すべてのおすすめ
最初から
おじいさんや
おばあさんが
いたわけではないのです
ただ風ばかりが吹く
何もない夕暮れのようなところから
むかし、むかし
と物語はいつも始まるのでした
やがてお話が終わる ....
煙草を灰にするように
死に体の鴉たちが一斉に飛び立ったので
空が夜みたい
狭い空ばかり見ていたから
わからなくなるのです
こんなとき
天井がもうきついそうなので
僕は唾を飲み込んで
君 ....
読みかけの詩集を逆さまにすると
文字の列たちは
不ぞろいのビルディングになりました
そして
下のほうにあった余白は
広い空に
しばらくその様子に見とれていましたが
何かが足りない気が ....
猫が逃げました
ボヤが出ました
便所は汚すな
と
親切な貼り紙のアパートの
隣の部屋の人の顔
まだ見たことありません
のような午後の世界に
河川敷の花火
の音が聞こ ....
なな きり の むこう
ささ ゆめ も せいて
ほり ふかまる ゆびに
つげる さめた なつび
こしかけた おお いし
なぞられる ほし よる
かた に おちる ....
ロックグラスの淵をふさぐ手の平
中身は空っぽに満たされて
そっと僕の息を閉じ込めた
3月 せっかちな不結合のチリは
町の中を撫で歩き
時折、見せてくれる隙間に ....
地下鉄の風に胸の内なぶられて
食物連鎖 取り残され 独り夕食
どこも痛まずに爪が伸びてゆく
今月も産まれない卵を産み落として
部屋 ....
蛇口をひねる。
きゅっ きゅっ きゅっ きゅ。
右に三回半。
おもむろに一口飲んでみたところ、
水ではな ....
はねられるときは
不意にやってくるから
はねられるときは
自由でありたいものだ
まずお気に入りの
ポシェットを身につけて
交差点を
まったくの無防備に
横切っていると
真横から
真 ....
今思えば
すべてのことは
半径二キロの輪の中で
起こっていた
その中は
やさしい
繭のなかのように
柔らかくて
はじめて刺繍糸を買いに行った日のこと
鮮やかに覚えてる
刺繍で風 ....
わたしはかつて
とてもあまくて湿った土から生えて
花を咲かせることをゆめみた
猫が足元におしっこして
とてもあたたかくてしあわせだった
ちがう土から生えてそだつわたしたちは
た ....
時計が遅れたり
進んだりするのを気にする人は
何よりも時間の大切さを
知っている人です
けれど
時計には時計のペースがあることを
忘れないでほしい
など
ホームの水飲み場で
あな ....
つかれちゃった
こころのおくに
なげやりになった
こころのおくに
いろんなことが
いやになっちゃった
こころのおくに
ほんとうの
つよさが
ねむっているように
おも ....
本当を言うと
おまえは 少し こわかった
祈るように欲得なく
好きというだけで
なにもかもほうりだして
入り込んでゆく おまえに
私が 壊されそうで
少し こわかった
それ ....
あさのかいぎに
まにあわなくなりそうなほど
ねばりついてくる
ちいさなて
あさめしもくってない
それでしあわせだ。
あんなにあんなに
ぱらそるをふったあなたが
むこうど ....
バナナが一本
海を底の方へ
ゆらゆら
落ちていきます
見たこともないその物に
身を翻し逃げていく
魚たち
大きなクジラが
大きな口を開けて
ザブンと飲み込む
夜、台所に行くと
....
ひとり
ひとり
ひとみの上
見えないように 浮かんでる
ぼくのひとりは 大きく 重く
ぼくの足元浮かんでる
ぼくらは いつでも 雨の日も
地球のどこかで浮 ....
ある時ダヴィンチが
金魚鉢を眺めていると
金魚がウインクしたので
「魔が差したんだろう」
と思った
またある時ダヴィンチが
散歩をしていると
電信柱がおじぎをしたので
「人 ....
ラップにくるまれた、街角
ブルー・ベリィ・の・つぶつぶジャム
僕たちはCokeのつぶやきに (頬を)
Decorateされたままの銀鼠
触感、直観、ダブル・ブッキ ....
わんわん
吠えるものがあって
そのあたりを
おずおず
掘ってみたら
ぎょっ
犬の死骸が
ぞろぞろ 出てきた
ぶるるっ
熱帯夜の怪である
『夕焼けのポエットさん』主題歌
【A】
西日浴びて
ワタシ 来たわ
コトダマの国のお姫様
オレンジに染まる
ワタシ ポエット
右手 ....
この世には素敵な人がいる
けれど私はその人ではないこと
きっと意識している時点で私は負けなのだと
悟った瞬間
私の興味は輪廻転生でしかなく
生まれ変わるな ....
あの空の話
もう遠くなった映像の中では
坂道の向こうの太陽と
薄くなるグレーの空とが
混在していて
蝉時雨
引いては寄せて
寂しさを反芻している
知らない知らな ....
午前三時五十五分-
知らない女の子が ボクの手相をみてる
ぼくは、蛇ににらまれた蛇の手下のようにどきどきしてる-
小学生のころに京都で、知らない町を自転車で探検してて
角まがったらいき ....
愛であろうと
なかろうと
その光りのまばゆさに
私は未来を見る
私は未来に無知である
あるいは愛にも
しかしその光りが
私の深く溝まで
照らし出す時
....
学校からの帰り道なのに
きみは浮かない顔の時間だらけまき散らして歩いている
どうしたんだい?
散布した思案たちを再び胸元に引き寄せて
きみは呟く
あれ はどうしたかな
もういな ....
卵をひとつ落として
夕焼けは夕焼けへと帰っていきます
さよならを言うのが嫌で
いつまでもふざけていたのは
言葉を越えられるものは
言葉ではないと
ある日ふと知ってしまったから
ちびた ....
こつこつ
とんとんとん
いしゃは
わたしのむねを
たたいて
ちょうしんきを
あてたりして
ふむふむ
わけしりがおで
カルテに
なにかを
かきこんでいる
わたしは ....
俺は全然詩の朗読なんかよりセックスや女の子のほうが全然好きなんだけれど
ヤッた後に、ティッシュで
ふいた後に詩を、
必要としてしまう( ´Д`)
朗読会の主催者にまるでふさわ ....
純粋で
裏の世界なんて
まるで知らない
素直な君
僕は
どっちかというと
素直ではなくて
裏の世界の住人
かもしれない
悪口を絶対こぼさない、
なんてキレイゴト
言えるは ....
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