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090412
後継者不足で廃止される事業
後継者はいるけれど
儲からないから採算が取れないから
廃止しなければならない事業
儲かることはなにか考えて ....
音のない息の浪が
寄せている
ひとつの曇の裏ごとに
くちびると闇はわだかまる
補色の先へ向かおうとする
水の上にしか映らぬ鳥
冬に軋る
冬は軋る
影の斜 ....
四季の風がやわらかく
吹いてきてもはや空は
やわらかさのためにぼろぼろと
崩れ落ちそうだ
それぞれの四つの季節が
前後左右から風を吹かせ
大地は反り返り鉄塔は
まんなかでひたすら痒みにた ....
朽ちた木屑のかさなりを
踏みふみ
つづら登る春の里山
行く先々を導くように
萌える山吹
ふとした足元に
大人しくうつむく
鈴蘭の白、きみどり
ひとつひとつの
光りの具合を確かめる ....
ここ数日の晴れ間が穏やか。
さんさんと陽光の降りそそぐ。
影を濃くするのは、私のみではなく、
炭酸がのどをシュワシュワと通りすぎる。
はて、宇宙の寒さは星の光を清らかにする
白い指先 ....
月工場で
おじさんたちが
月を作っている
その日の形にあわせて
金属の板をくりぬき
乾いた布で
丁寧に磨いていく
月ができあがると
ロープでゆっくり引き上げる
くりぬ ....
宙に打つ
神の標
春のしるし
幾重にも
幾重にも
彩陰を重ね
時の無い静寂に
さやけき歌の
無間に響きわたり
夢幻うつし月に映え
淡きは命か
ゆるやかな風に揺れ
....
初老の母ちゃんを乗せた
旅客機は
赤ちゃんを産んで間もない
姉がいる富山を目指し
羽田空港の滑走路から
大空へ
飛んでいった
定年をとうに過ぎた親父は
警備の泊まり ....
目が閉じそうよ。
油断したら眠っちゃう。
お嬢さま、おねむですか?
ええ。
それでは寝室へいきましょう。
うん。
疲れが溜まったんでしょう。ゆっくりおやすみにな ....
夜が終わる前に
銀河がサイクロンになって
いらない文字を吸いとりに来る
(サクラ、サクラ、琴のおと)
貼りついてしまったものを
ひとつひとつ
はがしてみれば
どれも忘れがたいもの
けれ ....
この野郎、ピンポンダッシュしたろかな
マンションだと言われればそんな気もするアパートの角部屋
レースのカーテン越しに人の気配が行ったり来たり
どうやら生きてることは間違い無さそうだけど
....
言ってしまうんだろう。
「頑張って」
「私も頑張るね」
頑張るって便利な言葉だなぁ。
あの人とのやりとりで決まり文句のように使う。
もっといい言葉はないのかな。
....
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
投げ捨てた果実の種が
ことごとく芽吹いて巨樹となり
大地を引き裂いて
ダイ、ダイラ、
風吹きわたり
陽あたりのいい場所で
はらわた ....
晴れて
水平線のまるみが遠い
海岸通りに迫る波は
テトラポッドに砕かれて
泡ばかりたてている
その水は
まだ冷たかろ
けれど青、
翡翠いろならば
思わず爪先で冒したくなる
散らばっ ....
ひいばあちゃんはな
いっつも縁側で内職しとったんやわ
そこでいちんちじゅうな
つるらるらーって数珠みたいに
ぎょうさんつながったしょう油入れを
ずーっとぼじっとってなぁ
( ほら、おす ....
水族館で
深海コーナー
ダイオウグソクムシ水槽の前で
しゃがみこんで
ひらひら
なんとまぁ
水族館のスタッフは
餌付けに成功したらしく
(それまで何食べてたんだ?)
最近では
....
むしろ、さくらではなく
今朝の濁った空色が
薄灰色の風となって
じんわり染みこんでくるのを
わたしは待っているようだ
三寒四温の春は寡黙に地を這って
あたらしい芽吹きを迫る
枯れ枝に ....
夜にこてんと横になったときの
すべり台の温かさを知っています
昼にそんなことしてると
子どもが降って来ますからね
そこかしこのベンチは
どれもこれもなんだかんだされてしまっていて
星や ....
この季節に居たくない夜
どこか、向こうがわを見ようとする
すべり台の天文台に寝そべって
どんな温もりでも
消えていくときはいつも赤い星
経験の記憶が
証ではないのに
あい ....
たのしいことを
たくさん
かわした
むねのひょうめんの
さかげが
なめらか
ほらこんなことばたちが
わたしを支えている
こえにだしてみても
書いても
つたわらないことが ....
白っぽい視野の中に
草の生えた道があり
知らない樹木が立っていた
母は和服を着て
道にひとり佇んでいた
すると向こうから
何年も前に死んだ父が歩いて来た
ぱりっとした背広を着 ....
沈丁花の、
高音域の匂いがした
夜半から降り出した雨に
気づくものはなく
ひたひたと地面に染み
羊水となって桜を産む
きっと
そこには寂しい幽霊がいる
咲いてしまっ ....
曖昧に惹かれて
曖昧に触れ
曖昧に笑った
曖昧に撫であって
曖昧に気づかず
曖昧に傷つく
永遠に曖昧
冬眠をしていた
たまご焼きが
ゆるゆるとのびをして
大きなあくびをしている
なべのなかで
たけのこと かつおぶしが
ことことと
ないしょ話に花をさかせる
ふと、牛乳の肌 ....
であった
しりあった
よりそった
ほほえんだ
ささやかれた
たずねた
ささやかれた
こたえた
わらった
たのしんだ
さそわれた
....
その切り口から
ホックへ到達するまでの
いろいろな色を
目はもっている
目は心に聞くから
見えなくていいよ
胸の震えが教えてくれる
つららとつららのあいだを
虫が飛んで
した ....
粒のわたしは憧れていました
見えない世界を思っていました
地にしみこむ者たちも きっと
一度は考えたことがあることを
それは、雨のうえのせかい
みあげたところは真っ白 というくらい
遠 ....
ひこうきが雲にとけてゆく
ひこうきの中
人が座っているのね
お茶をのんでいるのね
テレビをみてるのね
家の中のわたしとおんなじね
わたしは
まいにちまいにち
しっぱいや
べん ....
090226
キュウバンナンボということばを読んで
急場の堕落をイメージしたことはない
旧番は何だったんだろう
急な改革が続く ....
僕は切符を買うよ
いつもと同じ場所にむかう
日めくりをちぎるときに
忘れてしまうだろう、今日だから
僕は切符を買うよ
四十九枚の十円玉を投げ入れて
光るボタンで行ける場所
誰もが辿れ ....
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