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夢の中で道に迷うと目覚めなくなるって本当?
って彼女が訊くので
ルルルと笑ってごまかした
蓋し彼女の顔に見覚えがあるのは確かだ
しかし果たしてそれが
そうです
シスチンとシスチ ....
歩いてて思うのは、
この道がどこに続いてるかって事。
今、ビルの向こうに海が見える。
霧にかすんで現実に思えないけど
それでも、
不思議だ、
いつかは着く。
実際に着くんだ。
右手 ....
夕べのにおい
外灯のにおい
壁の裏側に眠る怪物
屋根の向こうにそびえる火を追い
刈り込まれた生け垣の葉をとばす
一筆書きの街から街へ
人のような虹が駆けてゆく
うろ ....
確かめる方法はないけれど
ここに記しておけば
君がいつの日か
読んでくれるかもしれないから
ぼくは君が好きです。
仲間の中には
いろんなこと 言う奴もいるけど
ぼくの一番の親友も ....
かたゆり ついの
まわせぬ あえい
とおりの あせぬ
のろえぬ ゆきよ
市電のレールは暁に根負けし
夏のそれとは違って
鰈のように臥している
遠くまで伸びる 秋色
同じ窓から、庭先の蘭も
肩を落としているのが見えた。
あぁ、
そんなこと忘れるくらい
片 ....
微笑みの匂いがする最後の頁を
めくるかのように
僕が女を忘れたころ
女はいつもと同じ場所で
いつもと同じ歌を
歌っていたそうだ
未明
人も車も動き出さない冷たい駐車場
空を見失 ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする
抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ
産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした
今も少し
する
....
すうすうと水は目に入る
水には空に向かう手が映る
曇は過ぎてゆく
地には駆けるものがある
どこにも行けない火が
どこにも行けないことを知りながら
十月の光にはばたいてい ....
正月中の 夜行列車は満席
故郷から 帰郷帰りの人々
暗い駅から ひとり
座れないので
戸口のすぐ前に陣どる
会社は あさってから
荷物はひとつ
一晩中 立つのか
....
まだ色素の薄い 素の唇に触れて・・・
おまえの可愛いおでこにキスする
おまえの二重まぶたに静かにキスする
おまえの鼻筋に沿 ....
立ち並ぶビル群の幽霊
ビル風が吹き抜けると
敷かれゆく風の線路の上
滑らかに空中列車は行き交う
乗客は皆視線を落とし
日常に見つからぬ出口を
携帯電話の画面に封じ込める
「 ....
目が覚めたら
隣の布団は空だった
一階の天井と二階の畳
布団と枕
の むこうから
聴こえてる今日
ああ
私がいなくても
今日は勝手に始まっている
このまますうっと消えてしまったら
....
雨が垂直に
突きささったまま
凍りついた
野の どこかに
愛のひとは
ふしあわせだ
与えるばかりで
奪われない
そんな物語の
かいてある石版が
埋まっている
らしい
ふき消して
かんづめの
まるいぎざぎざ に
暗闇 うつす
切り続け やめた場所
ぱくりと 走り去った
鈍い 刃
なんだって
かまわない
元気かときかれれば
元気だ ....
昨日は
ライオンに
食われた
一昨日は
ウサギに
肉団子にされ
ハチの幼虫に
食われたことも
あった
ニンゲン様は
俺を汚く食い散らし
ご馳走様
まで
言 ....
楕円の踊る 炎の中へ
熱くない驚きよりも
息のできない
もどかしさで満ちる
なつかしいオレンジ色
ちろちろと
溶けだして
....
手のひらの中に 石がある
握りこぶしに 隠れちゃったよ
指の隙間から飛び出しそう
なので
ぎゅっ て
したら
胸の中 なんだか 苦しいよって
これも 愛かな?
一時間に一本だけの電車の中で居眠りをしてみると
回想の中で自分の自分に逢えるので
もう一度と思ってみても
一時間に一本なものだから
すごく困ってしまう
ぼくらは、たまに
どうしよう ....
ちょうどいい
ぐらいの悲しみをちょうだい
とんがりすぎてない
痛みをちょうだい
そしたら
きっと 幸せだから
笑ってばかりは 哀しいし
泣いてばかりも 可笑しいでしょう?
....
ひとはみな
愛の途上でおわる
どうせいつか
消える身なので
大差ないが
若い死にふれると
おめおめ
夭折もせずに生きのびて
うしろめたい石である
わたしの
古傷がしめやかに疼く
....
夜更けに
タンタンとタイヤを鳴らし
鉄の階段を降りて
僕の自転車が
外へと出掛けて行きます
(ほんとうは僕の自転車ではない
きみから借りたままのもの)
マウンテンバイクだから
....
三番線に十両編成の
パフェが到着した
中から降りてくる人たちはみな
クリームまみれ
母親に手を引かれた幼い男の子が
頭にフルーツをのっけて
昨日からだよね、昨日からだよね、と
....
電車に駆け込む、37℃の平熱
昨日の夜食は暴力のオブラート包み揚げ、
鼻つまんだら食べられるけど、おいしくない。
電車の中はオンザステージ、ヒットパレード
ファンクにきめる少女たちを讃えろ ....
ー いとしの ―
あいしてください
もっと
愛してください
それは
愛ではありません
愛しい
こそ 揺るがない
存在
もっと もっと 愛してください
そして ....
愛と
つぶやいてみる
それから
でたらめに
石と
愛の石
ではない
石の愛でも
ない
愛のような石
石のごとき愛
なんか
ちがう
てゆうか
なにやってるんだ ....
八月、蝉が鳴く。
斜面の高いところで、
楠がこんもりと枝を張って
身をゆする。
むいたばかりの
ゆで卵みたいな青空の表面へ、
陽射しをはじきかえしている。
降りそそぐ、
眩しい小さなつ ....
ひめや こはく
ゆう まつ ひ
あらがう ねね
つらつつ おく
とかそ やえせ
ちさら まろの
歩行者は夜9時を過ぎていく
ぼくの身勝手でやさしさを決め込んだ算数が
ドライな公園でひたすら石を数えるように
きみは月を見た
マイクに空気を
あたたかく篭ったノイズが閉じては枯れ
なぜ ....
こそこそと
チャットに入る
そこに
見知った名前があるから
こんにちわ
と
私は言う
あのう、あの作品
よかったですね
好きです
ほんと?
ありがとう!
私が
伝 ....
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