すべてのおすすめ
弟がつり革になって
ぶらさがってる
白い輪っかのところなどは
良いつくりだった
揺れるたびに僕はぎゅっと握り
引っ張られた弟は
それでも痛いとは言わなかった
昔からそういう子だっ ....
ごらん
きょうも
きらきらと
ゆきがふっている

まどガラス
いちまいをはさんで
そとはさぞさむいだろうに
それがうつくしくかんじられるのは
ぼくがうちがわでながめているからだろう
 ....
北からの強い風が吹いていた
枯葉をまだ護っている木々にも
誰もいないベンチにも
そこに流れる時間さえ吹き飛ばし
風は強かった

明け方の夢に両の頬が濡れて
世界中で独りぼっちのような目覚 ....
真夜中
のどの乾きに目を覚ましコップの水を飲み干すと
小さな波音が聴こえて不安定になる

部屋の隅で水槽は
溺れそうなほど満水で

薄いガラスを軽く叩くと
魚は眠るのを忘れてため息によ ....
涙を混ぜる、という行為には
冬の夜は長すぎる

ひつじが百匹を超えたら ふいに湧き出す
僕って何だろう、みたいな問いかけに、いつも
たまたまこの星に生まれて
たまたまこの国に来 ....
おでんを
初めて食べたのは
あなたの家の
ばんごはん

半透明の大根に
皮のやわやわなちくわ
味のしみた卵
だしを二種類とるのがコツなのよ

あなたは言ったっけ ....
其の純白が
花嫁衣装の様だった


『純白般若』


祖母は
小さい頃に
骨を食べたという


焼け野原になった当時
ろくな薬も無いなか
人間の骨は万病の薬だ
という噂が ....
どこから こぼれてきたのですか

雨の かがみ込んだ内で
抜けられない 靴ずれに
しみる痛み

知らないうちに 紛れ込んだ
砂の汚した 靴下

脱いで 素足になりたいけど ....
夜がほの蒼いのは
雪が舞っているから

すこし窓を開けて
吐息が白く夜気に放たれ
雪と交わるのをながめる

手を延ばせば舞いおりて
けれどその冷たさは
触れるまもなく掌に溶け ....
一月ついたち

凛として
鈴の音が
聞こえてきそうな
夜でした

まっすぐのびるこの道も
ざわとも動かぬ杉の木立も
風の止んだ雪の原も
すべてに
群青いろの絵の具を
とかして撒 ....
波はもう台所まで押し寄せている
娘はバシャバシャ水を蹴りながら
学校の仕度に忙しい
妻は膝まで海水につかりながら
朝の牛乳を温めている
もしもの時のために集合場所を決めておこうか
と言 ....
私の部屋の窓際には
黒い出目金がいる
彼がプラズマテレビを買えとうるさいので
わたしは21型のそれを買ってきた
ブラウン管はゴミ屋敷に放り投げた
そこのおばあちゃんは
いつもありがとうね
 ....
「明けましておめでとう 
今年もよろしく」

と キーボードに打ち込んだつもりが

「小鳥もよろしく」

と 打ち間違えてしまった。


何回やっても
小鳥、小鳥と、小 ....
冬の寒気が細く伸びて
岬の先のほうへ
鋭く尖っていった
遠くで生まれた赤土の丘が
最後に海へこぼれ落ちていく場所で
わたしの そしてあのひとの
フレアスカートのはためく裾から
なめらかに ....
山の中の湖は
冬の空を見上げていた
晴れた空は気持ちいい

葉の落ちた周囲の桜は
寂しいけれど
光がその分入ってくるので
むしろその方が都合がよい

うんと背伸びをする
湖面が揺れ ....
かいちゃんはくつしたが大嫌い
はかせても はかせても
脱いでしまう

そんなにくつした嫌かなあ
確かに裸足は気持ちいいけど
今は冬
君のあんよが真っ赤なのを
ママは見るにしのびないんだ ....
いのちの大切さって何だろう
きれいごとでは済まされないこと
野生の獣が弱い生き物を捕らえ
生きる糧とするように
人間だって経済動物と言う名のもとに
生き物のいのちを断っている
(ひとのいの ....

