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マンホールの蓋を開けると
ハローページは既にそこまで
ぎっしりと積み上がっていて
でかくて、飲み込めね、でかくて、飲み込めね
ごきゅごきゅ喉をいわせ
頑張っている船長の隣で
僕はタウン ....
ダヒテ。
ダヒテの発音は砂のようで
ダヒテの腕はいつもきみどりいろな気がする。
僕の魂は重みにつぶされたりはしない
青梅線を走る送電線に巻き込まれたりしない
そうなったら
....
じーちゃんは 耳が遠い
ばーちゃんは 歯がなくて発音が悪い
二人の会話は
何度も聞き直し
何度も言い直し
互いの顔を
くっつけるように近づいて
可愛らしくて
仲がいい
ばーち ....
ひとつの認識から始まる憂鬱
鶏が鳴く
もう朝である
月を背後に負った者は
木の幹の太さを計測して
空にまで届かない溜息を吐く
星の下につぶされた者は
動かない時計を見つめて
色のない繰 ....
混沌の中に
夜はある
夜の中には数多の息が
凍りついたまま存在していて
人々はその下で
ぶざまな眠りを眠っている
君は
やがて忘れ去られる
それが君の運命である
目的を持たない淋しい ....
ひき えみ まな やみ
ふさ ぐる とに まい
たく のに ゆく つえ
むい むえ むく ちる
ワン!
と唐突に始まる詩
を数編書き
少女はそれから二度と詩を書こうとはしなかった
ターコイズ、ターコイズ、ターコイズ・マーチ
ターコイズ・マーチ
先生!山下君のターコイズ・マーチ ....
青い森の中の小さなベンチ
腰掛けたままの少年は
もうずっと切りとられた空を眺めています
かつて街角の公園だったその場所は
今では小さな青い森
時折少年の握り締めた手紙 ....
今、入門書が熱い!
という情報を聞きつけ
俺は師走の街をかっ飛び
かっとーび
許されるならすべてを散財し
強弱も忘れずに
強も弱も
俺の大切な兄たちたちが教えてくれたよ
引き連 ....
荒れるといった 天候はやはり
買い物に行こうと 車だしたら
あたった
ふきさらしの 水田に積まれた雪は
風にたたかれて 横に 流れる
降る雪と 流れる雪で
前も 後ろ も見 ....
雪が白く彩るために切なさは増すのか
薄紫の雪原に伸びる影はただ一つだけ
記憶の奥深くにあの憧憬を閉じ込めて
氷の枝の先に探す冬の太陽は遠く遠く
深く俯いて一月の短い午後 ....
陽が落ちる
葉が落ちる
その中に埋もれて
誰かの手が落ちている
手首から先を見事に切り離されて
隠れるように静かに余生を送っている
枯れた手の来歴は誰も知らない
気ままな散歩の途中で見つ ....
ホッチキスの針よ
俺の兵隊となれ
兵隊となり武器を持て
突撃
そして発射
せよレトロ光線
七十年代のビビビ
人間万事バンジージャンプ
ロープをつけずに
ジャンプした俺の恋人
ば ....
脱ぎ放した靴下のフォルムは流線型だった
2つある
手のひらの皮が剥けていく
郵便局の先が乾燥して
弓のようにゆする足で蹴忘れてしまったことを
シャワーを浴びずに行くべきなのを
....
はけ が とどいて
ぬられる めと て
ほおばる いろいし
つめたい みみたぶ
ひ に すか され
ひ に こげ つき
そら の くに よ
ほほ さらわせ て
空からたくさんの手紙をわたされ
緑のなかへ入り
迷ううちに手紙を失くし
戻ってきたときにはいつも
お礼の手紙が積まれている
迷うために迷うのではなく
たしかにどこかへ ....
セーターの首をつまみます
えりが首を小さく噛むためかゆいのです
ふわふわの小さな猫をつまむ指
もう悪さはするんじゃないよと離します
いつからだろうマフラーがすっかり
魚だ
巻くと冷たい鱗がささり
しかも時々鋭い歯でかみつく
工場からの帰り
俺の手は油と煤だらけだが
首のあたりからは
腐った泥の臭いしかしない
明 ....
て ぶくろう
ほけちょ
たるんだ
ゆめ み
あしあと ついばんでる
って ふく ろ
あ ほう
さしこむ月明かりに
浮かび上がる
窓枠におかれた青白い手
古びたホログラムのような
その手の
輪郭が、ぶれ
はしる、ノイズ
握られたナイフの
かるい重み
ナイフは澄んだ鏡
凪い ....
その頃
ぼくらといえば
美しい霜のうえを
自転車で完璧な曲線を
描きながら
ふるえる独奏者としての
ふるえるりんごの夕陽のことばを
所有してました
複雑なぼくらのようなわたしたちの
....
地面を打つ雨の音
ぽつぽつと ぽつぽつと
惜しむように奏でられる水上の音楽
とつとつと とつとつと
長雨の予感 ほわんと浮かび去る吐息
硝子の向こう まどかに映える懐かしい ....
これは1618年にロバート・フラッドという名の錬金術師が発明した永久機関です。さしずめ「アルキメデスの螺旋」の応用といったところでしょうか。この螺旋の管が水車の力でまわると水は上方へ運ばれそこにある枡 ....
まりこから
またメールが来た
まりこはバカだから
「こんにちは」を「こんにちわ」と書く
まりこはバカだから
「一応」を「いちよう」と書く
まりこはバカだから
おれの名前の漢字 ....
ある時
うさぎは
森の中を
大声で叫びながら
走っていた
「たいへんだ
たいへんだ
ぼくはおおきなゆううつに
おしつぶされて
しにそうだ」
動物たちには
「ゆうう ....
雪の 蝉は
冬に 生まれて
お日様に 溶けて
ぽとりと 落ちる
ほら
とんでいく
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
君はシャボン玉のことをこう呼ぶ
膨らんで飛んでゆくさまが
ぷうわり で
弾けて消えるさまが
ぷん なのだろう
ぷうわり、ぷん
ぷうわり、ぷん
....
連立する高層住宅の緑は孤独
メタリックな金魚は
雨の日に口を開けて上昇するんだ
施錠された鍵は傷ついている
何度も何度も何度も
屋上に取り付けられたばかりに
また傷ついている
無 ....
このひとと
子供を
授かりたいと
思った女性がいた
別れた
昼寝のあと
毛布のくらやみに
想像の
子供の影を
写す
おさない私の中の
泡ダチは
つよくはじけ
夢見 ....
今夜も 僕はほんの少しだけ世界を忘れる
飛び上がって
ひと思いに刺すことが出来ずに
沈みながら
血迷った逆流に身を躍らせる
時計は残された時を静かに刻み
やせおとろえた夜の下で
僕は僕の ....
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