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生身のひとが
都市に残っている噂とは逆に
鉄路を踏んでゆくと
霊とすれ違った

稀にたたずむ
かつてのひとの家宅は
いま わたしの背丈を遥かに超える蔓草が
幾世紀の愛憎を晴らすように
 ....
あなたのこと考えると足が震えるんです

あなたが私の一言で突然ぶん殴ってきて

あなたが私を見もしない

あなたがその場の主として私を笑いものにし

あなたが98円のハンバーガーを与え ....
明後日の予定をずっと気にしていたんだね。
だから、馬鹿だったんだよ。
今はとおくもちかくもない死を見つめながら、
そんな死にからかう。

ああ、こんな運命の思いやり。
眠れない夜の慰めに、
温かなハーブティーを飲んだ。
夜はまだまだ続く。
老いた父は眠っている。
目が、覚めるようなシャワーを浴びる。
道向かいの街路樹の
盛んに繁茂する新緑の
大風に波打ち揺れ動くに

私の思考の溶け込んで

私は自分を保ったままに
緑に波打ちうねり合一し
  みどりうねり
運動思考そのものだ

 ....
レズビアンで
スキゾフレニアで
引きこもりで
市民税非課税世帯で
不細工で
年増で
虐待児で
生命保険に入れなくて
おまけに

字が読める

私達はここに隠れて
殺されること ....
五月の風に若葉が揺れて

透明な渓谷が呼んでいる

虹色と真珠の魚を求めて

静かな胸の鼓動が高鳴り

ニンフが舞う水面を想う
{注あなた=あなたっていったらあなたのことです}へ



今日私が思い付いたあなたの為の冗談を知りたいですか

{引用=
月収の高さでしかあなたを見られない}



{ルビ「みつ ....
 なぜ此処に来たのか
  (絶えず忘却しながら)
 なぜ此処で生きているのか
  (絶えず想起しながら)

失われた記憶の底
掬い出せば
無限の哀しみ無限の歓び
相俟って響き合い
な ....
 地下へ降りる階段の
 足音を吸いこむノワールプロフォン
 ぞわぞわ 脈打つ気配に取りまかれる

 手のひらで触れる空洞の壁
 その冷たさしか頼れるものは無く
 心細さに すくむ足でく ....
もうすぐ花火がはじまるぞ、と
キミが誘うから
ボクは藻の家から出た
どんよりした空を見上げる
まもなく雨粒が落ちてきて
はじけて円を描いて消えた
ひとつ、ふたつ、みっつ、
数えられたのは ....
うあ、日の丸だや
なんでや、日の丸だや
そして日本語だ、アニソンだや
スマホの向こうにテント暮らしの一家
壁に血色悪いマル・マル・ヒノマル飾られ
くるくるくせ毛の子どもたちが水玉のスカートを ....
  淵にいて
  くるくるとまわった
  すごく晴れてた


  池があった
  水に 日もぼうと浮いてた
  ぜんぶ本当にあった


  淵にいて
  かなしさから
 ....
二度と戻れない沖を目指して
たゆたう一匹の海蛍

私達に年月は無意味なもの

家庭を持つことも仕事を続けることも
家族を殺すことも友人を裏切ることも

孤独は永遠の約束
揚羽蝶たちが ....
山から雲が流れ込む内海
元気な鰡はミルクの中で跳ねる


釣りする少女はため息
堤防に置いた自転車をちらりと見る
雪崩に埋もれた人を見つけた
救助隊のシャベルが首に突き刺さって死ぬ遭 ....
断崖絶壁の際に立ち
臨めば、
清流の流れ遥か底に在り
   身を賭して
他者のために新生せよと




今日擦れ違った人、
紫掛かりうっすらと
純白の端正な面持ち
  浮かび来 ....
○「生きる」
人には
それぞれ
進む道がある

○「終活登山」
なお一山一山
一歩ずつ登って
一歩ずつおりる
無事に登って
無事に帰るのが
終活登山

○「春朝」
目覚めの ....
いっときの
感情に
とらわれたくはない
気持の影を
葬送しよう



時は
過ぎる
何がどうあろうと
全てが静止するまで
今は在る



何が災いするか
分からな ....
カーネーション、
強がりながらそれとなく強請っているあなたに、
かたくなに、
買って渡すことをしなかった、
一〇才のしょうねんの、
三十五年もの歳月が経過したあとにようやく為し遂げた、
母 ....
俗物がうっとおしいのはデフォルトです
こちらが弱ればさらにそうなろ

どうも私の生きざまが
広く一般の価値を攻撃した気もし、キモ死

蚤のようなジャ〇プが嫌いです
涙のような夜があけていく
かたく結んだ祈りが破られていく
君のまぶたに塗られた祈りだ

本当に愛するつもりなんてなかったのに
ただ風が強く吹いただけなの
ソメイヨシノはクローンです
ソウルにも
ワシントンにも北京にも
同じように咲く
その花が
サハラにもチベットにも咲けばいいと思う
咲くその夜のために
酒を醸め
誰の杯も乾かさぬよう
 ....
鋭角に切り込む
凝縮の果実
南の戸口より
朝に取り入れ
北の戸口より
漆黒の夜に輝いた
銀河の残滓流し出す

手のひらに残り在る
夜々の夢底割り
現れる界
その確かな感触、
黒 ....
踊る子らの
この広場、
熱気溢れ笑い弾け
此の世の宮居、
張り裂けんばかりに

なんということ!

滑り落ちる断崖絶壁

この広場取り囲み
 区切り在り、
小さな死大きな断絶
 ....
幸せかい?
(ヘミングウェイ『エデンの園』第二部・7、沼澤洽治訳)

彼はなにげなくたずねた。
(サキ『七番目の若鶏』中村能三訳)

あと十分ある。
(アイザック・アシモフ『銀河帝国 ....
それほど
私の愛は深くは無いので
終わらせてやることは出来ません
ただ
魂のそばにあるだけ



ああ何故だ何故と今は
のっぴきならないことを問うのはやめよう
とんぼは頭をくりっ ....
○「十界」
人間は自分が最高の生き物だ
という思い上がりがある
地獄 餓鬼 畜生 修羅 人 天人 声聞 縁覚 菩薩 如来
われわれはまだ中間点なのだ

○「交通事故」
ハンドルを握るとい ....
 

ちいさな猫

(可愛い)

可愛がられるための
もふもふの
器のような猫

ひとさし指で
そっとひたいを撫でて
そのいのちの繊細さに
すこしゆびさきが震えた

 ....
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も ....
ひろがりゆく
いようにいだい
いだかれて

いようにいだい
いしにだきしめ

ひろがりゆく
ただそれだけ

だきしめる いし 

いだかれながら
いし に より
atsuchan69さんの自由詩おすすめリスト(5976)
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