すべてのおすすめ
雨が上がったその道で
どこからともなく吹いてくる
シャボン玉

次から次へと線となり
弧となり
連なる透明の球

曇った空を照らしながら
やがて溶けてゆく
風に流れるシャボン玉
 ....
松嶋慶子

「猫は 所詮畜生なんやから」

生前の祖父の口癖
餌は
人間が食べ終わったあとの身一つ残されていない 骨
そして 鍋底にわずかに残された味噌汁 をかけた冷ご飯
鰹節など、ま ....
夕闇の
あの色が好きです
切なさをひとつぶ
いとおしさを一粒
弄んでは
つぶすたびに
広がってゆく葡萄色

甘いあまいのは
街の匂い
あなたとはぐれた
秋の匂い

五 ....
人々が漏らす{ルビ溜息=ためいき}で 
街の輪郭が{ルビ歪=ゆが}む土曜日の夜 

場末の Bar の片隅で 
翼の生えたアダムとイブの人形は壁に{ルビ凭=もた}れ 
虚ろな瞳で古時計をみつ ....
入道雲の夏をして
暑い{ルビ思い出=おもいで}した後に
夕焼け空の秋をして
心も揺れる紅葉する

冷たい雪の冬をする
寒い{ルビ思い出=おもいで}する前に
赤いトンボの秋をして
心も揺 ....
あなたが優しく息を吸い
ふい と息の根を止めた時
私は とても幸福でした


流れる雲は川面に映り
青い空を魚は流れる
錯覚しておいで
この手の平の陽に
飛ぶ魚よ 飛ぶ鳥のように
 ....
 茜空が僕達を照らしてる
 きれいなオレンジ色に映るボールを
 投げては受け
 受けては投げ
 
 弟と家の前の路地で
 夜の帳が降りるまで
 キャッチボールをしていた

 やがて味 ....
渋茶と一緒に供する三時のおやつ

羊羹が出てくるとなんとなく胸が痛んだ

歯の裏に引っ付いてくる粘着性
苦みを感じてしまう程の甘さ
綿々と続く伝統の重さ
洋菓子が醸し出す空気たっぷり ....
きりきりと張られた
暗い夜道

向かう音のない雨
片側だけで 聴く耳
もうひとつの行方 

舗道を流れる
外灯の明りに
寄りすがり
つぶてに 落とされた 蛾

パタパタと 動か ....
祖父が亡くなってからずいぶんの時が経つ
お骨になった祖父は白く そしてもろかった

まだ暖かい祖父の骨を私たちは火ばしでついばむ
生きている者を火ばしで持ち上げたりしないすなわち
祖父は名実 ....
 秋に装飾され始めた街角に立つ君は
 凛々しく軽やかでその髪を風にまかせてる

 ルージュもつけない唇は
 すれ違う人々の視線から逃れられない

 風が舞うとき 
 君まで舞いあがりそう ....
150億円の借金を抱えて
華厳の滝に飛び込んだら
借金が重すぎて
華厳の滝の
滝壺の
水が溢れて
日干しになった
カワガラス
クイナ
セントロニクスのプリンター
関係ないじゃんとい ....
夕暮れていく空の
侵略される白と
紫が混ざり合うように

中途半端なまま心は
形を変え続けて年を重ねる

不意に感じる虚無へのやり場のない焦燥感
孤独への抵抗の微熱が
私の中ではあの ....
洗い立てのかるい

ネルのシャツにでも着替えて

家を出て行けばいい

そして袖口を泥で汚したなら

帰ってくればいい

風に洗われながら

道端の小石とおしゃべりしながら
 ....
ねむくなったので
さきにおふとんにはいっていると
おねえちゃんはつくえのひきだしをあけて
びんをみっつとりだした
とてもおおきなびんで
とうめいなみずがはいっていた
はなうたをうたいな ....
ツクツクボウシが鳴き細り
ぼくらの夏が終わる

夢をいっぱいにはらんだ風が
尖ってゆく

去年のいまごろ
あなたが放してやった
あの魚が
黄金色に輝きながら
ぼくらの明日を
運ん ....
駅までの途中

紺のひだスカート
髪はキュッと右上でくくり
鞄はぺしゃんこ
ローファーに「ズルズル」言わせて
学校、なんてかったるい場所(とこ)へ
しょうがないけど行ってあげる途中
そ ....
日替わりで
ミルクの量が変わるコーヒーをあなたは
おまえの機嫌が手に取るようだ、と
綺麗に笑って
少しずつ飲んでいた

コーヒーにクリープなんか入れるやつは死刑だな、
初めて敬語 ....
片手をかざして遠くを見る
いつだってこの街は光の渦
目覚めるたびに生まれ変わり
すべてが新しくなって行く

