すべてのおすすめ
池袋とか新宿とか
そんな
詩みたいにきれいな響きを持った名前の街は
おれたちの暮らす街にはないので
とりあえずできることといえば
コンビニの前にたむろしている若者にビクビクしながら
そいつ ....
みんなエアギターを弾け!
いやギターじゃなくてもいいから各自エア○○をやれ!
エアでやりたいことをやれ!
やれないこともやってしまえ!
俺はエア全てやるぞ
エアメルセデスに乗って
エア最高 ....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
まばゆいまばゆい光です。まばゆいだけの光です。
いいんです。気にかけないでください。
気にかけたところで
私は地球を七週半している最中です。
いいんです。思い出さないでください。
思い出した ....
せまくたっていい
台所が小さくても
押入れがなくても
ただ
日当たりさえよければ
階段をのぼって
街を見晴らし
あなたとふたり
夕焼けを見られたら
それで
なんにも持ってい ....
触れたところから崩れていく
もろいビスケットの空
投げた言葉も跳ね返らない
石畳を、転がるように
冬を塗りつぶしながら
配達夫が窓をこじあけていく
のびあがっては、きりきりに締め上げる ....
生まれて初めて
献血をした
400mlだ。
歯磨き粉が切れていたので、
先に献血した人がもらってきた
歯磨き粉が
欲しいなと思っただけではない。
愛は
与えること
そう学んだと思 ....
薄曇の昼下がり
住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう
無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする
……わはわをたまわる)
柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
....
郵便受けを屑篭にする三文広告
枯れ葉だったらいいのにな
枯れ葉だったらいいのにな
虫の声といっしょに、
君の手紙があればいい。
1 髪を切らなかった日
失恋しても髪は切らないよ
と言ったあたしに
失恋したら髪を切るよ
とあなたは言った
手をつなぐことを覚え始めた
あの頃
そして
あなたが髪を切った時 ....
あの頃は誰もが夢を見てた
遠い未来に憧れて
恋に恋していた
だけど今ひとりきり
支えてくれる人もないまま
ただ後ろを振り返らないように
前を向いて歩くだけ
やさしさにかえりたい
素直な ....
彼女は言った、もし
親知らずを抜いてしまっても
今までと変わらず愛してくれる?
僕は答える、もちろん
それに必要とあれば
代わりにとびっきり頑丈な義歯を
プレゼントするよ、もし
その時に ....
夜に開いた
隙間を
埋めるように
雨の旋律が
耳に届いて
孤独にいる者の
遊び相手と成りはしないだろうか
滴の奏でる音が
たった一人の為の
優しさとなって
降り注いで
あなたは雨 ....
帰省の列車の中で
こんな夢を見た
『蜻蛉の夢』
満月の夜
月下美人のつぼみの下で
細身の女性が横たわっている
彼女の肌は
食べ物が喉を通ったら
透けてしまうくら ....
せかいの おわりに
きみとだけは いっしょに
いたくないと いわれたら
がんばって
せかいを すくう
咳をしたらたまたま側にいた
隣の課のえむさんが
フルーツのど飴をくれた
えむさんがフルーツのど飴を好きだなんて
初めて知った
えむさんは僕より十歳くらい下の女の子だけど
背は僕より十セ ....
妻の
右前頭葉が
どこかに
遊びに行き
脳幹が
ふて寝し
思いもしなかった
生活を
ぼくらは
送ることになって
毎日、毎日
何かを信じて
何かにすがるように
リハビリを続けて ....
僕は、毎朝
市民農園で育てた
形の悪いニンジンで笛を作る
ウサギたちが楽しみにしているのだ
僕は、ウサギたちの喜ぶ顔が見たくて
苦心して笛を作る
リードのところなんて、ウサギたちの
....
胎児のような寝相も
遠い記憶のせいだとか
僕はひざを抱えて眠る
それが一番楽な姿勢なんだよ
間接がすっきりおさまって
頭からつま先までが一つになる
そう 一個の人間にな ....
20007/02/15
白い雑巾縫い始めたのが
掃除の始まりで
真っ黒に汚れた足の裏
ぞうきんがけを覚えたのが
小学校の廊下
電車道のようにまっすぐに
競争して ....
ひとはせつなくなりたくて
ちいさな過ちを犯してしまう
せつなくなりたくて
きょうもひとは旅を続けている
今宵
僕らそれぞれに瞬く星が
いい星でありますように
....
元気をプラットフォームで落としちゃった
どこ探してもない
誰かが拾って食べちゃったな
困るんだよ
元気がないと
明日の仕事にも行けやしないじゃない
もう、ずる休みできないんだ ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく
両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう
水溜まりには
強が ....
ここはどうにも真っ暗だ。
寒気もするが、今の私にはそれが心地よくもある。
寒気がなければ、
私なぞすぐに使い物にならなくなってしまうのだろう。
ここはどうにも真っ暗だ。
ここが冷蔵庫 ....
ああごめんなさい
あたくしといたしましたことが
ひどくうろこむしてしまい
大変お見苦しゅうございましょう
うなじのあたりから
せなかまでがもう
ひどくうろこむしてしまい
はがしても、 ....
図書館の中に
戦場はひっそりと息をひそめていた
爆音も叫びも飛行機のエンジン音やプロペラ音も
溜息も束の間の笑顔も
音のない写真に詰め込まれていて
それらは見る者の脳に聞こえてくる ....
石ころが落ちていた
少し透きとおってきれいだったので
拾って帰った
こんなもの拾ってきて
母は決してそう叱らなかった
しばらく手で触ったり眺めたりしたあと
かわいそうだから放してあげて
....
「安いから買ったんだけどね、あまり袖を通していないのよ。
私の皮膚にはなじまないっていうか、もうすでに誰かの皮膚って感じがして。
・・・いやぁね。どういう人が着ていたのかしら。
きっと洋子とか ....
何もすることがないし
小腹が減っていたので
とりあえず便利な未来の箱に
「ほぐした蟹の身」
と入力してみる
こうしてみても
パソコンの目の前に
本物のカニチャーハンが
出て来て ....
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