すべてのおすすめ
富士の樹海にこもって
ひょっとこの面に
草刈ガマをもって
自殺しにきた女共に
のっかりたい
一枚岩のうえで受精したい
生命を宿す
ハッピー。
木のうえに住んで
悪魔をみせよう
....
壁に描かれた
巨きな逆さまの音符が
錆びた扉を指している
軋む音のなか やがてゆるりと
道しかない道が現れてくる
うすくけむる明るい夜に
けだものは光を聴いている
ひ ....
梅雨ってどうしてこうジメジメするのかしら
{ルビ通=つう}ってどうしてこう自滅自滅するのかしら
ほんとうよねえ やっぱりお小遣いの話、けんかになったわあ
混沌よねえ やっぱ ....
:うっかりおとした粗塩
:お砂糖小さじ一杯
:醤油大さじ三杯
:みりんキャップ一杯
それぞれ玄関にならべて一晩ねかせます
羽虫やアリが運びます そして よくわからない虫も
お ....
1
はがき一葉
舞いこみ、大要、
「言語障害が発症しているようです。発作もなく、突然電話中に失言症になり、思う通り表現できなくなりました。脳血管障害なら軽い症状で、希望が持てますが、アル ....
おともだちとお茶
いいかげんなわたしは
話し相手に
いいらしい
少し欠けた茶碗は
お気に入りのブルー
だから
捨てないで
使ってる
天気の良い日は
遠くへなんて行かないで
....
浜辺には
夕陽に淡く染められた
煙草が2本寝そべり
1本はまっすぐ横たわり
笑って空を仰いでいた
もう1本は砂にねじこめられた傾きで
しょげていた
あの日君が
「棄て ....
俺はそうやって空を飛ぶ、毎夜。
昨日は肉を喰った。かたい肉だ、ブラボー!
だから俺は肉が好きさ、裏切らない。
肉喰えば俺はまた空飛べる、今夜も。
いつまで肉を喰える体でいられるか分からない、
....
あきらめたくない
一つもあきらめたくない
かかとと影を伸ばしてぜんぶ欲しい
二兎追うものは一兎も得ずというのはセコい
可能性という言葉が持つダイナミックさに欠ける
俺は千兎も万兎も追って、せ ....
あまりの暑さにクーラーをつける
よほど暑かったのだろう
いろいろな動物たちが家に集まりはじめ
またたくまにいっぱいになった
長い部位をもっている動物はそれをたたんだ
肉食動物は捕 ....
男は物陰で
右目だけ出して
立っていた
男は物陰から
右半身だけ出して
立っていた
男は物陰から離れ
ようやく全身を見せた
そんな事にひと月も費した
まったく ....
悔恨される音楽を聴いて乱読しよう雨
一粒・一粒残酷する高低の有無を生む
カラギナンの分量違いによる悲劇の午後
ミルクが凍る白樺の貫通する曇天
大体 曖昧な理由である毎日の労働
曇り空の孕む卵 ....
そのまつげに
のこる
あまいカーヴ
まぁるく
まぁるく
ぷくり
ふくれた
かなしみの
かたまりは
きみの
めの
ふちを
ひからせて
その
ほほに
たどる
....
水晶の針の折れる音を聞いたことがあります
ピキンとも
ピリンともつかぬ微かな音
聞こえない音を確かめたかったのです
音がするものならばと
指先で二つにしてみたとき
まさか聞きとれるほど ....
夜になると
俺を迎えに来る
輝く鳥
俺はこいつに乗って
夜に
羽ばたく
月も触れそうだ
星も触れそうだ
夜の闇はそんな
できるはずも無いことを
....
だんらん中に電話が鳴った
君があわてて受話器を掴む
こわばった顔が一気に緩む
娘が私立の幼稚園に
合格したとの連絡だった
待ちに待った吉報に
君が小躍りしてるから
僕も負けじとブレイ ....
ふせたてを
ひろげて
そんざいを
こちょうして
みるけれど
それはまるで
おさなごあおば
わたしの
きもちを
つたえたいの
きょうの
おでかけ
てをつなげたら
....
昔
夢を見た
わたし
道路にいて
マンションの
わたしの部屋を
なぜか
外から
見ていた
マンションのベランダに
あなたが出てきて
洗濯物を干していた
なんだかとても
遠 ....
からころと音のする
そんな欠片が散らばっていて
拾い上げると色とりどり
思い思いに光を反射している
広い砂浜
両手を広げても足りない
誰もいない静けさは
ただ波音を響かせる
....
つぶやくように
こみあげて
ながれて は
いかない
さからいなさい と
て をにぎりしめる
つけっぱなし の
けいこうとう
うすい かげり
たたまれ ....
ずっと
風をさがして
生きてきた
たとえば
こんな
よく晴れた日には
釣り竿を担いで
山に行くのがいい
頂に着くと
{ルビ草原=くさはら}に寝ころんで
釣り糸を垂れるのがい ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
いじめっ子と
いじめられっ子のあいだに入り
次の日結局かれらは生涯のともだちになって
幼稚園のころ
オレは磁石であそぶのにあきてはじっこで、
下敷きに光を反射させ、
なるほどずっとわか ....
弱気になってみるのもありだろう
強気になってみるのもありだろう
涙するのもありだろう
涙こらえるのもありだろう
はしゃぎまわるのもありだろう
部屋で物思いにふけるのもありだろう
....
思い出になれば
美しく見えるなんて嘘だ
それは僕らが
過去を飾るから美しく見えるんだ
思い出を
本当の思い出を
上手に思い出すことは難しい
現在にいたる時の流れは
飴のように延びき ....
ちゅんちゅん
と
すずめが鳴くんだって
ほんとかな
でもたぶんほんとだ
わたしの1メートル先を
飛び回り
バカにしたように鳴き続けてる
あれは
すずめ?
わたしが本 ....
どろどろのホットケーキミックス
ぐちゃぐちゃにかき混ぜて
喉が痛いので
電話には一切出ない
ベランダで睡蓮の花が咲いたので
こどもたちと眺めよう
まだもう少し
もう少しだけ
....
曲がり角に沿う壁を
鳥の影がすぎてゆく
風のない午後
一羽の午後
少ない雨が来ては去り
灰は薄く街にひろがる
置き去りの光
置き去りの火
黄緑 ....
商店街で見かけた女の子
オムツで丸いお尻を振りながら
パパに手を引かれて歩く
ただ
歩くことの夢中
自分の足が
交互に前に出てくることの不思議
パパに手を引かれていることの
無意識 ....
電線に止まって
人を見下ろす鴉
でさえ貴女の
髪の黒さに憧れる
夜空のように
貴女の黒髪は深く
そして遠い川のように
流れている
無邪気な子供達が
笑いながら
貴女の黒髪を ....
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152 153 154