この両腕に抱えている
悲しい思い出はみんな捨てて
窓を開けて そして飛ばそう
 ....
偶然も奇跡も災害も
いつだってその辺の道ばたに転がっていて
宝くじみたいに
人に掴み獲られるのを待っている

最近、災いばかり
引き当ててる気がするのは
厄年だからかな、クワバラクワ ....
1

ドングリが遠い目をして
冬の正解(こたえ)を探している

もうすぐ大きな冬の翼が
やってくる
僕は森によばれる
いかなくちゃ

山猫の親分は
ピリピリしながらも
やさしい ....
わたしは一遍の詩
およそ80年かかって朗読される

妻でもなく
母でもなく
女ですらなく

眠って起きて紡がれる一遍の詩

残念です
あなたの耳に届くのは
この美 ....
便利なものが満ち溢れ
心満ちると思えども
便利さのみが溢れ出て
欲求のみが加速する

高価なものも尊とまれ
何であるかもわからずに
高価がゆえに追い求め
評価のみがそこにある

名 ....
放課後
勇気を出してあの子を祭りに誘った

こっちの気も知らないで
僕を射抜いた満面の笑顔で
また、追い討ちをかけられる
くそっ、かわいいな
いっその事、断ってくれれば
今年も友達と馬 ....
当て所無い片道切符の遠い駅
尿意に立ち寄ったトイレは
蟋蟀らしき秋虫の音が木霊する
あれは便所蟋蟀だろうか
所業に耐え無為と生きる便所蟋蟀
然し秋虫の類では無いような
さりとて確かめたりは ....
深くみずをたたえて、湿度を高位にくばり、
森に沈みこむ薄化粧の木霊は、
香ばしい季節の賑わいを、端正に、はおり、
浮かび上がるみどりに浸る、
眩い光沢を、透き通る声の上に配して。

流れる ....
鏡に映る「私という人」は
だらしなく伸びた髪を 
ばっさ ばっさ と刈られていく 

( 少しくたびれた顔をしてるな。 
( いつのまに白髪が混ざりはじめたな。 

幼い頃 
{ルビ日 ....
指環をつけようとして
指を眺めたら
関節がすっかり変形した
人差し指と
中指と
薬指とが並んでいる

少しばっかり
痛々しくもあるそれは
持てる以上の力と知らず
がむしゃらに使った ....
空を
見上げようともしない、君の
泣きはらした頬の ぬくもり が
染みる

舌足らずな恋は
時を止めるすべも知らず
いたずらに季節ばかりがすぎて
最後の秋

西日を受けた
一面の ....
ただいま
と、呼べる場所をいつもこの手の中に持っている
気付かないほどに当たり前の鼓動の中にいる
夜更けへ向けて風速は加速し続けている


明日を見渡したいから、と
君は潜望鏡を買ってき ....
佐野権太さんの自由詩おすすめリスト(4554)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
雨上がりのシャボン玉- ぽえむ君自由詩6*06-9-18
畜生- 松嶋慶子自由詩8*06-9-18
葡萄色の- Rin K自由詩35*06-9-18
堕天使達の夜_- 服部 剛自由詩11*06-9-17
紅葉する- ぽえむ君自由詩9*06-9-17
幸福な九月- 千月 話 ...自由詩18*06-9-17
キャッチボール- 山崎 風 ...自由詩806-9-17
*羊羹の裏*- かおる自由詩8*06-9-17
背中の背中に潤う寝息- 砂木自由詩13*06-9-17
白の質量- umineko自由詩13*06-9-17
秋のステキな時間- 山崎 風 ...自由詩4*06-9-17
無量大数- あおば自由詩7*06-9-17
リトルプレイ- マッドビ ...自由詩7+*06-9-16
「秋分」- プテラノ ...自由詩4*06-9-16
ひきだし- アンテ自由詩506-9-16
風のゆくえ- 草野大悟自由詩5*06-9-16
すれちがう- yaka自由詩3*06-9-16
スプーンの火で焼かれてしまえ- 田島オス ...自由詩6*06-9-16
青空- 未有花自由詩7*06-9-15
*オプティミスト、バンザイ*- かおる自由詩7*06-9-15
透明の光- 日朗歩野自由詩906-9-14
- 河野宏子自由詩706-9-14
秋にものを想う- ぽえむ君自由詩6*06-9-14
かるめやき- 美味自由詩4*06-9-14
ふぐり- 恋月 ぴ ...自由詩18*06-9-13
森の経験- 前田ふむ ...自由詩19*06-9-13
断髪式_- 服部 剛自由詩7*06-9-13
手を見ている- 銀猫自由詩13*06-9-13
狗尾草のころ- 松嶋慶子自由詩10*06-9-13
潜望鏡- 霜天自由詩806-9-13

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 119 120 121 122 123 124 125 126 127 128 129 130 131 132 133 134 135 136 137 138 139 140 141 142 143 144 145 146 147 148 149 150 151 152