときがくるのか
しあんしたところで むねの ....
小学一年生の春
友達と下校途中に
桑の実があった
ちょっと とって食べる
紫色が手につく
親に叱られると思い
道路の横を流れてた川で 手を洗う
と ランドセルが首に 落ちて
重みで ....
禁煙するために
両手をじっくりと見た
花びらが散るように
どこかで終わりが開いた
忘れていた夢が疼く朝
雨が降っているので
部屋はひどく暗かった
少し苦い珈琲を飲みながら
この行為につ ....
コンビニで何弁当を買うの?
のり弁当だろう
図星だ
他のはみんな、
花火の客が 買ってしまったもの。
チンしてる間に、週刊何とかや月刊何とかの表紙を
元野生の狩猟本 ....
散歩の途中で
くしゃみをすると
塀の向こうから犬に見つめられて、困った
立ち止まって見つめ合ってみるけれど
悪いことをした
わけではなく
少しだけ難しいことを
難しく考えてしまうから ....
あなたは やわらかな こもれび ゆらゆら ゆらすの
ただ よりそったきもちで ひぐれまで
あお と ぐんじょうが おしよせるなか
つないだ て ほころんで
ふわり ふ ....
鉄塔の
鉄塔の遥か
はるか
遥かじゃないすぐ上だよ
あれはヘリコプター
『本当に手に入らないから!』
「本当だよ」
『入らないから!』
手に、
すべ ....
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