友人に
擬態する癖のある女がいる

よく家の中で
かくれんぼうをする
二人で
わたしが鬼で

十数えて振り返ると
家の中はしいんとして
空気がうす青い
百年前からこうし ....
◇暮れ

年が暮れる
暗い時代の予兆は
そのままに

初日は
それらを
もろに背負つて
出てくるだらう


◇木にぶつかれば

蝸牛は彼なりの歩みを
何昼夜もつづけて
 ....
はるをいたみながら
ひとつ、指を折り

なつのまよいに
迷えないまま
指折りは、
ふたつ

みっつ、を数える指には
こころならずも
あきがなついて

ちからずく、のよう ....
人生には三つの弦があるという
理想と現実と失望と
それらをかき鳴らした音色が
夢と呼ばれるものであると
ある人は言う

理想を天とし
現実を地とし
失望を人とするならば
この世界に諦 ....
友人からの年賀状には離婚したことが添えられていた
数年前、結婚の挨拶に来た二人
こんな美人お前にはもったいねえな、なんて
憎まれ口にもニコニコしていた二人

昨年もいろいろな人がこの世を ....
ドアをあけたら
新年はじめての
ひんやりした外気が
メントールのリップをぬった
くちびるに染みて
まだ夜も明けきらない街灯りへ
飛び出していく


銀河鉄道のように
走っていって
 ....
いつまでも 
ひとりでいるのはさみしくて 
旅先で 
出逢ったきみに会うために 
遠い雪国へ
ぼくはゆく 

金はなく 
新幹線にも乗れず 
長いトンネルを抜けた
夜行列車で目覚め ....
目が覚めて 
階段を下りたら 
まだ雨戸の開いていない 
暗い部屋の食卓に 
お{ルビ節=せち}料理の重箱が置かれていた 

「 寿 」と書かれた紙に入った{ルビ箸=はし}が並ぶ中 
ひ ....
黒い眼
まっすぐに見つめるとき
伸びた前髪から覗くとき

大人びた輪郭
頼もしく引き締まるとき
負け犬みたいに歪むとき

すっかり大きくなった掌
やさしさを差し出すとき
憎しみを投 ....
あ、
あさごはんが
きょうもやわらかい


そしゃくされた
いのちが
おなかに熱くしみとおる


やわらかくなって
この手に
とどくまで
いったいどれほど
かみくだかれたの ....
就職支援センター
と云うところに
毎月行っている
無職だからである

就職支援センターは
仕事を紹介してくれる訳ではない
担当の人と
色々お話をして
最後ににこにこと
頑張ってくだ ....
ガキの たまり場で
酒をのんではいかん 煙草はやらん
けれども 未熟なものは魅力的だ
とくに夢が好きだ 全力をつくして
やぶれさる きみが好きだ
胸の奥底を突き刺す

あの時の届かなかった想い

尖りきった気持ち

傷つけてしまったことば


風が攫っていったのか

冷えこんで行く空に

張り巡らされた鉄条網から
 ....
佐野権太さんの自由詩おすすめリスト(4554)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
車内- たもつ自由詩1807-1-10
きらきらとゆきがふる- ベンジャ ...自由詩6*07-1-9
遠い別れ- 銀猫自由詩16*07-1-8
さかさなみだ- 夕凪ここ ...自由詩12*07-1-8
サークル- Rin K自由詩32*07-1-8
鍋の底- とうどう ...自由詩19*07-1-7
純白般若- 蒸発王自由詩14*07-1-7
コルクと瓶の海と流砂- 砂木自由詩13*07-1-6
雪あかり- 落合朱美自由詩29*07-1-4
月夜- LEO自由詩29*07-1-4
水没- たもつ自由詩1307-1-4
結婚しようと思う時- キセル自由詩6+*07-1-4
小鳥もよろしく- まほし自由詩22*07-1-3
フレアスカート- 片野晃司自由詩42*07-1-3
山の中の湖- ぽえむ君自由詩17*07-1-3
かいちゃんとくつした- 未有花自由詩20*07-1-3
大切なこと- 恋月 ぴ ...自由詩35*07-1-2
癖のある男女- 吉田ぐん ...自由詩2107-1-2
小詩集__日は出づ__暗き予兆のまま- 杉菜 晃自由詩2007-1-2
六番目の季節- 千波 一 ...自由詩22*07-1-2
三つの弦の物語- アマル・ ...自由詩14*07-1-2
新年- たもつ自由詩29*07-1-2
あの丘へ- まほし自由詩17*07-1-2
雪原の足跡_- 服部 剛自由詩15*07-1-1
お年玉_- 服部 剛自由詩6*07-1-1
十三歳- yaka自由詩10*06-12-31
やわらかなあさ- まほし自由詩19*06-12-31
就職支援センターのこと- 吉田ぐん ...自由詩4306-12-30
そろもん(若者の話)- みつべえ自由詩1006-12-29
*降りそそいだ*- かおる自由詩10*06-12-29

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