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かたちが あるって
そのかたちさえ あいまいで
かたち みるめも あすをもしれぬ
かたちなきてに はぐくまれ
にじんでは なく
きえたいと きえたくないと
どちらへ まいられて ....
私が生まれるより前に
戦地に赴き病んで帰って来て間もなく
若い妻と二人の子供を残して世を去った
祖父の無念の想いがあった
私が生まれるより前に
借家の外に浮かぶ月を見上げて
寝息を立 ....
日に夜をついで、
月の影をかいくぐり。
地平の弦の彼方、
鬼は羽ばたく。
惚れるひとつ。
溺れるふたつ。
ここにひとつ影。
ふたつ追憶に溺れる。
果てる波みっつ。
東京は
私たちの隠れ家だった
誰も私たちを知る人などない街で
なにもかもを忘れたふりをして
ただのオトコとオンナになるための
狭くて大きな隠れ家だった
東京タワーも水族館も
....
地図の上に 雪は ない
天の上は 雪を知らない
火を
かざして 求めるのに
土に
よごれて かきむしるのに
足りないものばかり
足せないものばかり
凍らせなさいと ひ ....
ひろければひろいほど
わたしはひとりで
つまり
ひろければひろいほど
あなたも
ひとり
あの日
真っ白なゲレンデで
わたしは
ひとつになりたいと強く願った
ゆるやかにカ ....
空から音も無く降る雪の
つもる速度のいじらしい熱
ちょっとまえの流星は
乾燥した鋭い声で失礼のないように
(絶望はできない。
と軌跡をのこし消えていった
このとき雪はしゃららららん
....
ひいた こより
てのなか ふるえてる
だれかの ため
よういされた ことばが
こころのおく ねづく
だれにも したがいたく ない くせに
ひとつのもじ に かんきん されてしま ....
どうも気に食わない奴のような気がして
嫌味の1つも言ってやりたくなる奴で
いちいち突っかかってくる奴で
会った日は一日不愉快で
どこにでもある平凡な顔で
むしろ「ええぇ〜 ....
壁に沿って進んでいるだけの
ような気がしたら
とりわけ 星ふる夜に
重いものを ひきずって
あるくのは やめてみましょう
真夜中のテレビに大した意味はない
唯一人が寂しいから
音が欲しいだけ
ザーッ
ザーッ
ザーッ
ザー ....
大きな街のお空には
本当の空は無いと言うのに
太陽が高く射す昼休み
呼吸をふーーと吐き出して
皆が窓を開けた
深呼吸する時間 一斉に
大きな街のお空には
化学記号が飛んでい ....
正月に日本酒を飲みながら詩を書いていたら
火曜日に詩を教えているキムからskymailがきた
「幹さんやばいっす、オレ犯罪犯しちゃいそうです」
『ちゃんと詳しく説明してミソ』
「ちんこ ....
紅い花が落ちました
ゆっくりゆっくりと
白紙の様な白雪の上へ
音もなくゆっくりと
踏み潰されて行きました
くしゃりと小さな音を立てながら
黒ずんだ足跡に染まった紅は白紙に埋まり ....
空が飛んでいる
空が飛んでいるので全ての羽が浮上する
見つめることはいつだって透きとおる
見下ろせば ものの在りかはかなしい
重力の堆積が歴史で出来ているなら
ぼくらの言葉は足跡のように ....
その昔
刑場へ向かう道程で咎人はこの橋の上に立ち
己の最期の姿を川面に映したと云う
インチキな占い師に
「貴女の前世は罪人でした」
と 言われて以来占いはやめた
この善良な ....
パンパカパーン
重大発表決定!
バカ男の考案した幻の獣についてしゃべっちゃいます
頭はシマウマ!おおっ!
身体はペンギン!ステキ!
右のハサミはカニ!
左のハサミは ....
いつのことでしたか
忘れてしまいましたが
絶句したその無言の先に
あの日がちらついていたのは、確かです
日溜りの微笑む
静けさのなか
涙は花ひそめ
無表情に泣いていました
それはか ....
ふたりは出会う
雛連れの野鴨憩う山郷の水面は茜に染まり
ほら手をつなご
これから暫くふたりして
同じ水脈を流れ行くのだから
ふたりのささ舟は
透き通る冬の気象 ....
{ルビ烏=からす}と{ルビ鳩=はと}は向き合い
静止したまま じっと {ルビ睨=にら}み合っていた
空から舞い降りた一羽の白鳥
両者の間に立ち{ルビ嘴=くちばし}を天に向け
広げた翼はそれ ....
一
昼休みの男子休憩室の扉を開くと
新婚三ヶ月のM君の後ろ姿は正座して
愛妻弁当を黙々と食べていた
「 おいしいかい?
結婚してみて、どうよ・・・? 」
と買ってきたコンビ ....
月の滴り糧にして、
傾くが儘に流れ征く。
果ての浄夜は音も亡く、
地を這う我影、
唯ひとつ。
たとえば
カーテン越しの陽だまりに
できるだけぽつんと
たよりなく座ってみる
時計の針の
こちこちという音だけが
胸にひびくように
明るみの中で目をとじる
いつの日かお ....
絶望さえ透けていく
初夏の陽射しのもと
雲へ手をふり
永遠する未完の涙
生れ立ての傷が
{ルビ鎖状=さじょう}に結晶し
{ルビ手鞠唄=てまりうた}に弾む午後
幼き声の純粋にひそむ響き ....
{ルビ穏=おだや}かな初春の陽射しを{ルビ額=ひたい}にあびて
目を細め のんびりと自転車をこいでいた
狭い歩道の向こうから
杖をついたお{ルビ爺=じい}さんがびっこをひいて
ゆっくり ゆ ....
歩道の残雪を
踏みしめる律動
声でもなく
音でもなく
歌でもなく
白い吐息に飽きて
見上げる
大気の天蓋
一弦の
その楽器
透明におびえ
....
アライグマに石鹸をわたしたら
小さな手をちょこちょこ動かして
とても楽しそうにしていた
まるまるとした石鹸は
みるみるうちに小さくなり
無数の泡だけを残して
アライグマの視 ....
ういうい ういうい
あひゃー ばれたか
はずかしい あひゃー あひゃー
どうしようかな
そうだ おどろう
ういういダンスを
ういうい ういうい
やった おどったぜ
ういういダンス
理科教室のカーテンの陰
ビーカーに入れられた
子供の悪戯とクロッカスの球根
こっそりと 育つ日々
昼の太陽 夜の月
揺れる隙間から漏れる
光りの栄養を貪りながら
薄情な薄明か ....
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