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冷たい壁の手触りを確かめながら
第十三使徒
死都
ネクロポリス
暗い地下道をたどって行くと
薄汚れた鏡に
見知らぬ男の姿が映し出された
肩をすくめた黒マントの中に
密かに呼び出される空 ....
だきしめて だきしめかえして
こだまのように くりかえし
はらはら ゆらゆら
ほろほろ くるくる
おどる おどる
あなたのゆるんだ ほほ
あったかい すきが
わたしを みたして
....
頭は、たくさんあってよ。
ちいせぇ笠も、でけぇ笠も。
水すくい上げてよ。
飛び込むのさ、回転さ。
なんべんでん、やるき。
ゴールはあるき。
じゃけんど、 ....
風の強い午後だった
僕は屋上の金網にもたれて
空っぽの青い世界を眺めていた
広大な草原を思わせる
羊雲
羊雲
心の翼をそっと広げ
空の青みに溶け込んでいった光の子供ら
遠い異国の丘 ....
ピアノの上に跨って横から弾いてごらん
そう横から縦にショパンのエチュードを弾くの
指の動き早い早い早い
ねえどうやって弾いてるのねえちょっと見せて見せて
すごいよまるで曲芸だね
ねえわたしも ....
もしも翼があったなら
鳥と間違われて鉄砲で撃たれるかもしれません
飛行機と間違われて
誰かが搭乗しようとするかもしれません
とり人間コンテストの会場はこちらですと
高台に案内 ....
落札!
高らかな宣言とともに成響くハンマァの音
砕かれる落札者の商品
海に灰を撒くなんて穏やかじゃないね
豪華クルーザーの乗客の声
本当は叫んでいる
薄暗い雪が降る
溺れているの ....
ここは螺旋の国なので
なにもかもが螺旋状にねじれています
太陽の光も風も雨もすべて
螺旋を描いているので
草花も木も螺旋の形に育ちます
国内で生産される物はどれも
螺旋の形をしています ....
桝目をひとつひとつ埋めていく
あなたはまだ
自分が花びらであることに気づいていない
窓の外は想像を絶する想像に包まれ
僕はそれを夕焼けと呼ぶこともできる
かつて靴下をはかない男の子がいた ....
ふるい舟が遠く
波をおこして
海の中
泉をわかせる
空に近く
のびた飛沫は 羽
ふさがれた土地
求めながら
陽射しに
日陰 ゆるしながら
いかり をあげ
悲し ....
ぼくはおんなを殴打する めちゃくちゃになるまで殴打する マウントポジションで殴打する 大通りのど真ん中で 分離帯の真上で殴打する オーストリアの悲劇の歴史を暗唱しながら 念力で街路樹を根っこから持ち上 ....
秋の風が冷たいね
こんな時は
君にそばにいて欲しい
僕の心の空洞を
どうか
埋めて欲しい
僕の命なんか
秋の枯葉より軽くて
たとえ消えても誰もわ ....
降り注いだ 空を埋めるほど
降り注いだ降り注いだ
降り注いだと言うよりも刺さった
刺さった 先端は鋭利だ
刺さった刺さった
刺さったと言うよりもえぐった
えぐった 体内で回転した
....
海岸草原のみどり
はまなすの赤
萌たつ草の焔の中に
風露草のうすもも色
原生花園をぬけると
落ちていくように
空がりょううでを広げて
濃紺の海がひろがっている
道東の海は冷たく ....
ストーブが話す、「赤はすべて夕焼けなんだ」と。世界がドーナツのようでぼくは嘘をついた。「きみは笑っているようにみえるよ」。ストーブの彼、嬉しそうだ。雨の音、の、記憶。たとえば階段をのぼればきみがいない ....
新しい雨合羽を買うという
同じ色で良いだろうという父に
母はピンクがいいと言った
野良着は 弟のお古でも いい母であった
農作業の汚れは しつこい
捨ててもいいような服を 着ては ....
小雨の降る日
林檎もぎは雨合羽を着る
雨水が肌に流れてくると
体が冷える
袖口と 首を
丁寧にタオルでふさぐ
滴に濡れた林檎は
しんとして曇り
ひとつ ひとつ 手作 ....
高速道路の外の景色に包まれる
愛しいさよならの君は助手席で
きっと二人の意思で車は走ってる
緑色の看板が迫って
あと何キロ走ればというよりも
君が降りる土地の名前を確 ....
まとわり とけない まなざし
つめない にもつに とまどう
あかるい まよなか のみちに
めをとじ かすかに ほほえみ
どこへも いけない かなしみ
どこへも むかえる ....
「メリーゴーラウンド」 13
入れ物
小さな入れ物の中身を
大きな入れ物に移す
ようなものだと思っていた
全部移しおわったら
隙間を埋め ....
冷たい水で顔を洗うの
指先に赤く血の色滲んで
朝に凍り付く体
包んでも 包んでも
冷たく表層になるばかり
誰か 誰か
隣で眠ってはくれませんか
心安らかな人よ
無音 ....
食べられるものを食べるのが
好きな人でした
食べられないものを食べるのが
嫌いだったところは僕とは似たもの同士
だったかもしれません
食べられないものを食べないのが
好きだったか嫌 ....
こんがらがった むつかしい きもち
すれちがっていく つむじかぜに
ふりかえりつつ かたを すぼめ
どこにも ひらいては ゆけない
げんざいち しめしては
また たちどまり
せ ....
皮膚のすぐ下は清冽
流れゆく血が私を
結びつけているのだ
家と人と肉と そして
全ての生きているものたちと
血によって私は
辿り直されることを許す
血によって私は
絶えず内 ....
坂につないだ 果実の皮
無垢はついばまれ焼ける
霧の音が円の角に触れる
クロスされた糸が星宿し
かたこと 繁みが 飛ぶ
さめた雪 霜柱を 包む
古い橋は渡らない
細い縦糸
ほつれた
少女の白いカーディガン
茶褐色の肌
それは鳥取砂丘
バンカー手前の
モスグリーン
国の名前
言葉の意味は
「寒波がやってくる」
ねえ寒いの
....
毎年この時期は、白神神社の奉納だ。
家々の軒には細縄が張られ
白い紙のお札が下がる。
それは
家々を超えて渡される。
学校。
コンビニ。
クリーニング屋。
古いアパート。
ラブホ ....
めをとじて
いない いない
でも いないことを まだ
かくにんしたくない
せんしゅうの おわり
あなたと あって
こんしゅうの おわり
めを とじて
いない いない
....
酔いにまかせて産み落とされたたまごたちが
そこかしこでひしゃげて身をよじっている
主人の子宮に戻れるわけもない
ばつの悪さと気恥ずかしさと
タクシーの排気ガスで満ちる街に陽が昇るころ
ぬ ....
いくつかの部屋は音もなく連結した。触覚を結ばれた虫達は手足を麻痺させた。苦しむことの自戒は書ごと焼き討たれた。その日からあらゆる喫煙が禁止された。
今、歯車は轟音を立てて回り始める。台座は細かい亀裂 ....
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