すべてのおすすめ
おい
イタル
たかこぎするべ
といったら
うん
というので
チヨオ
しんぱんしろ
といったら
うん
おすなよ、うしろから
ぜったいに
うん
陽に ....
僕が本を閉じたときに
誰かが新しい頁をめくるでしょう
僕がまぶたを伏せるときに
目覚める朝もあるでしょう
僕がこぶしを握るときに
手のひらを開いて母を求める
新しい命がきっとあるの ....
父さんと
子吉川で釣りをしていた
海の近くだったので
時々川が逆に流れていた
時間は正しく流れてるのに
潮が満ちると川だけが
昔へ還っていくようだった
父さんは
いつも ....
父のベッドのところまで
凪いだ海がきている
今日は蒸し暑い、と言って
父はむくんだ足を
海に浸して涼んでいる
僕は波打ち際で遊ぶ
水をばしゃばしゃとやって
必死になって遊 ....
四年に一度の祭典 鮭投げ選手権
世界中の荒くれ者たちが一同に介して
鮭という鮭を片っ端から豪快に投げまくり
飛距離や芸術点を競うというこの大会は
第一回大会以来年々集客数を減らして
今年はと ....
ぽつりぽつり
滲み出る
落涙を正米に変えてみる
なにものも無駄にせぬのは、女の鑑(かがみ)
それはそれでも、炊いでみれば思い出す過去世の味、
苦い飯(めし)
食べきれず
....
夕暮れの
韓国料理店の
店先に
出された
長椅子
の上に
地球儀が
鎮座する
海の色は
リアルに
青く
塗られている
くせに
陸は
ピンクだの
レモンイエローだの
....
ヘンゼルとグレーテルは
かしこさとかわいらしさで人気だけど
ほんとのところは
名前がよかったんだと思う
ヘンセルとクレーテルだったら
だめだったと思う
魔女にも勝てないし
道にも迷わ ....
たとえその大半が常套句だったとしても、その書き手にとってほんとうに書くべきことなら書いても良い、と断言するほどの勇気はぼくにはないけど、でもその逆に、数百年前にもう誰かが解決済みの悩みを単なる無知のせ ....
聖なる夜のイブにだって
血は何リットルも流れる
殺人てわけじゃなく
輸血用の血が無駄に捨てられたってことだけど
ニュースで言ってた
それを聞いたからってわけじゃないけど
聖なる夜に ....
アスファルトの照り返しは穏やかではない
24号線沿いのひび割れた歩道を蹴って
いつまでも変わらない信号を見上げる
太陽がもうひとつ増えた気がした
雨と晴れの境目を見つけた少年時代の君を
....
浮いた光は気まぐれに運ばれているのか
それとも決まった順路を漂っているのか
ただ、示されたとおりに視線を動かす
乾きから守ろうとする瞳は水の膜を張り
鮮明だったはずのものがぼんやりにじむ
....
旅するひとよ、空は
くるくる重低音を行き来して
雨の匂いさえも はなうたの
材料にしながら
「これからの僕を分けよう」
粒は汚れのない アリスの涙
少女は聞きわけよく
旅するひとに付 ....
切り削る弦月は
生温かい月明かり
星の角先が知らぬ間、円みを帯びている
願いを込めれば
河瀬に
天の河の流れは淀み
瀞(とろ)に溜まった星たちが
あふれて
私(ここ)に落ちてく ....
まちのすき間や
料理のかくし味や
音楽のうらがわに
そして、こころのどこかのしょっぱい海に
古ぼけた教室のような空間があって
気まぐれにドアがひらけば
そこには、
だいすきな人たちと ....
隣の部屋のカップルは
毎晩遅くまで話をしている
笑い声がわたしのベットまで聞こえていて 眠れない
わたしは耳をすます
彼らがセックスをするとき
わたしは自分の恥部に手を当てて
そこから ....
ナスがなった
まだ小さい
そっと撫でた
冷たかった
夏の音
風が聞こえる
雨は降る
土は湿り 葉は大きく広がる
ナスがなる
まだ小さい
重そうに 頭は ....
幸せだったら
誰も詩など書きはしない
一文字でも
書いてしまえば後戻りのできない、
あなたは
詩人のはしくれ
行き場などない
銀河の小さな島宇宙に住まう囚われ人
詩人はだから、いつ ....
橋をくぐる橋の向こうに
ひとつおきに壊れた灯があり
ひとつおきに鳥の背を射る
青のなかの金
金のなかの青
朝に昼に 夢をめくり
めくりめくり 剥がれ落ちる
....
月夜に犬を連れて散歩に出た。
境川という神奈川と東京都の県境に
流れる川の畔を歩く。
橋のたもとまで来ると何やら小さな生き物が
何匹も橋の隅をぞろぞろ動いている。
アメリカザリガニだ。
....
忘れかけている遠い記憶のあの子
白いワンピースがお気に入りだった
生まれつき色素が薄かったようで
肌は陶器のようにつるりと白く
髪は太陽に透けるような茶色だった
大人は口をそろえて
....
空の低いところ
まる が
貼り付くさま
きれい
薄紫の
ほくろ ぴたりと
空に寄り添って
引き摺られながら
消えた
また地面の下にゆくね
私の知らない裏側に
混ざりにゆくのね
....
小さなまどから
両手を広げたら
境も {ルビ閊=つか}える枠もなかった
風は湿り気
きょうもいくつもの紙ふうせん
昇ってゆく
まだ、両手広げたまま 吸って 吐いて
十字架のか ....
教室の窓際の席でさ
ルーズリーフのページがひらひらめくられて
あの子はそれを器用に切り取って
便箋に書いた“彼が好き”って
夏休み前の放課後
先生に呼び出し食らってね
“君 ....
君が唱えた夢のような言葉を
僕は未だに捉えきれないでいる
指先から滴る紅を
君は汚いと笑った
「あなたにはもう微笑まないわ」と
俯きながら君は呟いたけれど
君が一度だって微笑んでくれた ....
ノックをしても返事は帰ってこない
薄暗い井戸に落ちていくのは
諦めた人達
安心したくていつも命綱を
硬く身に付けていた
辛うじて意識があるうちに
君に会いに行こうと ....
骨のような夏が街におりてくる
空はまぶしすぎて暗示しない
目を細めて輪郭や影を
確かな物にしようとしているだけで
湿った風は川からあがってくる潮の香りがする
どこか遠いところまでいつ ....
雪解け水が湧く頃に
キツネの蕎麦菜を食べに行きます
湿原は今日もしとってて
湿原は今日も青い空
キツネの蕎麦菜をからりと揚げて
天ぷら蕎麦をばいただきましょう
店の名前は玉藻亭 ....
波が立っている
波が立っている
波が立っている
波が立っている
波が立っている
もんどりうっては少し
また少し盛り上がり
大きな盛りへ大きな波の
筋に白さの小さな白い
少し大きな ....
足の向くまま川辺を歩く
チィリリリーと鳴きながら
いそしぎがひっそりと降り立った
すこしだけ日が射すような
くもりぞらが
おまえには似合うね
生え換わる赤子のような羽毛 ....
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